カテゴリ:わかりやすい認知行動療法シリーズ
セルフトークとはもともと、自分の心の中で無意識的・意識的につぶやいてしまう言葉のことです。そしてセルフトークはあなたの気持ちや感情にとても大きな影響を与えます。 例えば「どうせ今回も失敗するに違いない」というセルフトークをつぶやくAさんと、「今回も最後は成功するに違いない」というセルフトークをつぶやくBさんでは、感情や結果に大きな差が出てしまいます。 Aさんの感情は恐らく、恐怖、失望、不安などでしょう。行動面も、消極的、行動的になれないなどになります。 一方Bさんの感情は、希望、挑戦心、あきらめない気持ちなどでしょう。行動面も積極的、行動的などになることでしょう。
【第1傾向:完璧主義】 あなたの養育者などは、ありのままのあなたを受け入れませんでした。または愛しませんでした。だからあなたはこう感じます。「完ぺきにすれば怒られないはずだ。受け入れてもらえるはずだ。愛されるはずだ!」と。ですが、それは間違いです。人間はそもそも不完全なのです(そのかわり、一人ひとりに個性がありますよね)。にも関わらず、完ぺきを目指そうとする姿勢はあなたを苦しめます。
【第2傾向:失愛恐怖】 あなたは相手から愛されなければ、自分はおしまいだと思っています。なので相手から愛されるために、全力を尽くしてしまうのです。確かにかつて(乳幼児期等)はあなたの養育者のように、あなたにとって絶大な影響力がある人から愛されることは必要不可欠でした。ですが、あなたが大人になるにつれ、次第に自分自身で生きる力が増えていきます。その事実にあなたは目を向けていません。しかもあなたが愛されようとする相手は、もしかしたら、どうしようもない人間、邪悪な人間かもしれないのです。
【第3傾向:自立恐怖】 あなたは養育者などから、いつまでも子供でいることを強いられた面がありそうです。養育者の思い通りにふるまうことを強制されてきたわけです。しかも幼少期にそうした理不尽な養育者の希望に反抗することは「死」を意味しました。成長するにつれ、あなたには自立して人生を主体的に生きる力が備わっているにもかかわらず、あなたはいつまでも養育者の言いなりに子供であり続けようとしているのです。
【第4傾向:幸福恐怖(罪悪感)】 これは第3傾向と似ています。あなたの養育者などは自分自身のことを不幸だと思っています。自信がなく、他人を愛することができません。だから当然、最も身近な存在であるあなたが、幸福になるなんてことは許すはずがないのです。子供の頃から、あなたはそんな養育者などの気持ちを、あまりにも的確にとらえたことでしょう。幸せになってはいけないし、悪いのは私なんです…といつも思ってきたわけです。養育者から見捨てられたり、攻撃されないように。
【第5傾向:人間不信】 人間が信頼関係を獲得していく上で、最も大切なのは養育者との信頼関係の構築です。とりわけ乳児時代に母親的存在から尊重され愛されることは重要です。また幼児以降も、両親等から愛されつつ健全に教育されることは重要です。そうしてこそ、健全な人間への信頼関係は生まれてくるのです。
【第6傾向:ナルシスズム(自己愛性)からの未脱却】 人間は幼い時ほど、自分が世界の中心であると思い込んでいるものです。そして多くの人と関わり、多くの出来事を経験して
自分のセルフトークに気づいていく際に、役立ちそうな観点(ポイント)があります。以下にそれを列挙したいと思います。 第1に自分を頼りにする姿勢に欠けていないかな?と振り返ってみる点です。 第2に人間はどうしようもなく醜い、生きる価値もないような存在だ!などと「誇張しすぎたレッテル」を貼っていないか?という点です。(誇張しすぎるのはハリウッドザコシショウで十分です 私はザコシさん大好きです) 第3に自分にはとにかく相手(周囲)から、承認されたくて仕方がないという気持ちがないかな?と振り返ってみる点です。 第4に自分には業績(例:勉強・仕事・異性にもてる等)を上げたらはじめて自分には価値があるという考え方があるかな?と振り返ってみる点です。 第5にもしもあなたが認知行動療法をやったことがある場合、結局役に立たないのではないかと疑ってないかな?と振り返ってみる点です。私も含めて殆どの人は、十分に認知行動療法に取り組めていません。やるほどに効果が高まるのが認知行動療法の強みです。
1.全か無か思考 2.一般化のしすぎ 3.心のフィルター 4.選択的に取り出す・注目する 5.マイナス化思考 6・結論の飛躍(心と先読み) <心の読みすぎ>&<先読みの誤り> 7.拡大解釈と過小評価 8.感情的きめつけ 9.すべき思考 10.レッテル貼り 11.個人化 12.自己予言
今までの説明で、あなたは自分のセルフトークに気づき、それがネガティブなのかどうか検討する観点が分かったと思います。今度は、フィクション(一部実例)の具体例を挙げたいと思います。セルフトークの効果の上がり方を確認してみましょう。(NGは悪いセルフトークとなります。良いセルフトークは修正の部分です。)
【傾向1:完ぺき主義のカテゴリー】 NG:私は今度の昇進試験で絶対に合格しなければならない。今までさんざん頑張ってきたのだ。みんなも私のことを優秀な人間だと思っているに違いない。だから私は周囲の期待に応えなければならない!優秀な成果を出すべきなのだ!
【まとめ】 効果的なセルフトークを作成して何度も自分の心の中で唱えるようにすることで、自分が苦しんでいた状況を好転させたり、つらかった気持ちを良い方向へと変えていくこと。そのためには、認知行動療法の実践=考えて行動しなくてはなりません。現実を幸せに生きるためには、「Thinker(考えるだけの人)」ではなく「Doer(行動して変えていく人)」として生きる姿勢が大切です。私が尊敬する國分康孝先生の教えです。 【注意】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.11.08 06:06:41
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