ヘイエルダールの最後の航海(その3)
いかだや葦の船を使って無謀な冒険を繰り返したヘイエルダールでしたが、1970年、遂に蘆の船でカナリア海流に乗り大西洋横断が可能なことを立証したのです。船名はラー2号。今度の船大工はボリビアのチチカカ湖から招かれました。ラー号と同じモロッコから出発し、カリブ海のバルバトス島まで到達しました。この航海では、国連に報告する海洋汚染のサンプルを採取しただけではなく新しい試みを実践しました。有名人となれは多くの人々に影響を及ぼすことができます。平和の伝道師でもあるヘイエルダールは、狭い船の中でも人種、国籍、宗教など違っても協力して仲良く暮らせることを実証しようともしました。ちなみにラー2号には日本人のカメラマンも同行しました。これでもまだ冒険を終わらせないのがヘイエルダールの凄い所です。今度は1977年に、海上を経由した貿易と移住でパキスタンとインド西部に存在したインダス文明とメソポタミアとが結びついていた可能性が有ることを立証するための航海でした。全長18メートルの自身最大のチグリス号はイラク(旧メソポタミアのチグリス川とユーフラテス川が合流する場所)で建造され、ペルシャ湾を通りパキスタンのカラチを経由してアラビア海に出た。紅海に向かおうとしたが、アフリカの角(海上交通の要衝で政情は不安定)のジブチに到着した時点で戦争の影響を受ける。無言の抗議なのか、チグリス号は1978年4月3日にジブチの海上で燃やされました。こうして143日間で6800Kmの航海は終わったのです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%98%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%ABhttps://www.kon-tiki.no/en/heyerdahls-expeditions/tigris-1977-1978