第4-472話 全拳武道団 進攻 (だから、あっちだ!)
.~ ~ ~ 森の中、先頭を歩くキジュロ。 その後ろに赤マント男がおり、地図と方位磁石を片手にキジ ュロに対し、進路指示を出していた。[赤マント男] 「この森を突っ切れば白氷山の鍾乳洞入り口へは近道だ。」スペック-3戦闘員 キジュロ 「ジュリジュル、んじゃこのまま真っ直ぐに進むぜ。」[赤マント男] 「あのこぶに見える2っある山の右のすそ野方面に真っ直ぐだ。」スペック-3戦闘員 キジュロ 「どれだ?」[赤マント男] 「だから、あっちだ!」 手を伸ばし指で指し示す赤マント男。 キジュロは赤マント男の後ろに回り、肩口からその指し示した方向を見つめてみる。スペック-3戦闘員 キジュロ 「木しかみえねぇぜ。」[赤マント男] 「バカ、その奥にそびえる山を見ろってんだ!」スペック-3戦闘員 キジュロ 「山ねぇ・・・ ようはあっちに向かえばいいんだろ?」[赤マント男] 「そっちじゃねー! 向かう角度が僅かに反れるだけで、進めば進むほど大きな距離でズレるんだよ! 進む先は・・・、 こっちだっ! 」 伸ばしていた右手を一端縮め、続けて大きく斜め上方に一振りしたっ! スパっ スパっ スパっ スパっ スパっ スパっ スパっ スパっ スパっ スパっ スパっ スパっ すると、 ギギギ・・・ メリメリ ドスンっ! ギギ・・・ メリメリ ドスンっ! ギギギ・・・ メリメリ ドスンっ! ギギギ・・・ メリメリ ドスンっ! ギギギ・・・ メリメリ ドスンっ! ギギギ・・・ メリメリ ドスンっ! 目の前の森から一斉に鳥が飛び立ち、森の木々が太い樹の部分に斜めの線が入りその延長線上 の細い枝も切り離れ、樹はややスライドしてからゆっくりと倒れ始め、枝葉が辺りの木々を押 しのけながら地面に倒れていったっ! 赤マント男、それを見ていたキジュロ達の目線の先には、鋭く尖った樹木の切り株と、倒壊し た木々。 その両脇にはスパっと枝が切り落ちた以外は以前と変わらぬ姿の木々とで、一本の 道が真っ直ぐに伸びた姿があった。[赤マント男] 「この方向だ。」 後方で木に寄りかかり、腕組みをしてそれを見ていた黒マント男、[黒マント男] ( フッ、やつの [ 気刀 ] はせいぜい 100m 程度か。 )[青マント男] 「私が歩き易くしよう。」 そうつぶやいた青マント男、胸に握りこぶしの片腕を当て、倒壊した樹木を一端上空に持ち上 げ、出来た道の両側へと排除していったのだった。 ガサガサガサ・・・・ ドスン、ドスン、ドスンスペック-3戦闘員 キジュロ 「こりゃ 判り易いぜ。」 舞い落ちる木の葉の中を進みだすキジュロ。[黒マント男] ( ほぅ、やつは [ 物体移動 ]の能力も持っているのか。 ) 出来た一本道を進み出す全拳武道団団長スナーグを始めとするスペック他の軍団。 すると、[緑マント男] 「ふっ なるほど、こいつが監視員かい。」 その声に、周りに居た数十人が緑マントの見つめる先に目線を向ける。 そこには、枝や葉っぱを迷彩に見立てた服を着た一人の男が、胴体を真っ二つにされ上半身と 下半身が別々のところで横たわる姿があった。全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ 「既にやつらの監視下の中。居てもおかしくは無い。 先に進むぞ。」~ ~ ~和恵姉さん 「へぇ~、ここに居たわ。」 髪をなびかせながら空軍兵の背中に跨り、手をオデコに当てて上空より笑顔で口にした和恵。和恵姉さん 「10、20、30、40、50・・・100。200、300、400・・・1000。この固まりで約1,000。 1,000、2,000、3,000、4,000・・・10,000。あんな後ろまで・・・。 10,000、20,000、30,000、40,000・・・。 確かに、50,000体を軽く超えている数ね。 55,000位か・・・。」空軍兵 「眼下にそんな部隊が・・・。 私には全く見えません。」和恵姉さん 「ね、目では全く見えないわ。 これではあなた方 大竹林寺の軍 ではちときついだろう なぁ・・・ 私はここで降りるわ。 あなたはここまでの事をチュウラン達に報告してらっしゃい。 それと、戦うならやつらがあなた方の敷地に入り込む前に叩いた方がいいわよ。 あとね、見えない相手でも・・・・ (ヒソヒソヒソ。)」空軍兵 「はっ、お伝えします。」和恵姉さん 「助かったわ、ありがとね (^_-)v 」 そう言い残すと和恵はそのまま上空から飛び降り、 眼下の森の中へと吸い込まれていったのだった。~ ~ ~[水軍長](とう すいじゅ) 「分った。総元帥様の耳にもお届けしておく。 ごくろうであった。」空軍兵 「はっ。」[水軍長](とう すいじゅ) (陳南家の、、、、和恵殿、助かります。) 「近衛兵! 至急軍長達を集めよ! 軍長不在の軍は代理の者を立てさせよ。」近衛兵 「かしこまりました。」 そこへ[近衛軍長]チーラン 「どうしたのだ。」 いち早く到着したチーランが声をかけた。[水軍長](とう すいじゅ) 「近衛軍長殿!」 (突如、片ひざ姿勢で頭を下げる。) 入り口より歩を進めながら、[近衛軍長]チーラン 「シャーク、先の湖畔以来だな。」[水軍長](とう すいじゅ) 「は。」[近衛軍長]チーラン 「今ではおぬしが各軍長を束ねて指揮する立場にもなっておる。 しっかりと頼むぞ。」[水軍長](とう すいじゅ) 「ははっ。」[近衛軍長]チーラン 「それより何事か? 各軍長を集める指示を出しておったようだが・・・」~ ~ ~ そしてしばらくの後、ここ元帥の間には、各軍長、または代理の者がすぐさま集合し、一堂に 会していた。[竹林総元帥]チュウラン 「チーラン、久しい。 よくぞ戻って参った。 してシャーク、軍長を集めたようだが話を聞こう。」[水軍長](とう すいじゅ) 「はっ。 先程、陳南家 南流 和恵殿 に付いておりました空軍兵より、和恵殿からの伝言を拝受しま した。 その内容がとても重要と判断し、全軍に聞き届けさせたく呼集した次第でありま す。」[竹林総元帥]チュウラン 「うむ、素早い対応よの。 よし、ではその伝言とやらを聞こうではないか。」[水軍長](とう すいじゅ) 「は、かしこまりました。 まず・・・・~ ~ ~ -つづく-第4-473話 全拳武道団 進攻 -02 へ (あー、また怒られちまったぜ・・・) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。