コラム~世界一周チケット
今回の旅のチケットには悩みました。 帰る当てのない旅なのだから片道キップで旅するのが理想なのですが、世の中には帰りのキップがないことには入国できない国もたくさんあります。特に南米やアフリカの国々では特にそうです。 往復キップで行って、帰りのキップは捨ててしまうというのも手ですが、あまりにもったいなくって貧乏性の私にはできません。 そこでなるべく長期で帰りのキップがついてることを考慮したうえ、世界一周チケットを選択しました。当時、世界一週チケットを発券していたのは1,マレーシア航空2,ワールドパークス3,スターアライアンスだけでした1,のMHは東京~クアラルンプール~南アフリカ~ブエノスアイレス(アルゼンチン)~自力移動~ロス~東京の経路で1年オープン14万くらいで、最高のパフォーマンスだったのですが、経路が僕の旅と合致しなかったのでパスです。2,のワールドパークスはアライアンスなのですがノースウェスト航空やオランダ航空ぐらいしか使えず、あんまり使い勝手がよくないし、値段もやや高い。それで3,を選択しましたスターアライアンスは当時、ユナイテッド航空、タイ航空、ブラジル航空、エアーカナダ、ルフトハンザ航空、オーストラリア航空くらいしか加盟していなかったのですが、それでも世界6大陸を無理なくつなぐには最高のキップでした。 しかもこれは正規航空券なので、1年オープンのうえルートや日程や航空会社の変更が自由なので自由旅行にはうってつけ。僕の予約したカテゴリー1はトータル27000マイルまで組み合わせ自由で28万円でした。僕の場合、大まかな経路で算出すると25000マイルとまだ持ちマイルがあまったので最後にバンコクからプーケットまでおまけのフライトをつけたぐらいです。 さらにおまけに例えばユナイテッドのマイレジプログラムに加入してると、20000マイルを越えるので自動的にアジア往復無料航空券がくっついてくるというおいしさ。 現在ではスターアライアンスも全日空やシンガポール、アシアナ航空なんかが加盟していますのでさらに使いかってがよくはなっているはずです。 そうそう世界1周チケットで忘れてならないのが伝説の「安斎チケット」です。 これはアフリカケニヤナイロビ発のチケットなのですが、ナイロビ→ムンバイ(インド)→バンコク→香港→台湾→沖縄→大阪→東京→札幌行きのコースがわずが800ドル程度! しかもすべての都市に途中下下車できて、格安オプションでその他のアジア各都市どこでもすきなだけ立ち寄ってよいという大判振る舞い! しかも信じられないことに全区間ビジネスクラスでも900ドル程度。それも正規航空券だからいくらでも自由がきくというスーパーチケットなである。 どこをどうするとこんな馬鹿みたいに安いチケットができるのか、一般旅行業務取扱主任者有資格の私にもよくわからないんだが、当時は超レアものチケットとして貧乏旅行者の間ではとかくに伝説のチケットでした。今ではいろいろ規制がかかってうまみはなくなってしまったのかもしれませんが、その後の消息を知っている方がいらっしゃいましたらご教示下さい。 海外旅行も自由化されておらず、飛行機が高嶺の花だった1960年代の旅人は横浜港から~香港~バンコク~スエズ運河経由マルセイユ行きのフランス船ラオス号とか、あるいはナホトカからシベリア鉄道に8~9日間も揺られて鉄のカーテンをくぐってヨーロッパ入りするとかしてたのだから、気軽に格安に世界一週などど銘打った旅行ができるのだからありがたいものです。ただ、世の中便利になって旅に大時代的なロマンがなくなってしまうのも寂しい限り。本編でも触れましたが、当時はE-メールなどあまり普及していなかったので、1週間もかけて大陸を横断してくる手紙には感動のきわみでしたが、現在は味気ない電子信号になってしまって便利さによって失うものもあるといたみいる時代です。