9月に観た映画その1~『顔たち、ところどころ』~
映画『顔たち、ところどころ』を観ました。ワクワクする、とても素敵で美しい映画でした!以下、公式ホームページより。*******【STORY】旅の条件は、『計画しないこと』。映画監督アニエス・ヴァルダ(作中で87歳)と、写真家でアーティストのJR(作中で33歳)は、ある日一緒に映画を作ることにした。JRのスタジオ付きトラックで人々の顔を撮ることにした二人は、さっそくフランスの村々をめぐり始めた。炭鉱労働者の村に一人で住む女性、ヤギの角を切らずに飼育することを信条とする養牧者、港湾労働者の妻たち、廃墟の村でピクニック、アンリ・カルティエ・ブレッソンのお墓、ギイ・ブルタンとの思い出の海岸、JRの100歳の祖母に会いに行き、J.L.ゴダールが映画『はなればなれに』で作ったルーブル美術館の最短見学記録を塗り替える・・・。アニエスのだんだん見えづらくなる目、そしてサングラスを決して取ろうとしないJR、時に歌い、険悪になり、笑いながら、でこぼこな二人旅は続く。「JRは願いを叶えてくれた。人と出会い顔を撮ることだ。これなら皆を忘れない」とアニエスはつぶやく。願いを叶えてくれたお礼にと、彼女はJRにあるプレゼントをしようとするが・・・。*******出だしのクラウドファンディングへのお礼のところから、もう好き!2人の出会いに至る前の描写も、お洒落。アニエス&JRと一緒にフランスの田舎を旅している気持ちになります。出会った人々の顔をカメラで撮り、JRのスタジオ付きトラックで、それがモノクロームの大きな写真に現像される。そして、その場(建物、岩、貨車etc.)に写真を貼ることでアートにする。出来上がりは、どれも素晴らしい。誇らしげで、美しい。溜め息が出る。偶然出会った、ごく普通の人々のようでいて、一人一人が素晴らしい。どの人も、その人の存在自体が素晴らしいんだと、改めて感じます。特に私は、港湾労働者の妻たちを撮った作品に圧倒されました。そして、年齢差54歳のアニエスとJRが、とってもチャーミング!私が観たときは、他に観客が2人だけで、なんてもったいない…と思いました。『顔たち、ところどころ』ってタイトルがいまいちなんじゃないかな?ちょっと意味わからないものね💦原題は『VISAGES,VILLAGES』、英語では『Faces,Places』です。第70回カンヌ国際映画祭にて最優秀ドキュメンタリー賞ルイユ・ドール(金の眼賞)を受賞、同年のトロント国際映画祭では最高賞にあたるピープルズ・チョイス・アワード(観客賞)のドキュメンタリー部門を受賞、また、第90回米国アカデミー賞、 第43回セザール賞にもノミネートされた作品です。とっても、お勧めです!.