長居は無用
おはようございます、紙太材木店の田原です。8月の末でようやく、今年の台風が東海地方に来そうです。しかも今朝の予報では直撃の様子・・・建築中の現場の台風養生しなければなりません。さて、先日行った美濃市の森林文化アカデミー帰りに美濃市内の古い町並みを散策しました。と言っても余りの暑さに、人通りはほとんどありませんでした。古い家を改装した土産物屋さんやカフェなどで涼んでいる方が大半。我々もいろんなお店を廻りましたが、美濃市の古い家を改装したお店には特色があります。他の古い町並みのお店ではあまり目にすることはありませんが、お店に入った時安心します。古い街並みの中で外観を建設された時と同じように手直しし、内部は土産物屋さんやカフェに改装する場合内部は広い空間が必要になります。お客さんの座る席数の確保商品をできるだけ多く陳列するスペース簡単な厨房やレジ経営上どうしても配置しなければならない場所は、限られたスペースの中では無理があります。どうするかと言うと壁を撤去する2階の床を取り外す通りに面した間口を広くする。どういうことが起こるかと言うと建物の外周の壁だけがあって内部には壁がないガランドウの空間耐力壁どこにある?水平構面はどこ?これって地震が来たら一発で倒壊古い町並みの中にはそんなお土産屋さんやカフェが溢れています。理由は簡単でこの手のリノベーションやリフォームには国の規制や基準はありません。構造的に何をしようと咎められることはありません。今の建築基準なら絶対建てられないものでも、出来てしまいます。流石に国もこのままではマズイと2025年4月の法改正で規制することにしましたが、それまでは野放し状態が続きます。じゃあ美濃市のそんなお店はどうかと言うとこれでもかと言うほど金属の筋交いが入っています。床も屋根もすべて構造計算して配置してあり、基準法の1.5倍程度で計算されているとか。実はアカデミーが市内にあり構造の専門の先生や卒業生が多くいるので、いつでも気軽に相談できます。市内でこのような改装プランが出ると、誰が設計するかどんな設計かちゃんとした補強計画かなど意匠的デザイン的なことも含め厳しい目で評価されることになります。地方の小さな町ですが建物の改修や古い町並みの再生など、建物改修の本来あるべき姿の一つが美濃市にあります。古い町並みのお土産屋さんやカフェに入った時内部がガランドウなら長居は無用です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから