撮影機材について その3
まだ1日遅れですが、今回は私の撮影機材の紹介をします。PENTAX Mレンズ 500ミリF4.5、現在まで主力として使用しているレンズです。新宿の某中古屋でこのレンズを見つけてしまったのが、ある意味”趣味人生の分かれ道”…定価(新品)の半額以下で購入できるとあって、事前に下調べをしないで手を出してしまったのが苦労の始まりでした。このレンズ自体は2005年までカタログに載っていた定評のあるレンズなのですが、私が撮影で使用するには2つの問題がありました。それは2つとも”ピント合わせ”に難があった事です。1つはフォーカシングスクリーンの問題。上の図はファインダーを覗いたイメージです。中央のピントを合わせる部分は”マット面”と呼びますが、PENTAXの標準はこの図の”スプリットマイクロマット”でした。”スプリット”は上下に分割された画像のズレを合わせる事でピントを合わせる方式、その周囲にあるピントが合わない時は画像が乱反射してしまう”マイクロプリズム”と併用してピントを合わせます。最初はピントを合わせる基準を機体のライン(外縁・塗装の境目)にしていた事から、前回のような少し中央から偏った写真が多くなりましたが、後になってスモークを基準にするなど工夫して修正できるようになります。ところが500ミリを使用した時、このマット面が絞り値F11を越えると暗くなってしまうという問題が生じました。当時のメイン機”MEスーパー”のフォーカシングスクリーンは300ミリまでしか対応できず、400ミリ以上のレンズを使用するとそのような事が起きました。問題を解決するには望遠レンズ仕様のスクリーンに交換する事ですが、”MEスーパー”のスクリーンは構造上交換不可でした。当時販売していた機種でその機能があるのは一機種のみ…その頃、15年間使用していた初代メイン機”MV-1”のメーカーサポートが終了し、修理ができなくなった事もあり”新機種”を購入する事となりました。3代目メイン機、”PENTAX LX”です。デジカメ時代の現在でも私はメイン機として使用しています。96年の秋頃、例によって中古で購入、モータードライブも店は違いましたが同時期に購入し、今までの秒2コマから5コマへ連写速度が上がる事になります。それによってフィルムの使用量も倍化しますが…”LX”は1980年に”PENTAX創業60周年”を記念して発売されたMF一眼最上位モデルです。プロ仕様機として開発されたのでアクセサリーも豊富、小型軽量ながら防塵・防滴構造、1/75秒~1/2000秒は機械式シャッターで電池なしでも撮影可能という、悪条件下でも頼りになるカメラです。2000年まで製造されたのですが、途中で”前期型”と”後期型”に分かれます。私が96年に購入したのは”前期型”、生産終了時に”後期型”も購入(MEスーパーの修理ができなくなった事もあり)しました。今年”前期型”もメーカーサポート終了となりましたが、”後期型”と交代しながらもうしばらくは使用する予定です。96年秋以降、2000年までの私の撮影機材です。500ミリ以外にも24ミリが新たに加わっています(もちろん中古です)。理由は静浜以降の撮影で”T-4ブルー”の”スター&クロス”を撮影するには35ミリではキツイ事が分かったからです。500ミリのフォーカシングの2つ目の問題、実はこちらの方が深刻な問題でした。写真のようにこのレンズのフォーカスリングは三脚座の内側に位置しており、本来三脚での使用を前提に設計されたレンズなので手持ちで使用する時のピント合わせは考慮されていなかったのです。三脚座(重心点)に手持ちすれば指が届かず、フォーカスリング付近で持てば重心の関係でリングが固くなり回せません。なので購入当初はピントを予想される距離で固定する”置きピン”で撮影する事となりました。当然、3次元を機動するモノを相手に”置きピン”では無理があり、一時はレンズの破棄まで考えましたが、どうにか解決法を思いつき現在まで使用できる事になります。その解決法を見た多くの方は、たぶん笑うか呆れるでしょう。またいつか改めて紹介しようと思います。