歓びを歌にのせて
2004年 スウェーデン ミカエル・ニュークヴィスト フリーダ・ハルグレン ヘレン・ヒョホルム ストーリーは、 世界的な指揮者の主人公が、心身共に疲弊した末に引退して戻った故郷の小さな村で、純朴な人々と音楽を通じて交流を深めるうちに、再び音楽の歓びを呼び覚していく姿を描いた感動ドラマ。指揮者として成功したダニエル・ダレウスは、心身の限界を感じ、第一線から退くことを決断する。すべてを捨て、幼年期を過ごした小さな村へとたった一人で戻ってきたダニエル。ここで静かに余生を送ろうとしていた矢先、地元の聖歌隊を指導してほしいと頼まれる。最初は抵抗を感じたダニエルだったが、音楽を楽しむ彼らの姿に心打たれ指導を引き受ける。素人ばかりの彼らが心から音楽を楽しむ姿に触れ、次第に彼自身も音楽の素晴らしさを改めて実感していくのだった。 本国スウェーデンで大ヒットし、2005年のアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた感動ドラマ。今までスウェーデンの映画って観たことあったかなって思ったけど記憶がないです。そんなスウェーデンで大ヒットしたって事で凄く興味がありました。スウェーデンの人たちがどういう映画を好むのかって楽しみにしてました。世界的な指揮者という事で肉体的にも精神的にもプレッシャーが凄いんでしょうね。自分自身で限界を感じ指揮者を引退し、幼年期を過ごした村へと帰るのですが、ダニエルにとってこの村での思い出は決して楽しい事ばかりではないのです。イジメられてた事もあるから、なぜ今になってこの村に帰ってきたのかって最初は疑問やったんですよ。でもラストまで観ることによってその意図的な事も分かります。この小さな村はキリスト教を信仰してる村なんですが、牧師などはダニエルが何か村に不利益な事をすると思って監視をするし、奥さんをスパイとして送りこむしまるで異教徒を扱うようでしたよ。確かにダニエルが村人達に教えてる事と教会で歌う賛美歌は似てるようで全く違うものです。音楽は人を繋ぐっていうけど、ダニエルの情熱が村人を一つにまとめていきます。そうやってダニエルの元に村人が集まると自然と教会には人が集まらなくなってしまいます。もう追いつめられた牧師はビックリするような行動をとるのですが、それは観てのお楽しみ。この映画には好きなエピソードが2つあって、1つはダニエルとレナの恋の行方。レナはいつも男に騙されてるのですが、村人達の一部は彼女の事を娼婦のように見ています。ダニエルはレナの本質を見抜いて彼女に好意を抱くけど、こういう恋には山あり谷ありです。そして2つめは旦那の暴力によって自分を表現出来なくなったガブリエラの事。練習に来るたびに体にアザを作ってるぐらい暴力をうけています。そしてその暴力旦那が昔ダニエルをイジメてた男なんで話は複雑になってきます。ガブリエラの歌声が美しい事に気付いたダニエルは彼女にソロパートを歌わす決心をするが・・・。音楽というものは人を繋ぎ、人を動かすパワーになりますね。こういう音楽をベースに作ってる映画ってほんまに面白いのが多いです。またスウェーデン映画があれば観てみたいって思いました。評価 (3.4)