第248話 第一の[獣神]-7 (くそ、訳が判らなくなってきやがった)
.ザウバー 「うぉっ!」ゆうすけ 「うっ!」 突然、こういちから強烈な[気]が発せられたっ! 強風を受け、今にも飛ばされそうな木々らが、こういちの[気]の強さに、徐々に逆方向へと 起き上がり始めたっ! もの凄い[気]だ。 その[気]がその様を通じて形として目に見え て感じた。その[力]になんと強風に逆らうようにゆっくりと飛ばされ始めた二人っ! ザウバーが片手で大きな木の枝に掴まり、難を逃れた。 もう一方の手にはゆうすけを。ザウバー 「こ、こいつっ! なんてぇ[気]を出しやがるっ!」 そのオーラは、こういちの内面から放射的に外に放出されていた。 こういちも髪の毛が逆立ち、その[気]の大きさを物語っている。 その近くでは、こういちを中心に木々が風とは逆向きに傾斜し、大粒の強い雨をも寄せ付けず、 全てを飛ばし兼ねない力強さだっ!ゆうすけ 「す・・・すげーーっ! こういちのこんな姿、初めて見たっ!」ザウバー 「ほ、本気か・・・・ これが・・・・これがこういちの本気・・・・ こんな力を隠してやがったのか・・・・」ゆうすけ 「隠してたんじゃねぇよ。 出す必要がなかったんだってーの。」ザウバー 「くっ・・・・」 そのこういち、完全な姿となった竜巻の中心、そう、それはまさに巨大な龍。 そのまだまだ[気]を増大していた をぐっとにらみ、 そして、こういち 「いくぞ青龍、まずは初対決の、ほんの挨拶だっ! 南流 空撃波 !! 」 ズボーーーンっ! >>> こういちの手元から発せられた 空撃波 が、強風と強い雨を突きぬけ、一直線に青龍に向けて 放たれたっ! 過去見たことのない巨波だっ!ゆうすけ 「デ、デケっ!」ザウバー 「ぬわっ!」 ゆうすけですら見たことの無い巨大な 空撃波 、青龍の目がこういちをにらみつけ、その 空撃波に視線を移した。 すると、ザバァーーーン 突然、湖から巨大な水柱が立ち、こういちの放った 空撃波 を飲み込んでしまった。ザウバー 「うおっ!」こういち 「そう来るか。 つまりお前は水を操れるってことかな。」ゆうすけ 「こ、ここに居ては危ない。 ザウバー、もう少し離れた場所に移動しよう。」ザウバー 「そ、そうだな・・・。」 ザウバーは掴んだ木の枝、木の幹を伝いながら地面に着地しゆうすけを掴んだまま移動始めた。 その様子を察知したこういち、こういち 「ならば、次は正攻法でいくぞっ!」 ☆ ズバっ≡≡≡≡≡≡≡≡≡>> 今度は一直線に青龍に向かって突っ込むこういち。ゆうすけ 「ぉ、ぉぃ、やっぱ水面の上を走れるぢゃないか・・・・」 ザウバーに引っ張られ、後ろ向きでこういちのその姿を見ていたゆうすけ。 もの凄い速さで突っ込むこういちっ! あっと言う間に青龍に接近っ! その時っ!≡≡≡≡≡≡≡>> ★ ズコーーーーン 青龍に向かってまっしぐらに進むこういち、今まさに周りを取り巻く竜巻に突入しようとした 瞬間っ! なんと何かが物凄いスピードで横からぶつかってきたっ!こういち 「くっ!」 青龍への攻撃体制に入っていたこういち、とっさに両腕をクロスさせてその横からの一撃を 防御姿勢で直撃を間逃れたっ! その身体は、横に飛ばされ、湖畔の木々を一瞬でなぎ倒し、奥の山に突き刺さった。≡≡≡ズガガガ ≡≡≡ ズボーーン こういちが飛ばされたところは、まるで巨大な玉が踏み潰したような後が残り、突き刺さった 山も、巨大な穴をポッカリと開けていた。ゆうすけ 「なんだっ !? 」ザウバー 「何が起きたんだっ!」 その様子を振り返ってみていたザウバー、突然の出来事に、思わず立ち止まってしまった。 強風に飛ばされそうになるゆうすけ。ゆうすけ 「あわわわわ・・・・・」 目線を変えずにゆうすけを掴むザウバー。ザウバー 「ん、何者だ? あいつ・・・・」ゆうすけ 「お・・・おい、 ありゃ・・・・」 青龍の竜巻間際の湖面からそのままの勢いで湖畔まで移動し立ち止まった 塊(かたまり)。 そこには、左手を目の前で返して横に向け、右手は後方斜め上、そして両足は膝を曲げて がっちりと身体を支える立ち足姿で構えた 殺流拳 Ryuichiの姿がっ!殺流拳 Ryuichi 「 こういち、青龍には手を出させねぇぜっ! 」 ポッカリと口をあけた山、そこからゆっくりとこういちが歩いて出てきた。そして、こういち 「 Ryuichi、どういうことだ・・・・」殺流拳 Ryuichi 「説明してやろう。 おれは南流伝承者が[三獣神]を倒す目的で代々身体を鍛えていることを知っているのさ。 なぜだか分るか? おれはおまえと同じ能力を身につけていることは薄々気が付いているだろう。 不思議だと思わないか?」こういち 「 ・・・・ 」 (ポッカリと口を開けた入り口付近まで出てきて立ち止まる。)殺流拳 Ryuichi 「それは、おれもお前と同じ、陳南家 の伝承者 だからだっ!」 ピカっ ゴロゴロゴロ .ゆうすけ 「 なんだってっ! 」ザウバー 「なんだ? その陳南家伝承者ってのは?」ゆうすけ 「おまえが探して会いたいといっていた 総本山対極試合 、その歴代の勝者のことだ。」ザウバー 「こ、こういちがっ! ・・・・その試合の歴代の勝者 !? 」ゆうすけ 「あぁ、代々のな。 この世代はこういちってことだ。」ザウバー 「くそ、訳が判らなくなってきやがった・・・・」ゆうすけ 「おまえの探していた総本山対極試合の勝者と、こういちは同一人物ってことだ。 あんな化け物が、そうゴロゴロとそこいらに転がっているわけねぇだろに。」ザウバー 「ど、同一人物・・・・!?」ゆうすけ 「目の前の青龍他の[三獣神]は、過去数千年~数万年の周期で現れているという。 10,000年前、恐竜のいた時代の氷河期、伝説となっているノアの箱舟の大洪水・・・・ そして恐らくは 6,500万年前の恐竜絶滅の要因・・・ それらはみな[三獣神]の仕業らしいんだ。」ザウバー 「恐竜の絶滅が・・・・この[三獣神]の仕業・・・・」ゆうすけ 「こういちは、その[三獣神]を倒すために、人類の歴史が始まって間もないころから、 先祖の代から鍛えられてきた一族ってことだ。それが南流・・・なんだろうぜ。 ところがなぜか今、その一人とされる伝承者に、二人目が現れたってことだ。」こういち 「南流の伝承者だと・・・?」殺流拳 Ryuichi 「そうだ。 だからお前の目的も能力も知っているのさ。 先祖には双子だって生まれているんだよ。」こういち 「 ・・・・ 」殺流拳 Ryuichi 「一子相伝に従い、その片割れの処分をすることになった当時の伝承者が、内緒でその 片割れを育てたって訳だ。 南流の技に改良を加え、新たに [殺流拳] として生まれ変わり現在に継承している。 その[殺流拳]伝承者がこのオレ様だっ! 」 ピカっ ゴロゴロゴロ . なんとっ! 殺流拳 Ryuichi も南流の血を引き、その分派の伝承者だったのである。 しかし驚きを見せないこういち。陳南家 殺流伝承者 Ryuichi 「ほぅ、驚かないようだな。 だが、[三獣神]については考え方が異なる。 殺流は[三獣神]を南流の手から 守る教えなんだよっ! 」 ☆ズバっ≡≡≡≡≡≡≡≡≡>> こういちに向かってもの凄い速度で突進する陳南家 殺流伝承者 Ryuichi。陳南家 殺流伝承者 Ryuichi 「 いっくぜーーーーー、こういちっ! 」第249話 第一の[獣神]-8 へ(おい、今度は別のがぶつかったぞ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。