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カテゴリ:からだ
アメフト青年T君には、こんな話をしました。
「あのね、脳っていうのはいくつかの部分が連携して働いているって、知ってた?」そう言いながら、簡単に脳の絵を描いて説明する。 「脳は5人のチームなの。 脳の前中心、ここがトップ。司令塔。テストだったら、ここで問題を読んで、ここで答えを出す。 実はね、脳のトップは、問題を読むときに、右と左のサイドに相談するのよ。『この問題、どう思う?』ってね。 そして、今までに経験した問題だと判ったら、左右のバックに向かって『この問題の解き方、覚えてるか~?』って聞く。 そうするとバックから、『それはこう解くんだよ~~』って返事が返ってくるわけ。 そこでトップが、その返事を参考にして、考えて、答えを出す。 これってさ、サッカーなんかのパスワークに似てると思わない? あなたはトップ。チームの司令塔。 敵が攻めてくる。ボールが来る。 それを見て、瞬時に次の動きを判断するでしょ? そのとき、左右のサイド2人とバックの2人が、どこにいて、どういう動きをしているか、トップは常に意識してるよね? 右にパスするか、左後ろにまわすか・・・ 右後ろからパスが来るか、左から来るか・・・ トップ一人でボールをキープしていたら、動きが止まってしまって、ゲームにならない。 今まであなたは、ずっと英語の勉強をしてきた。 その記憶は、全て脳の中にしまわれている。 バックの2人が持っているの。 人間、一度学んだことというのは、決して忘れない。 でも、点数が取れない? どうしてかっていうと、記憶を、バックを生かしていないから。 バックを無視して、あなた一人で闘おうとしているからよ。 あなたは5人で闘っている。それを忘れないで。 もっとあなたの脳を信じて。 答えは、脳の記憶の中に必ずある。 それを引き出せばいいの。 つまり、後ろにもパスをまわすこと。 そして、後ろからのかけ声やパスをしっかり受けること。 練習問題っていうのはね、パス回しの練習と同じ。 こういう時はこう、こうなったらこう、何度も繰り返す。 だから、練習では間違うほうがいい。 たまたま答えが合っていたっていうのは、たまたま偶然にゴールが決まったようなもので、それで行けるなんて思って練習しなかったら、本番では失敗するよね。 練習問題でどんどん間違う。それを元に練習を積む。 大事なのは、何を考えながら赤ペンを使うかということなのね。 今回は失敗した。次にまた敵がああ来たら、こう守って、こうパスを回そう。そうすれば次はきっとうまく行く。 そういう風に考えるのがトップの仕事でしょ。 そして、『みんな、わかったか?』って、チーム全員に声をかける。 『OK、わかった。次はそうする』と、返事が返ってくる。 『よしっ!』とうなずいて、チーム全員で『成功するイメージ』を確認する。 これを繰り返すことで、本番では落ち着いてプレーできるようになる。 つまり、時間に余裕が出て、ミスも減る。 勉強するとき、練習問題を解くとき、そして赤ペンで直すとき、いつも必ず、左右の後ろ2mぐらいのところにバックが居るって意識してみて。 それだけで変わってくるから。」 わけのわからないことを言う先生だ、そう思われたかもしれません。 でも、実際にT君の斜め後ろに立って、「ほら、この辺から声が聞こえてくる感じ、わかるかな?」と声をかけたとき、背筋がスッと伸びたのです。 きっと、きっと、何かが変わる。 そう信じたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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