#899 誤植が・・・
武宮先生の『宇宙流妙手録』の出だしは、>「私には妙手が多い」という、こてこての武宮節だったが、今並べている『宇宙流快局選』(木本書店)には誤植が多い。これから購入しようかと思案している方は気になると思うので、記事にしておきます。 1.第二十四局第5譜、黒55であるべきところが黒51になっている。 2.第二十九局第4譜、黒93が白石になっている。3.第三十二局第4譜、白62が黒石、黒63が白石になっている。 また、黒87コウトルが、黒85になっている。4.第三十五局第4譜、白68が黒石になっている。 また、白86であるべきところが、白80になっている。5.第三十九局第1譜、黒27ホウリコむ、が脱落している。6.第四十二局第2譜、白90であるべきところが、白70になっている。7.第四十七局第3譜、黒25トルが、黒25コウトルになっている。 8.場所は忘れたが、解説文中、「黒2」が「黒に」になっていた。9.第五十局、第3譜、ないはずの白56がある。10.第五十三局の最後、「黒中押勝」は、「白中押勝」が正しい。11.第五十四局、第2譜、白68であるべきところが、白48になっている。12.第六十六局、第2譜、黒81が黒91になっている。13.第六十六局、第3譜、ないはずの白50がある。14.第六十九局、p72の末尾、「黒は大苦戦におち入りました」は、「白は大苦戦に陥りました」が正しい。15.第六十九局、第4譜、白50の石に、数字がない。16.第七十局、第4譜、白96が黒石になっている。17.第七十五局、第2譜、白54が白55になっている。不思議なのは、譜面が「囲碁ライター」で作られたように見えるのだが、同じ数字が二つあったり、白黒の色が反転するなど、棋譜ソフトでは本来ありえない誤植があること。「一色碁」が打てる倉田八段やヒカルのレベルなら関係ないでしょうが、 ここだけは黒石を白石と思えというのは、ストレスがかかります。棋譜を映像で憶えるタイプの方には厄介でしょう。さて、この本の誤植が多いか少ないかといえば、打碁集としては多いほうでしょうね。棋譜だけで、75局で17箇所の誤植があるわけですから。確か日本囲碁体系(並べたのは11冊のみ、大体300局位かな)は、誤植が一つか二つあったかなあ?という感じ。『大竹英雄打碁選集』も205局で、一つだけ憶えていて、『飛天の譜』には2回の改訂を経ていますが、一箇所だけありました。昔は本のつくり方が丁寧だったとも言えますが、世知辛い世の中の流れに加えて、棋譜ソフトを信頼してしまっているからこそ出た誤植、と言えますか。 この『宇宙流快局選』のいいところも書いておきます。棋譜が50手で分譜されていること。これは私にも並べやすいですね。「序」に書かれているのですが、>最初は1局並べるのに1時間かかるかもしれません。>しかし、三ヵ月後には1局30分になるでしょう。>半年もすれば15分で並ぶでしょう。継続は力なり。 さあ、あなたもこの打碁集、並べてみませんか?えー、この記事の誤植は探さないで下さいね。