春の野菜
或るお方と話していて、野菜の話になった。大根の旨さを知らぬという方の不幸を哀しみ子供の頃は気付かなかったピーマンの美味しさを語った。自然に話は季節の野菜に移り芹や菜の花の素晴らしさを熱く語った(笑)もちろん、これから出てくる山菜についても話は及び蕨やゼンマイにとどめは、たらの芽のてんぷらで締め括った。すこぶる空腹時にこんな話をするなんて或る意味、修行僧の苦行に近いものがあるが(笑)最後の最後に茗荷のお味噌汁の話でこのお遊びを打ち切った。かの魯山人は最高の美食は山菜だと言ったとか言わなかったとか。およそ野菜やそういった類の食材は、旬の時期がわりとハッキリとしておりそれ故に、よりいっそう価値を高め、味わい深いものにしているとも思われる。