「きっと人は誰でも、思いを伝えたいと思っている。」
ネットで注文していた本が、昨日、届きました。
『僕のうしろに道はできる〜植物状態からの回復方法〜』
山元加津子編著、三五館発行
(表紙より)
意識障害の患者さん、そして家族の皆さんと歩んできた道〜紙屋 克子
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廃用症候群について〜長谷 敏明〜
みんな思いがあるということ〜柴田 保之〜
口のリハビリの勧め〜升田 勝喜〜
力に頼らない全介助技術〜川野 晃〜
用具を使うことで、不可能を可能に〜光野 有次〜
(本の内容の一部です)
白雪姫プロジェクトを知り(あかさたなスキャン〜白雪姫プロジェクトを知って〜)、どうしても読みたくなった本。
たくさん、ご紹介したいことがありますが、まず本の一部を引用させていただきます。
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今、世界中には、たくさんの寝たきりという方がいます。そして、伝えたくても思いを伝えられない人はたくさんいます。意識があっても、意識があると周りに気がついてもらえない人、それからその方法が広まっていないために思いを伝えられない人、回復をあきらめてしまっている人たちがたくさんいます。
(中略)知っている人が伝えなくちゃならない、知っている人には責任がある、伝える責任がある、と思いました。
(中略)もし、みなさんがもし明日倒れるようなことがあったとしたら、寝たきりのままにおかれたり、思いを伝える方法を手にすることができない可能性が大きいのです。だって、それが今の常識だからです。常識の壁は超えていけるのだと思います。
p.32より引用
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言葉や思いがないと思われている方々にも全部それらがあって、方法を探しているんだということを白雪姫プロジェクトは伝えていく。人としての尊厳、これを取り戻すための運動でもあり、ご病気の方でもご高齢の方でもそれはきっと同じことなのだと思います。
(中略)きっと人は誰でも、思いを伝えたいと思っている。大切なのは「私の気持ち、わかろうとしてくれている」「わかってくれている」という信頼関係(後略)
p.79より引用
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きっと人は誰でも、思いを伝えたいと思っている。
先月亡くなった父に付き添う中で、私も強くそう感じました。
父の最初の月命日を控え、まだまだ様々な思いが交錯します。
やれることは精一杯できたと思える時もあれば、あの時気付いてああしていればと悔やみたくなる時もあれば、人を責めたくなる時もあれば、感謝の思いでいっぱいになる時もあります…。
この本を読みながらも、もっと早く知っていればという思いが湧き上がったり。
廃用症候群のことだって、知らなかった
でも、やっぱり、この本に出会えて良かった…。
たくさんの方に、是非読んでいただきたいなぁと思います。
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自分の話としてみなさんが取り組んですすめてくださったら、きっと多くのことが変わっていけると信じています。
p.32より引用
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父が亡くなる前日、驚くほど強く手を握られました。
ほとんど意識がないように見える状態の中、その時だけはしっかり私の目を見て、本当に強くギュッと長い時間…。
酸素マスクもしていて言葉は交わせなかったけれど、父が強い思いで伝えたかったこと…時間が経つとともに、私の中で言葉になってくる気がします。
きっと人は誰でも、思いを伝えたいと思っている。
入院中、一見、意識レベルが低下しているように見えた父も、最期までそうでした。
また以前、このブログで自分のことを「何かを発信したいという思いも薄く」と書いたことがある私ですが💦やっぱり思いを伝えたいという気持ちがある…
そして、きっと人は誰でも、そう。
人の伝えたい思いを感じ取ること。自分の伝えたい思いを感じ取ること。コミュニケーションの基本は、まずはこれなのかもしれないなぁと思いました。
そして一歩一歩進めば、うしろに道ができること。
7月16日。土曜日。新しい一日の始まり