火災捜査官 スザンヌ・チェイズン
ストーリーは、マンハッタンで五十四名もの死者を出したビル火災。現場に急行したFDNYの火災捜査官ジョージアは、摂氏1600度にも及ぶ超高熱火災“HTA”の形跡に驚愕する。前後して聖書の“第四の天使”を名乗る人物から当局に謎めいた手紙が届き、過去数ケ月同様の火災が起きていたことが発覚。ジョージアは連続放火説を主張するが、上層部の頑なな否定にあう。そんななかFDNY全体を揺るがすさらなる悲劇が…この火災捜査官という職種も例外ではなく女性軽視されてる部分があります。そういう偏見に真正面から立ち向かっていく主人公ジョージアは魅力的でした。しかし過去をひきずり続けてる部分がちょっと暗かったです。これは翻訳の差かも知れないですが、このジョージアの過去のひきずり方は途中からうんざりします。それ以外は満点に近い作品やと思う。今作で土台の出来た人間関係を次作でどう生かしてくれるのか今から楽しみです。この小説に出てくるHTA(高温助熱剤)による火災は1650度を超えるために往来の防護服を装備したとしても消防士達は3分と生きていられないらしいです。1984年以降アメリカでは同種の火災が20件も報告されてるのですが、HTAの正体や犯人は未だに謎のままです。 FDNYの腐敗やリアルな火災描写などスリリングな展開が面白い小説です。続編の【欺く炎】もかなり面白かったです。近々日記にする予定。評価★★★★(4.0)