入れられなかったよ,ゴメン。
これは シオモニが大切にしてたトイレットペーパー。
かれこれ30年位前の話になる。
当時はちり紙主流の時代で、
トイレットペーパーは出始めだった。
地域差が激しいので、次男さんが住んでいたソウルでは売られていてもこっちでは売られていない事も多かった。
そんな時、孝行息子の次男さんはお母さんに新しいモノを見せてあげたくて買ってきた。
当時一個800ウォン也。
お母さんは次男さんのそんな気遣いが嬉しく、最後のひとつを使わずとって置いた。
次男さんはしばらくして急性白血病で亡くなった。
そんな話を私は年寄りの繰り事として、何度となく聞かされた。
その度に
『お母さんが亡くなったらお棺に入れてあげますよ』
と言っていた。
いざ、実際に亡くなった時は慌ただしくてお棺に入れるどころじゃなかった。
お母さんは生前、こう言っていた。
『私が死んだら燃しちゃいなさいよ。。』
ゴメン、入れてあげられなかったよ。
燃して送ったげるよ。