アーツブリッジ日記

[起業への道のり] カテゴリの記事

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• 成功像って？

  昨日と今日は家でのんびりと起業塾の課題や読書に取り組んでいた。どの本にも目標設定・達成のことや成功への具体的なステップについて書いてある。どれも納得は出来るのだが、いまいち自分の中で消化しきれない。それは、もしかしたら「成功する」っていうのが自分にとってどういうことなのかはっきり分かっていないからなのかも知れない。まだ自分の中に葛藤があったりして、成功像がビジュアライズできていないのだ。本当に好きで仕事にしたいと思えることがあることは幸せだと思っている。ただ、その先の長期的な方向性は？というところがまだまだピントが合っていない感じ。そこまで根本的なところまでさかのぼらないでも、起業プランのような具体的なことはできるだろう。あまり根本的なところでひっかかってしまって先に進めなくなるのも困るが、やはりもっと自分についての分析が出来ていないと、筋が通った長期プランが出来ないような気がする。これから少し、その辺のことに時間を割いてみようと思う。

  January 10, 2005

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• 仲間をつくること

  今日はデータベースミーティング第2回目だった。この間は概要の説明だけで終わってしまったので、今回は彼らが今塚手いるシステムを実際に見せてもらったりワークフローについて聞いたり、というもう少し地道な作業をした。担当者の女性は情熱を持って仕事をされており、業務改善を心から望んでいらっしゃる方なので、とてもこのプロジェクトにも協力的でやりやすい。余計な説得をする必要がない。作業が終わった後、一緒にお昼を食べながら現在の日本のオーケストラの運営の現状についてなど、色々とお話しできた。午後は、シカゴ大学で6年間文化組織学というものを学ばれた後、日本に戻ってきて芸術分野に関するリサーチや音楽評論活動を行っている方と2時間くらい新宿のカフェで語り合った。数週間前に私が参加した、あるフォーラムで進行役を務められていた方である。その時はお互いに忙しくてあまりお話しできなかったので、「また他の場所で改めてお会いしましょう」という感じだったのだが今日実現した。芸術運営に関して、彼がアメリカから日本に戻ってきてみてびっくりしたことを聞いてみると、今私が6年後に帰国しておどろいたこととかなり似ている。もちろんその間に芸術団体もゆっくりと進歩はしているのだが、その速度があまりにも遅い。彼と私とでは専門分野が少しずれてはいるが、お互い芸術団体に頑張って欲しいを思って仕事をしてきたので、これからも何らかの形で協力しあっていけるといいですね、と話し合った。今日の朝会った担当者や昨日会った女性など、みんな危機感を持って、行動をおこしていきたいと強く願っている人ばかりだ。こういう人たちのネットワークをもっともっと強くしていけば、絶対にどんなに頑固な芸術団体も変わって行かざるをえないと思う。そういう仕掛け人になっていきたいと思う。明日から9日間はシカゴから来る友人のお世話だ…

  December 21, 2004

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• 初のビジネスミーティング

  今日は11時から、あるオーケストラの楽団長と関連スタッフ4名を相手に、資金調達のデータベースを開発する際のお手伝いと、実際の導入の依頼のためのミーティングを行った。これが私のビジネスアイディアを実現化する第一のミーティングだと言える。このミーティングで反応が悪かったら、それ以外のことも考える必要があるかもしれないと思っていた。まだ実際にデータベースがあるわけでもないので、このミーティングをどのように切り出すかについてかなり悩んだ。アメリカのオーケストラの事例を使ってデータベースの必要性を説くのか。この切り出しを考えていたとき、起業塾の課題図書にあった2冊の本のことを思い出した。神田昌典さんの本に書いてあった「顧客が階段を上りやすいようにしてあげる」ということと、和田裕美さんの本に書いてあった「ＮＯをＹＥＳに変えていく」の２つの言葉である。もし、私が「アメリカはこうやってうまくいっているのだから、あなた達もこれを使ったらいいですよ」という感じで始めれば向うはまず「使えない理由」をすぐ考え始めてしまうだろう。そこで、楽団長に「今、楽団長から見て、支援室のうまく回っている点と、これから次のステップに向けて改善したい点は何ですか」という質問から始めてみた。まだ席に着いたばかりで、その内容について考え始めてもいなかった楽団長はいきなり質問されて、一瞬戸惑っていたが、その答えをするためにすぐに内容に入り込んでいくのが分かった。何しろ初対面だったので、その答えを聞きながら、彼の考えていることをとにかく出来るだけ早くくみ取るようにした。彼はその答えの中で私が求めていた問題提起をしてくれたので、そこからスムーズに一歩ずつ内容に入っていくことが出来た。そうすることによって、彼も自分がした問題提起なので、そのあとも反対しにくい雰囲気になったような気がする。結局、ミーティングの終わりまでには、開発の手伝いにスタッフの時間を割いてくれることを約束してくれ、また導入に関してもとてもポジティブな返事をくれた。。おまけにお昼までごちそうしていただいた。1時間のミーティングのはずが、結局4時間にもなってしまったが、私にとってはとても意味のあるミーティングとなった。そのあとは新宿へ戻ってヘアカットをしたり、夫のクリスマスプレゼントのショッピングをしたりした。先週と今週はセミナーやら何やらで、とにかく慌ただしかったが、このミーティングが無事に終わって、とにかくほっとした。良い一日だった。

  December 16, 2004

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• 新しい経験に緊張…

  今日の午後は、大企業のＣＳＲ担当者（室長さんレベル）対象の研究会に参加した。私は全くその対象外なのだが、夫がそれを主催している組織のほかの研究会に参加している関係などもあり、個人会員として潜り込ませてもらったというところ。その会には約50人が集まっている。今日は私が初参加だったので全員の前で自己紹介を頼まれた。たかが自己紹介とはいえ、7ヶ月前に日本に帰ってきてからというものそこまでオフィシャルな場所には出ていなかったし、日本語もまだすっきりと公共語（パブリックスピーキング用の言葉？）が使いこなせないので、かなり緊張した。また、この間テキサスに行ったときに書いたＨＥＢ社訪問のレポートも全員に配布された。大企業の、それもその分野専門の人たち50人に読まれるというのも結構ストレスを感じた。ゲストスピーカがたまたまイオンの方で、同じ小売業についてということから、そのレポートを配布することになったようだ。第2部の分科会では、私が提供できる情報が少ないので（会社ごとに自分たちのＣＳＲプログラムを比較したりするので）、それなりに自分にしか言えないコメントを探し続けるという2時間だった。ある意味、辛いところもあったけれど、とにかく得られる情報の貴重さのゆえ、あきらめるわけにはいかなかった。企業の方達がＣＳＲという「流行」のような（ある人の言葉）コンセプトのために、かなり苦労されており、まだ方針がたっていない会社が数多くあるということが分かっただけでも、今日は行ったかいがあった。夜は「ＮＰＯの電子データ管理とリスクマネジメント」（情報セキュリティについて）というセミナーに参加。そんなに驚くような新しいことはなかったけれど、自分の中でそのことに関するawarenessを高めるといった意味では言ってよかったと思う。明日の朝はオーケストラの人たちとのミーティングなので、これからその準備をしなければ。長い一日（ふ～っ）だったが、あえていつもの　"comfort zone"から外れたところに自分を置いてみることによって得られたこともあったかな、と思った。

  December 15, 2004

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• 忙しい一日、ＳＲＩフォーラムなど。

  朝10時にあるオーケストラの事務局の方と打ち合わせ。あさって楽団長さんとお会いしてオーケストラの資金調達のやり方についてお話しすることになっているので、それの事前調整だったのだが、話を聞けば聞くほど、資金調達の細かいことよりも、組織的なもの（人間関係など）を論理的に変えていかない限り、根本的な問題解決にはならないのではないかと思えてきた。なんかそれでは元も子もない感じだが、あまりにも非論理的に組織が動いているようで、どこから手をつけたらよいのか分からないくらい。あさってのミーティングがちょっと憂鬱である。でも人から聞くのでなく、正面からぶつかっていかないことには一歩も前進できなそうなので、やるしかない、ってかんじだ。昼は義理の姉と丸の内ホテルでお食事。初めてだったが、なかなかおいしかった。前菜の赤ピーマンのムースはとても繊細だった。それから午後は4時間、ＳＲＩのフォーラムに参加した。パネルが2つあったのだが、1つ目は年金運用におけるＳＲＩについて、2つ目はＳＲＩの課題と展望のようなものだった。両方ともとても分かりやすかったのだが、特に2つ目の方のパネルはパネリストが全員女性で、すごいパワーだった。例のウーマンオブザイヤーに輝いた秋山をねさんもパネリストの1人。これらの女性はみんな使命を感じて仕事をしている人だということがひしひしと伝わってきた。ＳＲＩは、企業も社会的責任を果たさなければ生き残れないというコンセプトを広めるのに役立ってはいるが、まだ始まったばかりでこれからそれが根付くまでには時間がかかりそうだ。今日は本当に色々な情報が入ってきたが、まだ消化しきれていない。明日も引き続き、２つのフォーラム参加予定。色々と考えれば考えるほど、自分は本当にこんなことをやっていく能力があるのかどうか、不安になったりする。起業している方達はそのような不安をどのように乗り越えてきたのかについても教えて頂きたいなと思う。

  December 14, 2004

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• 会社名と肩書き。社会起業家。

  このごろひしひしと感じていることが一つある。3月に日本に帰ってきてから、主婦をしながら家でフリーランス的な仕事をしているので所属会社名や肩書き名がなくなった。今まではずっと組織で仕事をしていたので、初めての経験だ。名刺も全く肩書きなどが入っていない個人のものを作った。作ったときは、誰にも支配されていない、フリーの身になったんだ、と開放感を感じた。けれども、最近、色々なフォーラムやセミナーに参加したり、新しい人と会ったりするときに、必ず所属会社がまず最初に聞かれる。そして、それがないと、かなり不便だということにも気づき始めた。当たり前のことなのかもしれないけれど、私には新しい発見だった。これから、ビジネスプランを具体化していく過程で、もっともっと新しい人に会ったり、少しずつコンセプトの売り込みも始めなければいけなくなるのだから、出来るだけ早い時点で（来年3月ぐらいまでには）会社を作らなくてはいけない（どういう形にしろ）と、必要性を感じ始めた。それで、昨日、「アーツマネジメント・コンサルタント」という職種だけ追加して名刺を作り直した。今週は特に新しい人会う機会がかなり多いので。これも、起業へと背中を押されるような経験だった。昨日もぐ７７さんの日記に日経のウーマンオブザイヤーのことが出ていたので、早速買いに行ってみた。今年1位になった秋山をねさんのことは、色々なＣＳＲの関係の人からお聞きしていたので、とてもうれしかった。明日参加予定の「ＳＲＩフォーラム」では、をねさんもパネリストの一人なので、やっと生でお話しを聞けるのがとても楽しみ。をねさんの、「娘のためにもいい社会を作りたかった。」なんて母親として、ステキな信念だろう。この強い信念に基づいて、ＳＲＩを通して、会社というもののありかたを変えてこられた。「理念を曲げるくらいなら（自分の会社が）つぶれてしまった方がいい」という言葉にも本当に潔さが感じられる。やはり社会起業家として活躍するひとには、こういった揺るがない価値観や行動基準というものがあるのだなと感激した。私がやろうとしていることは社会の仕組みまで変えられるようなものではないかもしれないけれど、それでも、社会起業家の精神をどこかにもって、これからの人生を生きていきたいと思った。

  December 13, 2004

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• 胃腸にやさしい食べ物、仕事の相談

  夫が数日前から胃腸の調子をくずしてしまった。金曜日には病院で胃酸をコントロールする薬をもらったりしたのだが、そのあとも、食後に腹痛があったりするようで、食事もかなり制限しなくてはならない。こんなときにどういうものを作ったらよいか分からない私は、おかゆと魚と豆腐、みたいなものばかり出しているが、普通はどういうものなんだろう？それでも昨日の夜は丸ビルまでちょっと買い物にいったついでにサヌキうどんを食べて帰ってきた。夜中も具合が悪くならなかったようなのでほっとした。そのサヌキうどんを食べているときに、夫と仕事の話になった。今週の木曜日に、あるオーケストラの楽団長とミーティングをすることになっているのだが、その際に私がこれから開発使用としているソフトについてどのように説明するかということについて話し合った。ソフトの開発は夫の会社（経営コンサルティング会社）に頼もうと思っている。しかし、その仕様を決めるに当たって、やはり現場の声が欲しいのであるオーケストラに協力依頼をしようとしているのであるが、今の時点でどこまでソフトウェアの導入についてコミットするかという問題がある。何か物事を動かそうとするとき、どっちを先に、何を言って進めていくかというのはかなりきわどいものがある。夫は私にその辺のことに特に気を使うように言いたかったらしい。ある意味、日本でビジネスをやったことがない私にとって、この夫が提供してくれる転ばぬ先の杖はありがたいことである。それでも、一緒に話していると、関係が近いから遠慮というものがないために、気分が高ぶってしまったりする。なんで完全に分かってくれないの？といらいらしてしまったりもする。この辺もこれからの私の課題だと思う。今週はＣＳＲ系のセミナーやＮＰＯのデータ管理に関するセミナーに参加したり、オーケストラとのミーティングがあったりと結構色々な情報の消化が必要になりそうだ。でもこうやって実際になにか行動を起こしているときはわくわくする。ＣＳＲやＮＰＯの業界はそう広くないので、とにかく今の時点で可能な限り多くの人に会っておきたいと思う。

  December 12, 2004

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• 旅の最終日。元同僚をたよっての情報収集…

  今回のアメリカ旅行最終日だった。一日、分刻みで色々な人に会えた。朝は、私の元職場（ロスのオーケストラ）の友人とコーヒーを飲みながらお互いの近況についてcatch upする。彼女は最近婚約して来年早々オーケストラを辞めてサンディエゴに引っ越すことになっている。彼女のオーケストラでの仕事は多額寄付者（個人）からの資金調達。彼女のお母さんも非営利団体の資金調達の仕事をしていてネットワークが広いので、今度直接お母さんとメールでやりとりさせてもらうことにした。そのあと、同じ元職場のデータベースマネジャーとプロスペクトリサーチマネジャーの２人をお昼に接待して、私のデータベース開発について話を聞いてもらった。年間予算６０億円近い大規模なオーケストラの資金調達を行っている部で実際にデータベースマネジメントやプロスペクトリサーチをやっているプロに直接話しを聞いておきたかった。もちろん私も同じ部署で以前働いていたのだが、彼らがやっていることについては完全に理解していなかったので、今日の情報はとても役に立った。また、このオーケストラもこれから半年くらいの間にデータベース改革を行う予定があるらしく、現在色々と情報収集をしているのでその結果をまとめたものを送ってくれることになったことも素晴らしかった。その他の成果としては、部署としてデータベースに関するニーズをまとめたものやプロスペクトリサーチのプロセス・情報源について書いたものも提供してくれるということ。このような情報はかなり貴重なので、本当にこの２人と話ができてよかった。昼食後、日本のオーケストラから依頼を受けて、共演の可能性について、ある芸術家のマネジャーと話をし、パフォーマンス・ビデオをハリウッドまで入手しに行った。このあとうまく共演にまで話がたどりつけばいいなと思う。（私は直接的には関係ないが…）夜は知り合いの夫婦とメキシコ料理を食べに行った。私はテキサス暮らしが長かったので、メキシコ料理が本当に懐かしくなるときがある。最後の食事はやっぱりメキシコ料理になった。一緒に行った夫婦は７４歳くらいで、ご主人がアメリカ人、奥様が日本人である。結婚５３年で、彼女は戦後テネシー州で戦争花嫁第一号ということで新聞に載ったりしたこともある人だ。彼女の波瀾万丈の人生については、聞けば聞くほどおどろくことばかり。でも一番感激するのは、彼らの人生は想像を絶するような大変なことが多かったというのに、２人とも驚くほど明るく前向きで、周りに奉仕し続けているということだ。明日も彼らの友人の女性（８１歳）が精密検査に行くのに同行してあげたり、体の不自由な老人（自分たちも７４歳…）たちにお食事を届けたり、と本当に毎日かいがいしく行動し続けている。彼らを見ると、私はなんて怠け者なんだろう、と自己嫌悪に陥ってしまう。でも、こういう素晴らしい人生の先輩が与えられていること自体、感謝すべき事なのだと思う。明日は朝７：４５に空港に向けて出発。７日間の旅にしては、かなり中身の濃い日々を過ごすことができたかな。私を自由にこうやってしょっちゅうアメリカに送り出してくれる夫にも感謝一杯である。

  December 7, 2004

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• テキサスで一番大きなスーパー訪問

  今日はＨＥＢというテキサス州で一番大きなスーパーマーケットの環境対策室にＣＳＲの取り組みに関してのインタビューに行ってきた。ＨＥＢはスーパーの業界では上場されていない中で、一番大きな規模の会社である。１年の売り上げは１１０億ドル（１．１兆円くらい）で、従業員の数は６万人を超える。テキサス内に３６０店舗持ち、７年前からメキシコにも進出した。このスーパーは１００年も前にサンアントニオから始まったのだが、どうやって国中に展開するようなチェーンのスーパーに負けずにテキサスという土地を守り続けたのかが知りたかった。ＣＳＲの取り組みについての具体的な話を聞いていくうちに、会社の顔が浮き彫りになってきた。そして一番顕著になったことは、このスーパーを始めた創始者の血筋をひく現在のＣＥＯの、従業員やコミュニティーとの強い絆だったのである。こんなに会社が大きくても、食べ物（商品）を運搬する大型トラックの運転手は何かあったときに直接ＣＥＯにコンタクトすることが許されているというのだ。そしてこれらの運転手達は会社の１００周年の際に自分たちのお金をカンパしてトラックに"Spirit of HEB"というデザインを施してＣＥＯを感激させたという。また、ある従業員は勤務１週間目に自宅が火災に遭ってしまい途方に暮れていたところ、会社は彼に１週間の有給休暇を与えた（まだ勤務し始めて１週間だというのに）。そして彼が家に帰ってみると、ＨＥＢのトラックが食べ物や着るものを運んできていた。そしてその週末にはＨＥＢが肉を寄付してＢＢＱが主催され、そこに来た人たちは彼の為に募金をしたそうだ。彼はまだ２０歳代前半だというのに、「自分は一生ＨＥＢで働いて恩返しをしたい」と言っている。従業員に対してだけでなく、コミュニティーに対しても社会的責任という枠の中でだけでなく、ＣＥＯの心遣いのようなものから生まれたトラディションがある。テキサスやその他の南部の州ではハリケーンや竜巻などの災害が多く起こる。その時のためにいくつかの大型トラックは常時多量の水と非常用食物が積み込まれており、何かあったときはすぐに被災地に駆けつけられるように用意されているという。ＮＹの９１１テロ事件のあともいち早くいくつものトラックがＮＹへ向かったそうだ。こういった行為は普通なら企業のイメージを上げるために行われているため、すぐに報道されるようにリリースを書いたりするものだが、この会社のＣＥＯはそれを嫌がるということだ。彼のおばあさんは大変な思いをしている人見つけると袋に食べ物を詰め、それを家まで届けに行き、匿名で置いてくるということを習慣的に行っていたため、ＣＥＯもそういう行為は人に知られるためにするものではない、という強い信念を持っているそうだ。このような例に見られるような人と人の絆というものが会社の経営や組織作り、人的管理の取り組みの中のいたるところに見られる。日本でもＣＳＲ活動がさかんであるが、今回のインタビューを行ってみて、日本企業によく見られる「ＣＳＲとは何をどこまでしなければいけないのか」という原点から始まっている活動には限界があるとつくづく思ってしまった。もちろんＨＥＢも顧客（コミュニティー）には地域とのつながりをアピールする必要はあるが、上場会社ではないため、社会貢献を行っていることを投資家にアピールをする必要はない。それでも実際に行っている活動には目をみはるものがあった。この違いというのは、ＣＥＯの深い信念や哲学、そして人格に基づいたものであると思う。「企業」というと無機質な、顔がないものになってしまいがちだが、所詮は人の集まりなわけで、もっともっと人間くさくなって欲しいと思った。

  December 2, 2004

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• 地方オーケストラフェスティバル・セミナー参加

  今日は夕方の４時から夜１０時まで、文化ソフトとしてのオーケストラ、オーケストラ経営についてなどのフォーラムに参加した。参加者はオーケストラの事務局や地方自治体の方々、音楽評論家、新聞記者などで、色々と面白い意見を聞くことが出来た。ここでもまたまた話題になったのは、資金調達について。どのように資金調達を行っていったらよいのか、という前に、「日本人は金、金と言われるのを嫌がるのだから、あんまりそれを全面に出してやっていくべきではない」といった風なことから議論が始まった。そんなことを言っていても始まらないわけで、そういう風潮をどうやってこれから変えていくかについて話し合うと言うところまでは、こういったフォーラムではいつもたどりつかない。でも終わった後のレセプションでは、そのような発言をした音楽評論家のパネリストとある地方オーケストラの事務局の方にアメリカのオケで使ったことのある具体的な資金調達の手法とそれをどのように日本で応用できるかについて話したところ、２人とも「あ～、そうやってやることもできるんだね」というようにかなり納得してもらうことができた。要は、資金集めのネガティブなイメージにどのようなポジティブ・スピンをかけることができるかということだと思う。フォーラムのようなところに参加してただ話を聞いているだけだとその意識レベルにかなり落ち込むことが多いが、実際に私の方が「ならば意識改革をしてみせる」位の意気込みを持って行動していけば、何かを少しずつ変えられるかも知れない、と初めて実感できた夜だった。今日は１１月最後の日。２００４年も、もう終わりに近づいている。でも１１月５日頃、起業塾の申し込みをしてからの一ヶ月は自分の中ではかなり充実したものだった。毎日小さな事でも必ず行動を起こし続けるということを心がけるだけでも、結果はかなり変わってくるに違いないと思えるようになってきた。もちろん、この一ヶ月間にも、やってきたことを引き戻すような出来事もいくつかあった。けれども、そのように自分のコントロール外にあることが起こった時に、あまり感情的に左右されないようにするのもこれからの課題だと感じている。明日から８日間、アメリカへ行ってくる。どのような旅になるのか楽しみである。

  November 30, 2004

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• 起業塾交流会、初参加。

  今日は、起業塾交流会に初参加した。他の予定が入っていて行けなくて残念と思っていたら、急遽その予定が変更になったので、飛び入り参加させて頂いた。今日初めてお会いした方達だったのに、４時間以上も色々と話して、素晴らしいエネルギーを頂いて帰ってきた。皆さんのパワーに圧倒されるところが多かったが、私もこれから自分のことをもっとよく見つめ直すことによって自分自身を理解していきたいと思った。それにしても、こんな素敵な人たちにいきなり会えるなんて、今更のように起業塾のネットワークの偉大さを感じた夜だった。

  November 26, 2004

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• 情報収集…

  今日はＮＰＯ関係のリソースセンターに行って色々な情報交換をしてきた。アメリカと違って日本のＮＰＯは税金関係での苦労がかなり多そうだった。政府ができないことをＮＰＯがやっているのだからそれをサポートする、という姿勢は政策に反映されていないようだ。私自身はアメリカでもずっとＮＰＯ（オーケストラ）で働いてきて、その形態にいささか疲れているところなので、今またＮＰＯを自分で立ち上げたいとは思えないのだが、そのような苦境の中でも自分の信じているcauseのためにがんばっている人達を見ると少しでも何か役に立つことがしたいと思う。それがどのような形になっていくかはまだ分からないが、少しずつこのようなネットワークを広げていくうちに、その像がはっきりとしていくような気がする。私が役に立てることといったら多分アメリカでの資金調達のノウハウを日本のＮＰＯに伝えることなのかもしれない。夜は、夫と私の母と３人で家の近くのイタリアンに行ってきた。食べながら、たわいのない話をして笑い転げた。こういうのが私にとっての小さな幸せなのかな、と思った。

  November 24, 2004

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• やらなきゃ終わらないこと。

  友人の指揮者から依頼された音楽批評の翻訳が１０ページほどたまっている。彼は外国のオーケストラの音楽監督のポストの候補として挙がっていて、日本国内の演奏会の批評（新聞・雑誌の記事）を訳したものを提出することになっている。もちろん彼の演奏が何よりの才能の証明ではあるが、この翻訳された批評も彼のキャリアを決める要素の一つであると思うと荷が重い…音楽批評の翻訳は本当に難しい。例えば「凛とした高音に、深みのある低音と良く響く音色が心に染みる。華やかな技巧と細部まで神経が行き届いた緊張感で、深い精神がこもった重圧で大きい音楽。」などという文は、そのまま訳したら本当にわけがわからないことになってしまう。英語にしても文の意味が分かるようにするということは、ある程度表現も変えていかなければならず、その表現もかなり微妙なものなので一言一句、産みの苦しみが伴う。こんな言い訳をしながら、現実逃避に入ってしまい、今日はあんまり進まなかった。これからの３時間くらいであと３～４ページはやってしまわないと…　気ばかり焦ってしまう。１２月１日から９日までアメリカに行くのだが（３～４ヶ月に一度、グリーンカードをキープするために往復している）、ロスとサンアントニオで情報収集できる会社見つけやアポイント取りも始めなければならない。やることがどんどん増えていく～！

  November 22, 2004

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• セミナー参加

  今日の午後は東大の文化資源学会というセミナーに参加してきた。オーケストラと美術館の運営について考えるというものでなかなか面白い趣向ではあったが、「文化経営について」というあまりにも幅広いトピックだったため、焦点が定まりにくいということもあった。それでも、前専務理事と楽団員による札幌交響楽団のこの一年で行われた経営立て直しについての話は本当に新鮮だった。年間予算が９億円というＮＰＯ団体が５．６億円もの累積赤字を抱え、札響は倒産するに違いないと、誰もがそう思っていた。ところが、北海道新聞社から再建のために送られてきたリーダーは、今までのオーケストラのジレンマに振り回されることなく、理論的に、そして情熱的に再建のプロセスをすすめ、一年間で信じられないような転換をとげた。このリーダーは「誰のために演奏するのか」ということを、徹底的に楽団員にたたき込んだと言っていた。「自分のために弾いているなら、観客から金なんか取るな。金を取るなら、徹底的に観客のために弾け」と。これはアメリカでも日本でもプロオーケストラに欠ける考え方で、それを率直に楽団員にぶつけることができたこのリーダーは本当にすごいと思った。楽団員というのは、プライドが高く、質の高い演奏をすることだけを使命としている場合が多い。そのため、自分たちが観客のために演奏しているという意識が全くない。お客さんのために弾くという、この意識の変化こそが札響の再建の一番の根底にあったということを知っただけでも、今日のセミナーに参加した意義があった。そのあとは恵比寿のイタリアンで義母の誕生日パーティーをした。どれもこれも本当に繊細で、シェフのこだわりを感じた。

  November 20, 2004

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