育ててくれて ありがとう
もう1点 これは 以前「生んでくれて、ありがとう」という詩をご紹介させていただいた続編ということになるのでしょうか。作者は 葉 祥明さんです。子育てにつまづいたら、自分に言い聞かせようと思います。////////////////////////////「 育ててくれて、ありがとう」 ボク、ママにぜひつたえたいことがあるんだ。ボクを そだててくれて ありがとう!ボクがここまでこれたのは、ママがいてくれたから。ママのこどもにうまれてきてよかった・・・・・・・。育ててくれて ありがとうボクは ほかのこよりも、よけいにママのてを わずらわせてきたね。なんとかここまで、せいちょうできたのも、ママとパパのおかげさ。ボクは そのことをいつも かんしゃしてるんだよ。ボクは ひとしれぬママの くるしみや かなしみをじっと みまもってきた。ボクは いつだって、ちいさなカラダのおくで、ママにがんばれ!がんばれ!って さけんでたんだよ。ボクは しっている。いままで ママはなんども、なんどもくじけそうになり、たびたび うちひしがれてたことを。そして、ひとりぼっちで、なみだも かれはててしまうほど、ないたってこともね。ママが なきつかれて、ねむっていたとき、ボクは カラダからぬけだし、ママを そっと だきしめて、なぐさめていたってこと、しってた?みんなは ボクのことを、いろいろと きづかってくれるけど、ボクは、ボク。 ほかのみんなとすこし ちがうところがある、ただそれだけさ。 それが ボクなんだ!ボクたちのことを、ハンディキャップをもったこどもって、ひとは よぶけれど、ハンディキャップというのは、ひとがそれぞれもっている、さまざまな「じょうけん」のことなんだ。ボクが このせかいに やってきたのは、このカラダを つかってどれだけのことが できるか、じぶんのもっている ちからを、ためしてみるため だったんだよ。そのためにボクは、さまざまな「じょうけん」をじぶんじしんに あたえたんだ。みんなだって、よくみると、ひとりひとり、ずいぶん ちがうよ。すがたや、かおだちも。みんなが おなじだなんて、そんなのおかしいし、ひとと ちがうってことのほうがあたりまえで、しぜんなことだよね。カラダは、ひとが このよで いきていくためのうつわのようなものなんだ。そして、どのようなカラダであれ、それをつかって、どんなじんせいをつくるか、どんなことができるか、だれもがチャレンジして いるんだよ。ボクのなかまは たくさんいる。じぶんでは いきができないこ、うごけないこ、しゃべれないこ、ゆびさきや、まぶただけしかうごかせないこ。たつことも、あるくこともできないこ。しんぞうがよわく、めやみみが、ふじゆうなこもいる。とつぜん こえをあげたり、じぶんを おさえきれず、あばれてしまうこも いるよ。でも、いろんな、こんなんを のりこえて、みんな いっしょうけんめい、いきている。かぞくのみんなも、いっしょに がんばっているんだ!ボクらは くるしみにまけないし、こわがったり、めげたりもしない。つらいことは、えいえんに つづかないし、ボクたちは そのくるしみを のりこえるちからをもって うまれてきたって、しっているから。「じょうけん」は、カラダのことだけじゃないよ。せいかくや、かんじかたや、そうしたすべてが「じょうけん」として、それぞれの「かだい」としてあたえられている。そう、ひとはみな、それぞれのじんせいのチャレンジャーなんだ!ボクが あえていまのカラダを えらんだのは、こんなじんせいに チャレンジするゆうきとちからが、あったからだってことをりかいして もらいたいんだ。それはママだって、おなじ!ボクをそだてるという、たいへんな じんせいにチャレンジしているんだよ。ハンディキャップってじつは なにかにチャレンジするためのチャンスといってもいい。おおきなハンディキャップをかかえているひとや、そのかぞくは、チャレンジせいしんに あふれてる、すばらしい ひとたちだ。ひとが、マラソンで ながいきょりを はしったり、けわしく、たかいやまに のぼろうとしてみたりするのは、なぜだろうね。ひとが それぞれの「じょうけん」のなかでチャレンジするのも、それとおなじなんだよ。じつをいうと、ひとのじんせいって、1かい こっきりのもんじゃないんだよ。だれもが、いままで なんども、なんどもこのよにうまれ、そして、さまざまな じんせいにチャレンジしてきたんだ。そして、そのとき そのときの じんせいをともにすごす かぞくや、まわりのひとたちにも、それぞれの はたすべき「やくわり」があたえられていて、みんなでともにせいちょうしようと しているんだよ。ボクは このせかいでは、ふじゆうのように みえるけど、ボクのほんとうのすがたを しったら、きっと ママもパパも おどろくよ。ボクのたましいは かんぺきさ!その ちからづよさと、かがやきをかんじてほしいな!ボクが このカラダを えらんでこのせかいに うまれたってことは、すごいことなんだ!そして、きょうまで やってこれたのはきせきかもしれない。ママとパパと みんながこころを よせてくれたおかげさ。これから、ボクが どういきていくか、たしかにそれは たいへんかも しれないけど、ボクには、なかまがいるし、てだすけしてくれるひとたちも たくさんいる。しゃかいも、すこしずつだけど、ボクたちのようなチャレンジャーに、りかいをふかめつつある。そのためにも、ボクたちは がんばっているんだよ。いろんな ひとがいろんな じんせいを おくっているけれどどんなに くるしいじんせいだってだれもが かならず、のりこえられる!だって、そのじんせいは、もともとそれぞれのこころの おくふかいところでけいかく したんだから。ボクが、ママのこどもに うまれたのはママにあいたかったから。ママのあいを、だれよりも ひつようとしたから。そして、ボクがパパのこどもに うまれたのは、パパのゆうきを、だれよりも ひつようとしたからなんだ。ママに そだててもらえて、ボク、ほんとうに しあわせだよ!ママ、パパ、ありがとう。ボクをたいせつに そだててくれて、ありがとう!これから、なんど うまれかわってもボクは ママたちといっしょだよ。おたがい がんばって、それぞれのじんせいのチャンピオンに なろうね! 書籍名:『育ててくれて、ありがとう』著者名:葉 祥明出版社:サンマ-ク出版