気持ちは分からんではない
野球好きなら気になったニュースだと思いますが、センバツで21世紀枠のチームに負けた監督が、監督の指導力不足だとか、腹切りたいとか、末代までの恥だとか、監督をやめたいとか、えらいまくしたてたらしいですね。まぁ地元では、21世紀枠が相手だから楽勝だとか、かなりプレッシャーもあったみたいですが、監督ともあろう人が何を大人げない言葉を発しているんだと思った人が多いのではないかなと推測しますが、でもこれって実は根の深い話なんですよね。21世紀枠っていうのが出来たときにも、なぜ決勝にもいっていない高校が出場できるのかと言われてました。たしかにスポーツである以上本来は勝ち上がっていったチームが出場するのが大前提で、例えば長野県が入っている北信越地区だと秋の大会で決勝に行った2チームが選ばれるのが基本です。ですので昨秋の大会の準決勝で負けた長野県の高校は選ばれていません。ちなみに昨年のセンバツは長野の2チームが決勝に行った為に2校同時に選ばれました。ただ、前述のとおりセンバツというのは秋の大会で優勝したチームしか出れないというわけでは無いので、勝ち上がっていない21世紀枠のチームが出るのはおかしいという正当な理由はありません。まぁ逆に言えば、21世紀枠で選ばれたチームは「良い事をしていて頑張っているけど弱い」と言われているようなもんですから、前述のように「負けたことは恥」というコメントにもつながるのでしょう。とはいえ、みんな高校生ですから力の差なんてものは大したことはありませんし、野球というスポーツはやってみないとわかりません。プロ野球で例えると、2007年に巨人が優勝したにもかかわらず、クライマックスシリーズで3連敗した事がありました。たしかにあの時僕も猛烈な怒りがありましたし、この年から出来たルールに納得がいかなかったです。僕もあの監督と同じぐらいの暴言を吐きました。怒りました。でも原監督はもちろんあんな事は言いませんでした。監督室で悔しさのあまり号泣したというエピソードは聞きましたが。また昨年はヤクルトと阪神が5割を切っていながらクライマックスシリーズ出場権のある3位を争ったことが話題になりましたが、それこそ結果的に3位になったヤクルトに2位の中日や1位の巨人が負けるようなもんですし、その可能性は0ではなかったわけです。まぁ、今例えにしたプロ野球の件にしても今回のセンバツの件にしても、少なくともルールとして決まってやっていることですから、あの監督が言った言葉は侮辱にとられても仕方ないですし謝罪に値するとは思います。ただ、頑張って勝ち上がっていったチームがクサレ高野連があいまいな基準で選んだ“弱い”チームと戦うハメになってしかも負けた、というのは相当屈辱的だったのだろうと思います。監督にしろ選手にしろお互いに勝ちあがってきたチームと試合をしたかったという思いもあったと思いますし、気持ちはわからなくはないというのが正直なところです。無論この話は間違いなく賛否両論あると思いますが、あれから10年たった今、改めて21世紀枠が本当に必要なのかどうかを感じさせたニュースでした。