屋根からの輻射熱
おはようございます、紙太材木店の田原です。なかなか涼しくならず意識せずともこの夏の猛暑の疲労が溜まっているようで、少し体の重い朝です。さて、写真は前回お伝えした断熱、気密の見学会の家の2階の屋根を見た所です。屋根と言っても外から見るのではなく、部屋の中から見てますからこんな風に見えます。写真で見えている合板の下の面に断熱材が取りつきますが、厚さは30センチほどになります。なので屋根を支えている太い木(登り梁)は断熱材で隠れてしまいます。(屋根断熱と言います)この断熱材で隠れてしまう前の合板の表面温度はどれくらいでしょう?この合板の上にはガルバリウム鋼板の屋根があります。直射日光で熱々になってるガルバリウムの表面温度は70℃以上・・・そのすぐ下に上の写真の合板があったら相当程度熱くなってるはずですが、測ってみると33℃これは合板の上の通気層があるのでこの程度の温度になっています。もし通気層が無ければ、もっと高い温度になります。前回の写真で2階の室温は30.8℃でしたから約2.2℃分、ガルバリウム鋼板の輻射熱の影響を受けていることになります。既に屋根の断熱材が取りつけてある1階の天井は室温と同じ30℃でした。(写真を撮り忘れ・・・)合板からの輻射熱は赤外線ですから冬のストーブと同じ働きをします。いくらエアコンで空気を冷やしても、赤外線の熱が体に届けば暖かくなってしまいます。昭和な住宅の2階が、エアコンをかけていても暑くていられない理由はここにあります。もちろん現在の住宅でも屋根や天井の断熱材が不足してれば同じです。屋根からどれだけの熱を浴びるかと言うと簡単な計算式で分かります。屋根や天井の表面からの熱供給は屋根面積x屋根のU値x温度差通気層がなければex50m2x3w/m2Kx40K=6000w通気層があれば50m2x3w/m2x6K=900w屋根のU値は断熱材の性能や厚さで決まりますし、温度差は通気層のあるなしなど屋根面の構成でも変わります。最近はパネルを屋根面に設置しますからパネルと屋根面の間に空気層があることになります。パネルがある分、天井や屋根からの輻射熱は低減されることになりますが、基本は上記の計算式に基づいた断熱仕様の決定です。屋根や天井の断熱材は皆さんが思っているより厚い方が効果があります。屋根の通気層は自立循環型住宅設計ガイドラインでは3センチですが、水蒸気の排出だけでなく通気層内の温度を下げようとすれば3センチよりもあった方が効果があると考えます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから