春の別れ
ある切ない別れがあった・・。世の中には様々な別れがある。学校を卒業する時の別れ、実家から独立したり、結婚したりするときの親を始め親族との別れ、社会人になって、転勤や転属での職場での別れ、引っ越しする時の周囲との別れ、退職する時の別れ・・。 上記の場合は、又逢おうと思えば、再会出来ることは不可能でない場合が多い。しかし、人が亡くなってしまった場合の別れは、もう二度と逢えないというこの上ない淋しさと悲しさが伴う。 今回の別れの経験は、相手は人間ではない。猫である。ワケあって、他人には迷惑掛けない、ある場所にて、ある迷い猫を世話していた。やはりワケあって、屋内に入れることは罷りならなかったので、ケージに入れて、敷地内の庭にて・・。 早朝になると、堂々たる風体に似合わない、カワイイ声で何度も何度も鳴いてこちらを呼ぶ。餌と水を施し、たまに遊びの相手をし、すっかり懐いていて、すっかり情が移ってしまっていたのだが・・。 自宅で飼えない事情があり、(我が家では、既に飼っている2匹の猫がいて、そのうちの1匹が、もう1匹の影響でストレスを溜めていて、精神的に不安定な状態にあったので。)里親を探し、やっと飼ってくれる人がいて、先日その懐いた猫を手放す結果となったのだ。 多分、これは経験した人しか分からないと思う。帰宅した時に、夢中で喜んで走り寄って来ていたその猫・・。でも、その時は保護しなければ、殺処分となっていただろう猫の運命だった。淋しいけれど、可愛がって飼ってくれる人が見つかった事を、その猫の為に喜んであげなくては・・と自身に言い聞かせる。 ・・・そして、束の間だったけれど、癒してくれてありがとう・・と言いたい。幸せになってね・・とも。