「論語ブーム~子供たちに教えたい論語~」
最近、経営者の間で論語などの東洋思想がブームになっています。戦後教育の中 で失われたものを取り戻すかのごとく、熱心に学ぶ若い経営者が増えているとの ことです。現在、「孔子の一生」という映画が上映されていますが、中国でも孔子がみなおされ、孔子塾も設営されていると聞きます。 「致知」 12月号の特集は、「孔子の人間学」です。雑誌の中で、岩越豊雄氏と瀬戸謙介氏の対談が紹介されています。岩越豊雄氏は「子供と声を出して読みたい「論語」百章」、瀬戸謙介氏は「子供が喜ぶ「論語」」などの著書があります。 瀬戸謙介氏は、「瀬戸塾」という空手道場を運営しておられます。子供たちに空手を教えておられますが、文武両道を目指し、武士道や論語などの東洋思想も教授しておられます。子供たちは空手選手権で活躍し、さらに、有名私学学校にも進学するなど、大きな成果を収めておられます。 瀬戸氏は、「子供が喜ぶ「論語」」のなかで、こう述べておられます。 「論語」は奈良時代から先の終戦に至るまでの長い間、日本における道徳教育の基本であり、教育機関においてしっかりと学び続けられていました。したがって、ひと昔前の日本社会では、すべての日本人が「論語」を基盤とした共通の道徳観 を持っており、家族はもちろんのこと、全国民が根っこの部分で固く結ばれており、社会全体がとても安定していました。 しかし、戦後の教育現場において適切な道徳教育がなされなくなり、今まで常識とされてきた日常生活の規範、倫理観が崩壊してしまいました。(中略) 長い歴史の中でつくり上げてきた日本人の道徳や倫理観という生活規範だけでなく、人間として立派に生きていくには何が大切なことなのかという生き方にかかわる日本人の心を伝えなくなったがために、今や学校や家庭における教育の荒廃は目を覆いたくなるばかりです。 さらに 人としての生きる道、徳を説いた言葉に触れることで、背筋がしゃんと伸び、それを学び続けることで心の中に芯が生まれてくるのです。 最近、知人の経営者に聞いたのですが、就職活動に来る学生では、女子の優秀さが目立つそうです。男子は、「草食系」という流行語にみられるように、覇気のない学生が増えているとのことです。気骨のある男子が就活に来れば、取り合いになるという笑えない現状があるそうです。 現在、世界が動乱期を迎えており、これからの子供たちには、今までより過酷な社会の現状が待っていると予想されます。子供たちに受験勉強よりももっと大切なことを教えていくのが、大人たちの義務だと感じました。 小学生でもわかりやすい論語の推薦図書としては、 安岡定子「こども論語塾」(明治書院) 全国各地でこども論語塾が開催されています。 論語普及会→HP: http://home1.tigers-net.com/rongo/ 安岡活学塾→HP: http://www.ymkj.jp/