幽玄の世界、朝倉氏遺跡
国の特別史跡、朝倉氏遺跡は、2010年春から放映されたソフトバンクのテレビCMで知名度が高まり、来訪者が増えているものの、「福井県民の遺跡への関心がまだまだ低い」と、朝倉氏遺跡保存協会長・岸田清さんが日本経済新聞の記事の中で述べています。それが岸田会長の現在の悩みでもあるようです。私も県民の一人ですが、私の場合は、福井県の歴史に関心を持っていたことから、朝倉氏遺跡に熱心に通い続けたことも。そして、同遺跡について、ブログを書いたり、サイトを作って動画で紹介してみたり。今振り返ると、広がりつつあったブログや動画を駆使してPRを無心によくやっていたものだと思う。しかし今は、いろんな人がブログや動画ブームに乗ってPRしているのではないでしょうか。とはいえ、ブログや動画による福井県観光などの情報発信をやめたわけではないので、今後も機会をみて、ブログや動画サイトなどを使ってPRに務めたい、と考えています。ところで、「YouTubeで ふるさと福井!」を新しく開設し、朝倉遺跡も動画で紹介しています。静寂なたたずまいの朝倉遺跡、ホーホケキョとウグイスのさえずりが響きわたり、咲き乱れる糸桜が幽玄の世界を醸し出す、そんな情景をイメージしながらこの動画を撮りました。中でも、一乗谷で最多の石仏群が残る盛源寺で聞いたウグイスの鳴き声は、特に印象的です。一方、「きてみれば柳さくらの花の園 都のけしきたちもをよばじ」-。天文4年(1535)の春、朝倉館の景色をみてこのような歌を詠んだのは、公家で京の都の多芸な文化人、富小路資直(とみのこうじすけなお)です。往時の一乗谷は京の都にも勝るとも劣らない景観だったようです。私が同遺跡の動画を撮っていたのも春ですが、当時は往時に思いを馳せながら、撮っていたんですよ。