[百人一首・他の和歌]の記事一覧 | 刺繍大好き♪のぞみのステッチダイアリー

39.8℃ 京の油照り

炎天に足元から乾いた塵ぼこりが舞い上がり、遠くはゆらゆらと揺らめいて見える。時折吹く風は熱風で、人はもちろん、牛までがあえぎつつのろのろと歩む… 行きなやむ牛の歩みにたつ塵の風さへ暑き夏の小車（てゐか）連日の猛暑で京都市は昨日とうとう39.8℃になりました。一週間以上38℃を超える日が続いていて、もうしんどくてたまらない… 京の油照りとはよく言ったものです。普通に生活するのが困難な気温です。今までの夏は午前中は外を歩けたものの、今年は朝早くから猛烈な暑さです。夜になってもアスファルトが熱いので、犬の散歩は夜明け前の1回だけになりました。

2018.07.20

藻塩焼く

来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに焼くや藻塩（もしほ）の身もこがれつつ（てゐか）松帆の浦は兵庫県淡路島の北端に広がる海岸で、古来から和歌に詠まれる景勝地です。松帆の浦の「松」と「待つ」が掛け言葉になり、「焼く」と「藻塩」は縁語、松帆の浦から藻塩は「こがれ」を導きだす序詞となっていて、とても技巧を凝らした定家ならではの歌です。

2018.07.14

涙の袖

約束したよね僕たちは。それなのに、あぁ、それなのに… 契りきなかたみに袖を絞りつつすゑの松山浪超さじとは（百人一首）写真は淡路島の海です。少しでも涼しげな写真を。

2018.07.13

朝焼け

東の野を見れば空に曙の光がさして、炎のように染まっている。ふと振り返ると西の空には月が沈まずに有明の月として残っている。東（ひむがし）の野に炎（かぎろひ）の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ（人麻呂）かぎろひとは輝く光のことで、朝陽によって真っ赤に染まった空のことです。午前4時30分でした。 5時45分。山から朝日が昇ってきました。今日も35℃になる予報。

2018.07.03

雷雨

霰降り鹿島の崎を浪高み過ぎてや行かむ恋ひしきものを（万葉集）（霰が降る音がかしましいことから、鹿島の地を掛ける。）霰が降って雷雨になりました。

2018.06.30

しばしの憩い

大きな地震で不安な日が続いているところに奈良に勤める兄から送られてきた写真にほっこりしました。バンビいるかな〜。京都は震度5強でしたが、奈良も揺れたでしょうね… 震度5強は初めて体験する揺れで、ほんとに怖かった… これが地鳴りというのかというようなゴーッという轟音とともに揺れがきて、それからスマホのアラームが鳴りました。震源に近いため、地震の最中に鳴ったのでしょう、何もできませんでした。東北の人たちはもっと大きな揺れに見舞われて、余震としてもこれぐらいの震度に何度も遭われたのだなぁと…どんなに辛かっただろうと、我が身が体験して初めてその気持ちがわかりました… さて、せっかくの珍しい奈良の写真ですので、なにか和歌をアップしたくなりました。大和は国のまほろばたたなづく青垣山ごもれる大和しうるはし（古事記）美しい歌です。こんな歌が詠まれる国の大地が轟くのですものね… 揺れを思い出してしまい、京都の写真を撮るのが嫌になりました。もうすぐ祇園祭なのになぁ… 夜中に余震があったときに犬が怯えたので、大丈夫だよとギュッと抱きしめると、安心したのかそのまま腕の中で眠っていました。昼間に家にいないときに揺れたら、どんなに怖がるだろうと思うと涙がでます。幸いそれから大きな余震はありませんが… 今朝は大雨になりました。どうか何事も起こりませんように…

2018.06.20

須磨の関守

淡路島通ふ千鳥のなくこゑに幾夜寝ざめぬ須磨の関守写真は淡路島の海岸です。

2018.06.01

竹が泣いている

有馬山猪名の笹原風ふけばいでそよ人を忘れやはする（百人一首）写真は実家の竹林です。嵯峨野の竹林の落書きがひどいそうです。約100本の竹に引っ掻いて書かれているそうです。建物の落書きなら消すことができますけど、竹はできません。

2018.05.18

大寒

峰の雪　みぎはの氷踏みわけて　　　　　君にぞまどふ　道は惑はず　（源氏物語・浮舟）　　　　　寒い日が続きますね・・

2018.01.14

京都市遠景

　見てもまた　逢ふ夜まれなる夢のうちに　　　　　　　　　　やがてまぎるる　わが身ともがな　（源氏物語）　　　　

2017.10.28

一睡もできなかった～

昨夜は２１時頃から風が急に強くなり、雨は横殴りの激しい雨となって一晩中吹き荒れる風に全く眠れませんでした。スマホに緊急避難のメールが何度も鳴ったのは初めてでした。月曜日から眠たい・・・そろそろ出なければなりません。京都市の鉄道は平常どおり動いているようです。こんなときに不謹慎かもしれないけど、もし歌を選ぶとしたらこれかな？　　　　　　吹くからに　秋の草木のしをるれば　　　　　　　　　　　　　　　　むべ山風を　嵐といふらん　　　　午前６時すぎの空　　　　　　

2017.10.23

雨の相聞歌

あなたを待って山の中で立ち尽くしているうちに、木々の雫にこんなにも濡れてしまったよ・・　　あしひきの　山のしずくに妹待つと　　　　　　　　　　　われ立ち濡れし　山のしずくに　（大津皇子）　　　　　＊あしひきの・・山にかかる枕詞　　　　　＊妹（いも）・・愛しい女性に対する呼びかけ　　　かへし（返歌）　　吾を待つと　君が濡れけむあしひきの　　　　　　　　　　　　山のしずくにならましものを　（石川郎女（いしかわのいらつめ））　　　　　　（あなたが濡れたという山の雫になりたかったわ・・）　美しい相聞歌です。　　　　　　　　空は鈍色ですが、植物は雨に濡れて生き生きとしていますね～。　　　　　　秋色も鮮やか～　　　　　　　　　台風が近づいて、風も出てきました。　　　雨はこれから更に激しくなりそうですね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

2017.10.22

夜に咲く

あれは誰かと私のことを問わないでください。長月の夜の露に濡れながら愛しい人を待っている私のことを・・　　　　誰（た）そ彼と　我をな問ひそ　　　　　　　　　　　　　　長月の　露に濡れつつ君待つ我そ　（万葉集）　　　　　＊誰そ彼と・・黄昏　　　　夕顔、たくさん咲いた～♪♪

2017.10.01

夕顔

夕露に　紐とく花は玉ぼこの　　　　　　　たよりに見えし　えにこそありけれ　（源氏物語）　　　　　　　そろそろ片付けようとしていた夕顔に新しい葉っぱがたくさん出てきて、花も毎晩１０輪以上咲くようになりました。　７月と８月が最盛期でしたが、第二期を迎えようとしているようです。　８月に種まきした夕顔の苗はひょろひょろしていて、花を咲かせるまではいかないかもしれません。　

2017.09.25

夕顔早く大きくなって・・

　楽しみは　庭に植へたる春秋の　　　　　　　　　花の盛りに　逢へるときどき　（橘曙覧）　　今朝の朝顔　　　　　　　　　　　白　　　　　　　ゴーヤのゴンドラ　　　　　　夕顔の蔓が伸びてきました。　早く大きくならないと、１０月になってしまうよ～。　　　　　　種がこぼれたのか、植え替えた苗のそばから双葉が出てきました。　　　　　　朝顔の全景をスマホで撮って母に見せたら、“プロのような育て方をしているね”と言われ、嬉しかった・・　風邪がひどくなってしまい、朝顔をたくさん写せません～・・・　夏風邪はしんどいなぁぁ・・　

2017.09.11

朝顔

　我ならで下紐解くな　あさがほの　　　　　　夕かげ待たぬ　花にはありとも　（伊勢物語）　　　　　　

2017.09.07

かげろうが揺らめく街

四条通りを行き交う車の上に陽炎がたち、ゆらゆらと揺らめいて見えました。ビルの谷間から空を見あげると、陽に照らされたビルまでも揺らいでいるような・・お盆を過ぎてから更に猛烈な暑さに見舞われ、すり鉢状の底にたまった盆地の空気に湿度が加わって逃れる術もないまとわりつくような暑さが続きます。　　　　　　　　　陽炎を詠んだ歌を調べてみました。　　　　　ひむがしの　野にかぎろひの立つ見えて　　　　　　　　　　　かへり見すれば　月かたぶきぬ　（ひとまろ）　　同じ読みでも“蜻蛉”になると　　　ありと見て　手にはとられず見ればまた　　　　　　　　　　　ゆくへも知らず　消へしかげろふ　（源氏物語・薫）　源氏物語になると一気にロマンチックになりますね～～。　　　　　　　　　　　　　　　　　　はぁ～・・・　竹林がなんだか熱帯雨林に見えてきました。　今日は曇りがちな空で３４℃と、やや過ごしやすかったです。　もうちょっとカラリとした暑さになってほしいものですけど、盆地ではそれを望めませんね～。　日曜日はまた３７℃近くになるみたいです。　夜だけでも涼しくならないかな～・・

2017.08.25

七夕

一年に一度という約束は、なんて無常なんだ。この儚い逢瀬は逢瀬のうちに入るのだろうか・・　契りけむ　こころぞつらき七夕の　　　　　　　　　年にひとたび　逢ふは逢ふかは　（古今集）　　　一年に一度しか逢えないなんて、寂しくないのかなぁ？　そういう話をしたとき、“一日は地球の一年分の長さなんじゃないかなぁ。”と、人が言ったので　きっとそういうふうに感じながら七夕の日を過ごしているんだろうなと思っていると　“時間の流れ方が違うんだよ。一日が一年なんだ。だから実際、二人は毎日逢ってる。”と言ったので　“なぁんだ、そうなんだ、よかった～・・”と・・・　　　　　　　　雷雨の七夕になりました。

2017.07.07

雨

おほかたに　さみだるるとや思ふらむ　君恋ひわたる　今日のながめを　（和泉式部）　　　　　雨というと、にび色のどんよりとした空ばかりじゃないですね。

2017.06.07

都忘れ

坪庭などのあまり陽が当たらない場所でよく育つ花です。実家の中庭のあちこちに大きな株に育っていました。まだ咲いていませんでしたが、庭の方にも数輪ありましたのでそちらを写しました。紫陽花と都忘れの青や紫が咲きそろったらとてもきれいでしょうけど、日当たりのいい場所に群生するでしょうか。　　　　　　　　　　花の名前の由来は鎌倉時代、政争に敗れて佐渡へ流された順徳帝がこの花を見て慰められ、恋しい都への思いを忘れることができると話されたということから名付けられたそうです。　花言葉は“しばしの憩い”　　　いかにして契りおきけむ白きくを　　　　　　　　　　　みやこわすれと名つくるも憂し（順徳帝）　　　　　可憐な花です。　この花もデッサンして刺繍しよう。

2017.05.13

実る

妹（いも）が家に　咲きたる梅のいつもいつも　　　　　　　　　　　　　成りなむ時に　事は定めむ　（万葉集）（女性が求婚に対し）（家に咲いている梅の花が実に成るまで待って。その時に決めましょう。）かへし（返歌）　　妹が家に　咲きたる花の梅の花　　　　　　　　　　　　　実にし成りなば　かもかくもせむ　　　　　　　　（わかりました。それでは待ちましょう。　　　　　　　　　実ったときは思うようにさせてもらうから、そのつもりで。）　実が成るのは、恋が実るということだったのですね～。　　　　　　　　　　

2017.05.07

藤色の情話

　春日さす　藤の裏葉のうらとけて　　　　　　　　君し思はば　われも頼まん（後撰集）　　　　　　　　　　　たをやめの　袖にまがへる藤の花　　　　　　　　　　見る人からや　色もまさらむ　（源氏物語）　　　　　　　　藤波の咲く春の野に延ふ葛の　　　　　　　下よし恋ひば久しくもあらむ（万葉集）　　　　　

2017.04.30

風光る

近くの山の頂上の木がくっきり見えるほど、今日は快晴になりました。河川敷に咲く花を写しに行きました。いにしへの　奈良の都の八重桜　　　　　　　　　　けふ九重に　にほひぬるかな　（百人一首）　　　　　　＊九重・・宮中　　　　　写真を撮ろうとしたら風が～・・　　　　　　　　　　白い八重桜ってきれいだなぁ・・　　　　　　ハナミズキ　　　　　　　　　菜の花は花期が長いですね～。　　　　　　　　　　もう一度、八重桜。　　色の三原色って何色だったかな・・　　三色だけでいろんな色を作ることができるのですよね。　　　もしかすると自然も、元は単純な色でできているのかもしれない・・　　　　　　　　刺繍したい花を見つけました。　　河川敷にカモミールが咲いているなんて～♪　　　　　　　　　　　風光る　　　　

2017.04.23

今は小石であるものが・・

昭和に生まれ、平成の時代で学び、働き、恋をした。あと一年で元号が変わりますね。今日はこんな歌を・・　　　我が君は　千代に八千代にさざれ石の　　　　　　　　　　　　巌となりて　苔のむすまで　　（古今和歌集・雅歌）　　（あなた様のお命は、千年もそれ以上の八千年もお健やかでありますように。　　　長い年月がたって小さな岩が大きな巌となり、そこに苔が生えるくらいにまで・・）　　　訳すまでもありませんでしたが、国歌の元となった和歌です。　作者は不詳で、詠み人知らずになっています。　名もなき人が呼びかけた“我が君”とは、一体どんな人だったのでしょう。　愛する人、お仕えする主君、もしかしたら子の親に対する気持ちだったのかもしれません。　写真は、さざれ石です。　　　　　ところで、君が代には４番まであったそうです。　作者を調べてみると、俊成や頼政など名だたる歌人たちでびっくりしました。２　君が代は　千尋の底のさざれ石の　　　　　　　　　　鵜のゐる磯と　あらはるるまで　（源頼政・出典は不詳）　　　（深い深い海の底に長い年月をかけて溜まるさざれ石が、積り積もって大きな巌となって　　　　やがて海面から現れて、水辺の鵜の鳥が住むところとなるように）３　君が代は　千代ともささじ天の戸や　　　　　　　　出づる月日の　限りなければ　（新古今和歌集・しゅんぜゐ）４　君が代は　久しかるべし　　　　　　　　わたらひや　五十鈴の川の流れ絶えせで　（新古今和歌集・大江匡房）　大切な人を想い、その人が末永く健やかでありますようにと詠われた歌が元となって国歌になったなんて、なんて優しい想いだろうと、この国に生まれてよかったと感じました。

2017.04.13

花に嵐　しづ心ってどんな心？

こんなに儚く散ってしまうのなら、いっそのこと咲かないではいられなかったのか・・見ている私の心まで落ち着かないではないか・・　　ことならば　咲かずやはあらぬ桜花　　　　　　　　　見る我さへにしづ心なし（古今集・つらゆき）　　　　　夕べは一晩中台風のような風が吹き荒れて、今朝からは一日中雨が降り続きました。　満開になった桜は、早くも散り始めていました。　　　　　　午後６時ごろに写しました。　桜色に染まる雫。　　　　　　　　　　久方の　光のどけき春の日に　　　　　　　　しづ心なく　花の散るらむ　（古今集）　　　　　　（うららかな陽射しが降り注ぐ春の日に、どうして桜だけがこんなにも慌しく散っていくのだろう・・）　　　　　業平も貫之も、桜なんていっそのことなかったらよかったのにと歌に詠みましたけど、ほんとはそんなふうにはちっとも思っていないのですよね。。　でも、そう詠わずにはいられなかった・・　なんだかまた喉がいたくてたまりません・・　もう少し桜を撮りに行きたいのですけど、これで見納めにしようと思いました。

2017.04.11

織りと染め

春が着る霞の衣は緯糸(ぬきいと)が薄いので、風が吹くとすぐに乱れてしまうらしい。　　春の着る霞の衣　ぬきを薄み　　　　　　　　　　　山風にこそ　乱るべらなれ　（古今集）　　　　＊ぬき・・・織物の横糸　　　　　　　　菜の花の、ぬき糸はどうかな？　　　　　　桜色に衣はふかく染めて着む　　　　　　　　花の散りなむのちのかたみに（古今集）　　　　　　見上げてみる。　枝垂れ桜、いつまでも見ていたい。　　　　　　　　

2017.04.10

君がため　惜しかりざりし命さへ

この命、いつ尽き果てても悔いはないと思っていた。でも貴方と出逢ってからは、できるだけ長くありたいと思うようになったんだ・・　　君がため　惜しかりざりし命さへ　　　　　　　　　永くもがなと　想ひつるかな　（百人一首・後拾遺集）　　　　　　　　　　　　　　　

2017.04.08

花よりほかに

桜に饒舌はいらない。　もろともに　あはれと想へ山桜　　　　　　　　　　花よりほかに　知る人もなし（百人一首・金葉集）　　　　

2017.04.08

花もまた君のためにと

花もまた　君のためにと咲き出でて　　　　　　　　世に並びなき　春に逢ふらし　（淀殿）　　　　　　　　洛南の醍醐寺は満開になったそうです。　京都市中心部もそろそろ見ごろになりそうです。

2017.04.06

梅の涙

雨が降ったので、梅の花の雫を写しに行きました。　しのぶれど　色に出にけり　わが恋（こひ）は　　　　　　　　　　ものや想ふと　人の問ふまで　（拾遺集）　　　　　　恋すてふ　わが名はまだき立ちにけり　　　　　　　　　人知れずこそ　想ひそめしか　（拾遺集）　　　　　桜が咲き始めると人は梅を見なくなる。　けれど梅よ、泣いてはいけない。　うぐいすは桜ではなく貴方の枝に止まり、道真公もその社殿を梅で飾られた。　絶世の美女、小野小町は梅の花色にその身を重ねて歌を詠んだ。　貴方には芳しい香りと純白の雪も与えられた。　桜にはない特権をたくさん与えられたのだ。　だから泣いてはいけない。　今年は桜の開花と梅が重なりそうで、ひとしお梅が泣いているように見える。

2017.04.01

椿と竹林

あらざらむ　この世のほかの思ひ出に　　　　　　　いまひとたびの　逢ふこともがな（後拾遺集）　　　　　　　　椿の赤は命の色。

2017.04.01

七草粥でお祝い。人日の節句

着物の袖に雪がふりかかる。あなたのために摘んだ若菜とは、いったいどんな草だったのでしょう。　君がため　春の野に出でて若菜摘む　　　　　　　　　　　わが衣手に　雪はふりつつ　（光孝天皇御歌）　　　　　　　春の七草にはそれぞれおめでたい意味があるそうですね。　お正月の三が日だけでなく、こうして小正月までお祝いごとが続いていくのは楽しいものです。

2017.01.07

海

　　住の江の　岸による波よるさへや　　　　　　　　　　夢の通ひ路　ひとめよくらむ　（百人一首・古今集）　　　　　私も、海を見てみたい・・

2016.11.20

輝き色

金色（こんじき）の　ちひさき鳥のかたちして　　　　　　　　　　　銀杏ちるなり　夕陽の丘に　（与謝野晶子）　　　　　　　　

2016.11.06

山の日

夜明けの時刻が少しずつ遅くなってきましたね～。秋の虫の声がかすかに聞こえ、厳しい暑さの中にも季節の移り変わりを感じました。夜明け前に聞こえるヒグラシの声は、どこか物悲しく風情のあるものですね。　　　　　あふげなほ　岩戸を開けてその日より　　　　　　　　　　　　　今に絶へせず　照らす恵みは　　　　　

2016.08.11

総角結び

　　総角（あげまき）に長き契りを結びこめ　　　　　　　　　　　　　おなじところによりもあはなむ（源氏物語）　　　　　　　　　　　総角結び posted by (C)のぞみ☆*⌒　総角結びかな？　前祭の山鉾巡行は、曇りになりました。　　　　　　　　　　　　今朝のゴーヤの花　　　　　　ゴーヤの花 posted by (C)のぞみ☆*⌒　　朝顔　後祭の巡行は、こんな空色になりますように・・　　　　　　　　　　　　　朝顔と夕顔のツルで、宙に葉っぱの形を描きました（笑）　ツルどうしが絡まるので、毎朝外すのに大変です。　柔らかなツルを折らないようにそおっと、そおっと。刺繍糸を扱うように・・　そんなにくっつかなくてもいいのにねぇ・・　　　　　　みをつくし　恋ふるしるしにここまでも　　　　　　　　　　　めぐり逢ひける　えには深しな（源氏物語）　　　　　　　　　　　朝顔と夕顔 posted by (C)のぞみ☆*⌒　　このツルたちは折れそうになり、外せませんでした。　このまま大きくおなりね。。　　　　　　　　

2016.07.17

幸せの雫は家の朝顔にあった

朝、スカイブルーに咲く家の朝顔は、夕方に薄い紫色に変ります。　　　限りあらん　今ひとときの命をば　　　　　　　　　　　君にとどむる　この世ともがな　（風葉和歌集）　　　　　　朝顔 posted by (C)のぞみ☆*⌒　葉っぱのしずくに夕顔の葉が映りました。　　　　　　朝顔の葉 posted by (C)のぞみ☆*⌒　今までたくさんの雫を撮りに行きましたけど、家の朝顔の雫が一番美しく感じました。

2016.07.14

七夕

　竹林は地上の天の川　　　　かささぎの　渡せる橋におく霜の　　　　　　　　　　　白きを見れば　夜ぞ更けにける　（新古今集・百人一首）　　　　　　七夕 posted by (C)のぞみ☆*⌒

2016.07.06

身を知る雨

あなたはこの雨をいつもの梅雨だと思っていらっしゃるのでしょうが、ほんとうは私があなたをお慕いし続け、物想いにふけって流す涙の長雨ですのに、それだのにあなたといったらまぁ、全くお気づきになってくださらないことですね・・　　　おほかたに　さみだるるとや想ふらん　　　　　　　　　　　君恋ひわたる　今日（けふ）の眺めを　（敦道親王）　　　　　身を知る雨 posted by (C)のぞみ☆*⌒かへし（返歌）　　　しのぶらん　ものとも知らでおのがただ　　　　　　　　　　　身を知る雨と　思ひけるかな　（和泉式部）　　　　　（涙の雨とも知らないで、　　　　　　私はただ“身を知る雨”（自分が愛されているかどうかを知る雨）だと思っていましたわ・・）　　　　　身を知る雨 posted by (C)のぞみ☆*⌒　五月雨は今でいえば梅雨です。　長雨が続き、気持ちがふさぎがちな時に恋人から　“今日の雨はあなたを想う私の涙雨だよ！”な～んて歌が送られてきたのです。　それに対する女性の歌はそっけなく見えますけど、これは返歌の常套手段で、わざと冷たく跳ね除けています。　でもほんとうに反発しているかというとそうではなく、実際は男性の訪れを待っていたのですね。　この返歌には元となる歌がありますので、ちょっとご紹介しておきますね。　在原業平が、ある女のために代作した歌です。　　　　かずかずに　想い想はず問ひがたみ　　　　　　　　　　　　身を知る雨は　降りぞまされる　（古今集）　男が女に“雨が降ってきたので、あなたのもとへ行こうかどうしようか迷っている”という手紙を送ったのに対する返歌です。　今でさえ雨が降ると足元が悪くなり、タオルや靴下の代えなどを持って出かけたりと大変ですのに、ゆったりとした着物を羽織っていた当時の雨の日の外出は今以上に大変だったのでは？と思います。　男はごく軽い気持ちで“雨降ってきたし、今日は行くのやめようかな～”と送ったのでしょう。　これに対して女は、“雨が降ったくらいで来なくなるような浅い愛情しかかけられていない我が身のほどを知る雨が、降りぞまされる（どんどん降ってくる）”と切り返したのです。　この歌以来、“身を知る雨”は、雨のせいで訪れなくなるような浅い愛情なのか、それとも逢いにくるほどの深い愛情なのかを知るバロメーターという意味を持つようになったのですね。　さてさて、これをなんとめんどくさい女性だと感じるか、ロマンチックな贈答歌ととらえるかは人それぞれですけど、現代人の感覚で当時の風習を理解せずに前者と決めつけてしまうのは、それは野暮というものでしょう。　今朝は朝から陽が射して暑くなりました。　夜中に雨になる予報です。　ムクゲの雫の中に、花を写すことができて、ちょっと感動しました・・

2016.06.27

後朝の朝

後朝の朝に詠まれた歌です。　　はかなくも　明けにけるかな朝露の　　　　　　　　　おきての後ぞ　消へまさりける　（新古今集・醍醐天皇御歌）　　　　　　後朝の朝 posted by (C)のぞみ☆*⌒

2016.06.27

雫集め　

一晩降り続いた雨は朝に雷を伴って更に激しくなりましたけど、雨があがるとそこは別世界。植物に下りた雫を集めに行きました。源氏物語などの和歌を添えてみました。　　　　　　手を折りて　あひ見しことをかぞふれば　　　　　　　　　　　　　　　これ一つやは　君が憂き節　（源氏物語）　　　　　さだめ posted by (C)のぞみ☆*⌒　　　　　　　見てもまた逢ふ夜まれなる夢の中に　　　　　　　　　　　　　　やがて紛るる我が身ともがな　（源氏物語）　　　　　萩 posted by (C)のぞみ☆*⌒　そういえば、夏至は過ぎてしまいましたね～～。　　　　　　ほととぎす　鳴きつるかたを眺むれば　　　　　　　　　　　　　　　ただ　有明の月ぞのこれる　（千載集）　　　　　短か夜 posted by (C)のぞみ☆*⌒　　　　　　　前の世の契り知らるる身の憂さに　　　　　　　　　　　　　　　行くすゑかねて頼みがたさよ　（源氏物語）　　　　　　　　　　　えにし posted by (C)のぞみ☆*⌒　　　　　　露と落ち露と消へにし我が身かな　　　　　　　　　　　　　　　浪速（なには）のことも夢のまた夢（秀吉）　　　　　一粒の雫もし落ちなば posted by (C)のぞみ☆*⌒　　　　　　おほかたに　花の姿を見ましかば　　　　　　　　　　　　　　　つゆも心の　置かれましやは（源氏物語）　　　　　　アガパンサス posted by (C)のぞみ☆*⌒　　和歌の世界では、雫や露は儚いもののたとえとして詠われますけども、このたった一粒の雫が葉を潤し、地に染みて次の命に繋がる希望になるのですよね。。　　おっと危ない・・、うるしの木でした。　　触れたら大変ですよ。　　でも雫はほかの木々と同じようにきれいでしたよ。　　　　　　　清らか～・・　　　　　　　　　　　　日本の夏は美しいです。

2016.06.23

blue

約束したよね、僕たちは決して心変わりなんてしないって・・あぁそれなのに、それなのに・・　契りきな　かたみに袖をしぼりつつ　　　　　　　すゑの松山　波超さじとは　（後拾遺集・百人一首）　　　　かたみに・・お互いに　　　　絞りつつ・・袖をしぼること。　　　　　　　　　　涙を拭いた袖がしぼらなければならないほど、袖が濡れること。　　　　末の松山・・どんな大きな波でも越えない丘。　　　　　　　　　　２人の間に心変わりがなく、永遠に愛し続けること。　　　　　　心変わり posted by (C)のぞみ☆*⌒　　紫陽花の花言葉は“移り気”

2016.06.23

いいなぁ。日本の夏は・・

春過ぎて　夏来たるらし白妙（しろたへ）の　　　　　　　　　　　衣干したり　天の香具山　（万葉集・持統天皇御製）　　（春が過ぎて夏が来たようだ。　　　あの香具山に真っ白な衣が干されて風にたなびいている）　　　この歌は百人一首にもありますけど、新古今和歌集になると柔らかい口調になり、やや意味も変わってきます。　春過ぎて　夏来にけらし白妙（しろたへ）の　　　　　　　衣干すちょう　天（あま）の香具山　　　（いつの間にか春が過ぎて夏が来たのかしら。　　　夏になると真っ白な衣を干すと話に聞いている香具山の・・）　意味は推量ですからそう大きく変わりませんが、実際に目の前に衣が干してあるのを見るのではなく、話の中に聞いた伝聞になっています。　新古今和歌集は京都を中心に詠まれた時代ですから、万葉集の奈良にある香具山を見たことがなく、伝聞になってもおかしくはないことでしょう。　目前で見る生の感動は薄れますけど、言葉の優雅さ、響きの美しさは増していてこのような調べが王朝人の好みだったのでしょうね～。　　　　　夏が来た posted by (C)のぞみ☆*⌒　　これは昨日病院を出たときに目の前に広がった景色です。　どちらかというと力強い万葉集の歌の方が好きですけど、ここは奈良ではありませんのでやっぱり伝聞、想像になるのでしょうね（笑）　まっ白な衣、青い空、緑の山。　美しい色です。　きっぱりと夏が来ました。

2016.06.03

後朝の朝

あの人の後ろ姿を見送ろうとしたら霧が、あぁ朝霧が姿を隠してしまったわ・・後朝（きぬぎぬ）の朝に男性を見送る女性の歌です。　　　後ろ影を見んとすれば　　　霧がなう　　　朝霧が　　（閑吟集）　　　　　　後朝の朝 posted by (C)のぞみ☆*⌒夕べは夜通し、よく雨が降りました。朝、山を見るとちょっと幻想的でしたので、思わず写してしまいました♪今日はぐんぐん気温が上がって夏日になりました。

2016.04.14

葉守の神

　ことならば　ならしの枝にならさなむ　　　　　　　　葉守の神の　ゆるしありきと　（源氏物語・夕霧）　　　　　　　　　　葉守の神 posted by (C)のぞみ☆*⌒　写真は松ですけど、柏の木にこの神さまは宿るそうですね。

2016.03.26

寺街御池

後ろに立ち並ぶビル群も、数年たつと違ったお店や会社が入っていて、時間の長さは違うけれど移り変わることは花と一緒だなぁと感じました。移り変わっても、花は必ず復活しますけど、さて人間は？　　　　　春のきて　あひみむことは命ぞと　　　　　　　　　　　　思ひし花を　をしみつるかな（てゐか）　　　　　　2016　初桜 posted by (C)のぞみ☆*⌒　今年の初桜は、寺町御池で見ました。

2016.03.20

春に問う

誰（た）が袖ふれし梅が香ぞ　春に問はばや　物言ふ月に逢ひたやなう(閑吟集)　　　　　梅園 posted by (C)のぞみ☆*⌒

2016.03.18

白梅

　人はいさ　心も知らず　ふるさとは　　　　花ぞ昔の　香（か）ににほひける　（古今集・つらゆき）　　　　　雨が降る前に posted by (C)のぞみ☆*⌒

2016.03.12

烏丸御池

　　　冬ながら空より花の散りくるは　　　　　　　　　　雲のあなたは春にやあるらむ　（古今和歌集）　　　　　　　　降る雪を白い花と見立てて、春への憧れが詠まれています。

2016.02.07

人日の節句

あなたに差し上げるために新春の野に出て若菜を摘んでいる私の着物の袖に、雪がしきりに降りかかる・・　君がため　春の野に出でて若菜つむ　　　　　　　わが衣手に　雪はふりつつ　（古今集・光孝天皇御歌）　明日は人日の節句ですね。　皆さまは七草粥は召し上がりますか？　古来より日本では年の初めに野に出て、芽吹きだした草を摘み取る“若菜摘み”が行われ、これを食すと一年間無病息災に過ごせるとされて、和歌にもたくさん詠われています。　旧暦では今の２月ごろになるでしょうか、雪が降っても不思議ではありませんけど２月の京都はようやく梅がほころび始めるもののまだまだ冬枯れの景色なのに、いったいどんな草を摘んだのだろう・・？？と、この有名な歌を鑑賞するたびに思います。　“春の野”というと、うららかな季節に花がたくさん咲き誇るようなイメージですけど、和歌では若菜摘みは雪とともに詠まれることが多く、もしかすると寒風吹きすさぶような野辺での行事だったのかもしれませんね。　でもそんな寒い大地から、やっと芽吹きだした草から自然の力をもらうことに意味があるのでしょう、きっと・・。　この歌の、懸命になって若菜を探しているところに着物の袖にはらはらと雪が舞い落ちるという描写は、絵のように美しく好きな歌の1つです。　　　　　人日の節句 posted by (C)のぞみ☆*⌒　　若菜摘みを詠んだ歌を他にもアップしておきます。　明日よりは春菜摘まむと標めし野に　　　　　　　　　きのふもけふ（今日）も雪は降りつつ　（万葉集・赤人）　　　＊標（し）めし野・・貴人が入る野　み山には　松の雪だに消へなくに　　　　　　　　　宮こは　野辺の若菜摘みけり　（古今集・詠み人しらず）　　　（山を見るとまだ雪が残っている。松の木に積った雪がまだ溶けていないというのに　　　　都の人はこぞって、野で若菜摘みをしていることよ。）　春日野の　飛火（とぶひ）の野守いでて見よ　　　　　　　　　今いくかありて　若菜つみてむ　（古今集・詠み人しらず）　　　＊春日野の飛火・・奈良、春日大社の一帯　写真はほんとうは明日にアップしたかったのですけど、７日の朝にいただくために今晩から準備するので、一日早くアップしました。

2016.01.06