離婚後300日問題が
ようやく、端緒についたというところでしょうか。それとも3歩前進、2歩後退でスタートというべきか。議論になっていた、離婚後300日以内に生まれた子の規定について、5月21日以降に提出される出生届より、妊娠したのが離婚後であることを医師が証明すれば、「再婚後の夫の子」又は「(父親欄空白の)非嫡出子」として受理されるようになります。しかし法務省によると、離婚後300日以内の出産年間約3000例のうち、離婚後の妊娠はその1割程度・・・約300例にとどまる。不安定かつ不条理な身分に置かれる可能性の大きい、子どもたちの救済はやっと始まったばかり、というのが実情だと思えます。「貞操義務なり、性道徳なりという問題はみんな考えなければならない問題だ」(長勢法相)として、「不貞行為」を前面に押し出し「離婚前妊娠の救済」は先送りになりましたが、「家」を守るために、その支えであり、元である「人」が泣くことのないよう、改革が進むことを願いつつ、離婚関連業務に臨んで行きたいと思います。離婚後300日問題について、「AERA」4月23日記事の一文で締めたいと思います。「これは家族観の問題ではなく、子どもの法的身分を安定させるためのこと。その人の道徳観念だけで切り捨てるのではなく、法律論で議論してほしい。切実な当事者のことも考えて」(公明党プロジェクトチームの丸谷佳織座長)