スタッフ 壁新聞 ~アルコール性肝障害~
これから年末に向けて飲み会の回数が多くなってきますがちょっと気になる、読んだら飲めなくなる?!そんな壁新聞のご紹介ですアルコール性肝障害◎女性は男性より短期間かつ少量の飲酒で羅患するアルコール性肝障害は圧倒的に男性が多かったが、最近は女性の飲酒家が増えていることから、今後は女性の患者さんの増加が予測されます。男性に比べアルコール分解能力が低い女性の場合は少量の飲酒で、しかも比較的短い飲酒機関でアルコール性肝炎から肝硬変に至るといわれます。◎原因は多量の飲酒によるアルコールとアセトアルデヒドの毒性アルコール性肝障害は、アルコールそのものと、その代謝産物である毒性が強いアセトアルデヒドによって起こる肝臓の障害です。吐き気を催したり、顔が赤くなったり、頭痛がしたりするのもアセトアルデヒドが血中に増えていくことにより起こります。さらにこのアセトルデエヒドは、肝機能にも直接作用します。アルコールを大量に、長期間にわたって飲み続けていると、肝細胞に炎症が起き、壊死に陥ることで線維化が進むのです。エネルギー量の高いアルコールを毎日のように大量に飲んでいると、肝臓には他の食べ物から摂ったエネルギーが余って、脂肪として蓄積していきます。さらに肝臓は、アルコールの分解処理に追われて脂肪の処理が十分にできなくなり、脂肪を溜め込んでしまいます。これがアルコール性肝障害の第一段階であるアルコール性脂肪肝です。◎飲酒を続ければ脂肪肝から肝硬変に進むアルコール性脂肪肝の初期には、GOTの数値が高めになるほか、γ-GTPの数値が高くなります。ここで禁酒すればほぼ1カ月で肝臓は健康な状態に戻せます。この段階でも自覚症状はほとんどありません。飲酒を続けていると、やがてアルコール性肝炎に進展します。そして肝細胞に炎症が起きて壊死が生じ、肝臓に線維化が始まってしまいます。線維化が進行してくると、肝機能は次第に低下していきます。この時期になると、食欲不振や全身倦怠感が現れることもあります。ここまで進行してしまっても、飲酒をやめればある程度までの回復は望めます。もちろんこりずにお酒を飲み続ければ、肝硬変に進むことは避けられません。アルコール性肝障害の最終段階はアルコール性肝硬変です。大量の飲酒を長年続けると、肝臓の線維化が進み、組織が硬くなって昨日できなくなります。肝硬変になると、手掌紅斑、クモ状血管腫、女性化乳房などの特有の症状が現れたりします。◎血液検査や腹部超音波検査で診断アルコール性肝障害の診断は、まず問診で、お酒を飲む量、頻度、何年くらい続けているかなどをたずねます。ただし、この病気にかかる人の中には、アルコール依存症の人も含まれるので、家族や周辺の日とに聞いて正しい診断に役立てることもあります。また血液検査では、GOT、GPTのほか、宴会指数といわれるγ-GPTも調べます。アルコール性肝障害の場合は、γ-GPTの数値が非常に高くなります。そのほか、腹部の超音波検査で、肝臓に脂肪が溜まっていないかを見たり、CT検査で肝臓の腫れや形の変形、また、必要があれば肝生検で線維化の程度などを調べます。◎治療は飲酒をやめることが第一、抗酒薬を使うことも治療の基本は飲酒をやめることです。アルコール性脂肪肝や、肝臓が線維化し始めた早い時期のアルコール性肝炎なら、お酒を断つだけで肝機能の改善が可能です。飲酒をやめると同時に、栄養状態を改善する必要があります。お酒を多量に飲む人は、食事をおろそかにして栄養不良に陥ってるケースは少なくありません。脂肪肝にかかっている場合はエネルギー制限が必要になりますが、病気の進行の程度や肝臓の状態に合わせて、適正な栄養療法を行っていく必要があります。アルコール依存症から肝障害を起こしている人の中には、自分の意思だけでは禁酒出来ない人もいます。そのような場合は、抗酒薬を使うこともあります。また肝庇護薬で肝臓の機能回復をはかったり、ビタミンE、B、C、K剤などで肝臓の栄養不足を補ったりすることもあります。