z013話 組織 02 (一戦交えてぇんだが・・・)
~~ 一ヶ月後、ニース博士「・・・とまぁこんなスケジュールで進めたい。」クラウス「施術は一発だけじゃねぇんだ・・・。」ニース博士「身体の組織に耐力が無いと次のステップには進め ない。研究課題が多くまだ完成していないが。 だが予定として3っ目まで狙っているよ。」ザウバー「楽しみじゃねぇか。」ニース博士「リツコ君の配属先の商品取引部はお客と一番接す る所となる。 他の商品よりも先に3っ目のSPEC-3まで仕上げた い。揉めた時には抑え込まなければならないし。」クラウス「おぉ確かに、そこもいいな。」紗奕(さえき)リツコ「揉め事がメインじゃないわよ。商品を理解してよ りプッシュして説得させる説明もしなければなら ないもの。あなたじゃ無理ね。」クラウス「なんだと!」ザウバー「いちいち尖んがるなって。 説明だのはオレらには向かねぇよ・・・。 ちゃんと売ってゼニにしてもらわねぇとよ、タダ 飯が食えなくなる。」ニース博士「既に数人に対して臨床試験も兼ねて施術した。 事前のパッチテストで問題なかった者達は今も副 作用等もなく順調に推移しているよ。 あと一週間経過をみたら次は君たちにだ。」ザウバー「ニース博士、 成功してるそいつらは何か得手は持ってるのか?」紗奕(さえき)リツコ「キックボクシング、空手等の格闘技を身に着けて いたわ。」クラウス「おめーに聞いてねぇ。」紗奕(さえき)リツコ「商品取引部としてリサーチした資料は頭に入って いるわ。まさに私の出番でしょ。」ニース博士「うむ、してザウバー君、 それを聞いてどうするのかね?」ザウバー「あぁ、 強くなったってヤツの力加減を知りてぇ。 それで一戦交えてぇんだが・・・。」クラウス「そいつぁいい、俺もだ。」ニース博士「施術前にきみらが壊れてしまっても・・・」紗奕(さえき)リツコ「博士、我々はそんなヤワじゃありません。 施術後のテストにもなるんじゃないですか?」ニース博士「まぁな・・・。 なるほど・・・、 それじゃぁテスト項目を決めて実力を試してみる とするか。」~~ テストルーム前に集合していた。 その中でも施術を受けSPEC-01となった3人の男 達は自信からか目をギラつかせていた。研究員「ではSPEC-01となった者のテストを始める。 行動速度、攻撃威力、防御力のそれぞれを規定に 沿ってやってもらいたい。 SPEC-01となった諸君には打撃を受けてもらう。 但し顔以外を狙うように。一発だけ。 そして行動速度に関しては受け手は回避行動を取 ってもらう。」ニース博士「SPEC-01諸君は打たせて逃げられてといい所が無 いが、腹を立てずあくまでもテストだ。 そこをよろしく頼むよ。」 うなずく3人。紗奕(さえき)リツコ「では始めます。 開発 No.A-001号 キックボクシングが得手。 対する協力者、クラウス。現役プロレスラー。 では室内にお願いします。」 二人うなづいて入室する。 一辺がガラス張りで隣の部屋からはそれを観察出 来るようだ。 マイクに向かって。紗奕(さえき)リツコ「それではクラウス、No.A-001号に一撃を与えて下 さい。」クラウス「分かった。 いくぜ!」 タッタッタ彡 ドス★ 助走を付けてからの両足ジャンピングキックが 炸裂! もんどり打って倒れるNo.A-001号。ニース博士「凄い!質量の差は致し方ないところ・・・。 痛みや程度はどうかね?」No.A-001号「プロ相手からのこの蹴り技、やっぱ半端ない。 だが無論痛みは少々あるが全く問題ない。」クラウス「全く・・・かよ。」 リツコがニース博士と顔を合わせ博士がうなづい た。紗奕(さえき)リツコ「では次、No.A-001号の攻撃をクラウスは交わして 下さい。打撃は一発でお願いします。」No.A-001号「うむ、いくぞ。」 小走りにステップし構えていたクラウスにミドル キックをブチ込んだ! ズボ★ 『くっ・・・』 クラウスは前かがみになり膝を付いた。ニース博士「どうかね?」クラウス「くっ・・・、全く避けられねぇ・・・速い。 それに今まで食らった事のない衝撃だ・・・。かな り堪えるぜ・・・。」 再びリツコがニース博士と顔を合わせ博士がうな づいた。紗奕(さえき)リツコ「二人それまでです。退室して下さい。」 部屋から出てきたクラウス、クラウス「見た目の体格より数段上のクラスの蹴りになって る。避けられん、堪える、大したものだ。」No.A-001号「すまなかった。」クラウス「なに、お互い様だ。 それにこっちは志願してんだ、気にするな。」紗奕(さえき)リツコ「では次を始めます。 開発 No.B-002号 極新空手が得手。 対する協力者、ザウバー。空手。 室内にお願いします。」ザウバー「おぅ。」 返答と共に部屋に向かうザウバー、そしてもう 一人も。紗奕(さえき)リツコ「それではザウバー、No.B-002号に一撃を与えて下 さい。」ザウバー「わりぃ、先にオレが一撃もらってもいいか?」 リツコと博士は顔を見合わせ、ニース博士「ま、まぁいいだろう。」ザウバー「ありがてぇ。 遠慮なく来いや。」No.B-002号「いくぜ!」 掛け声と共に一歩踏み出して右のミドルキック! ドス★ 全く避ける動作をせず打たせていた。ザウバー「くっ、なるほど確かに効くなぁ・・・。」 表情は厳しいが顔色は変わらない。クラウス「おぃ、大丈夫なのか?」ザウバー「まぁな。 次、もう一度攻撃してくれ。今度は受けるか避け るか対処してみる。」No.B-002号「打たせたのか・・・。」ザウバー「あぁ、 志願の口火がオレでよ、今のがその目的だ。」紗奕(さえき)リツコ「 ・・・・ 」ザウバー「さぁ次だ。」No.B-002号「ちっ、いくぞっ」 構えたザウバーに目を光らせ間合いを詰めてから の右後ろ回し蹴りを見舞った! ズシャ彡 ズン★ 飛んできた蹴りに対し構えていた右腕で横に払う 様に、そして体も受け流すように時計回りに回避 していたが間に合わず払いに行った腕と脇腹を擦 るように蹴り抜かれていた。ザウバー「 ・・・・ 避け切れんのか・・・、速いな・・・。」 すると打撃に行ったNo.B-002号が苦しそうに前か がみに崩れた・・・。クラウス「何だ?」紗奕(さえき)リツコ「左の拳を脇腹に当てていたわ・・・。 蹴らせた後に。」No.B-002号「くっ・・・」 苦しそうだが立ち上がり、No.B-002号「てめぇ・・・」ザウバー「オレも一発撃てるんだよ。 それが今だっただけだ。 お前脇が甘いぜ。」紗奕(さえき)リツコ「二人それまでです。退室して下さい。」 部屋を出るザウバー。歩きながら、ザウバー「やっぱ SPEC-01 ってなぁ中々の速度と破壊力だ。 今までこんなヤツとやった事がねぇや。」 その後ろで悔しそうな No.B-002号 。紗奕(さえき)リツコ「はい、では次を始めます。 開発 No.C-001号 ボクシングが得手。 対する協力者、紗奕(さえき)。拳法。 室内にお願いします。」クラウス「お前じゃねぇか・・・。」研究員「次って、その人は予備で連れてきただけで・・・」紗奕(さえき)リツコ「私もいいでしょ? SPEC-01 の力を私も体感したいですもの。」ニース博士「だ、大丈夫かね・・・。」紗奕(さえき)リツコ「ご心配なく (^_-)♪」 笑顔で部屋に向かうリツコ。ザウバー「あいつも只者じゃなさそうだし、いいんじゃねぇ の? やらせてやってもよ。」クラウス「確かに素早かったが・・・」研究員「分かりました・・・。 では準備が出来たようですので紗奕(さえき)さん 、No.C-001号に一撃を与えて下さい。」紗奕(さえき)リツコ「はい。 あなた、ボクシングよね。蹴りは控えた方がいい かしら?」No.C-001号「別に。 試合でもないし蹴り飛ばしても構わん。」紗奕(さえき)リツコ「あらそう? じゃ!」 パシ★ 言い終わる前に右足の蹴る動作から・・・ そのまま回転しなんと左の裏拳を飛ばしていた! それを構えていた右腕に当てていたNo.C-001号。クラウス「は、速ぇぇ・・・」No.C-001号 (なんだこいつ・・・、 ガードの上から打ち込んできた・・・。)ニース博士「リツコ君のあの速さに SPEC が受けれていた。 素晴らしい。」研究員「では次、No.C-001号の攻撃を紗奕(さえき)さんは 交わして下さい。」No.C-001号「いいか。」紗奕(さえき)リツコ「いつでもどうぞ。」 No.C-001号は構えて足をその場でトントントンと 小刻みにステップを踏み出した。 そして、 シュっ サっ☆トン 突如の左ストレート! だが、素早く後退したリツコのおでこを少し押し た形で止まった。クラウス「こいつ避けやがったっ!」ザウバー「 ・・・・ 」紗奕(さえき)リツコ「顔はダメですよ。」No.C-001号「あっすいません、つい・・・」ニース博士「リツコ君大丈夫かね。」紗奕(さえき)リツコ「こちらこそすいません。 この方はボクサー、 攻撃は手だけに限定されストレートを予測してい ました。足の立ち位置で左利き。ですから左スト レートが繰り出されると。 ですのでその前に回避行動を始めてしまいました。 反応時間・・・、参考にならなかったですね・・・。」ニース博士「いや、 君たちがそれぞれ素における能力が高いのだ。 このテストを行うのであれば SPEC化 させる施術 前と施術後のデータを取るべきであった。」研究員「それではお二人、退室して下さい。 テストは以上になります。」ザウバー「だがよ、SPEC は凄いぜ。」クラウス「あぁ、大したものだ。」紗奕(さえき)リツコ「そうね、思っていたより速いわ。」クラウス「よし、次は俺たちだな。」ザウバー「だな、楽しみだ。」 それから一年の後、 -つづく--本文 第七十五話 雑誌掲載後の波紋(入梅したらしいわ)- ザウバーへ-本文 第125話 暗黒の組織、動く 3(まぁ、元は取れましたんで)- リツコへ ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 ● 第一章 1 話 へ ● 第二章 TOP へ ● 第三章 TOP へ ● 第四章 TOP へ.