越前がに魚、解禁=好天続きよく獲れる-価格も安い
「越前がに」(福井県沖合いで漁獲された雄のズワイガニ)、セイコガニ(雌のズワイガニ)が解禁されたので、福井県内の代表的な水揚げ基地、三国漁港(福井県坂井市)に行って、カニの水揚げ風景とセリ風景を撮ってきました。三国漁港は福井市街地から南西へ車で45分ぐらいのところにあります。作業の手順はまず「セイコガニ」が漁船の生簀から取り出されて箱詰めされ、その後、午後4時ごろから夕方にかけて同様に「越前がに」が箱詰めされていました。「越前がに」は生簀から取り出されるとすぐ、その証である標識札"黄色いタック"を脚に取り付けていました。そして、箱詰めされた「越前がに」「セイコガニ」はセリ場に運ばれ、午後6時から競りにかけられて魚屋さんの手元へ。一方、関係者によると、「解禁日以来穏やかな天候に恵まれてよく獲れている」ことから、今のところカニの価格は、「昨年より安く推移している」ようです。また9日までの「越前がに」競り最高値は7万円だったという。ところで、良質のプランクトンが豊富な好漁場として知られる福井県沖合い漁場は、越前海岸の各漁港から近く、比較的小さな漁船で"日帰り漁"をすることから、新鮮さを損なうことなく獲りたてのカニが水揚げされるといわれ、カニのシーズンに入ると、この味覚を求めて、遠く関西、中京方面からも「越前がに」を食べにを多くの観光客が訪れます。また、「越前がに」は、安土桃山時代には「越前がに」の名称で都人にも親しまれていたという、伝統の味覚の王者として知られていますが、脚を広げると大きさが70~80cmにも達し、みためが豪華なことから料亭向けや土産用に人気があるようです。濃厚なカニ味噌はもちろんですが、身の入りがよく食べごたえがあります。漁獲時期は11月初旬から3月まで。「セイコガニ」は、外子卵がふ化まじかにまで進み、加えて内子と呼ばれる卵巣が大きく成熟した雌ガニです。大きさは20cm前後と小ぶりですが、通にはむしろ雄よりも喜ばれているともいわれています。他国では、資源保護の観点から、ズワイガニの仲間の雌がには、漁獲がすべて禁止されているといわれ、国内の北海道周辺でも雌ガニの漁獲が認められていないようです。漁獲時期は11月初旬から1月末まで。「水ガニ」は脱皮半年以内の甲羅が軟らかい雄をいい、水っぽく、身の入りが少ない。脚の身がズボッと取れることから「ズボガニ」ともいわれています。例年、12月下旬から漁獲が始ります。