将棋ソフト参戦
ネットの新聞記事で、個人的にちょっとおもしろいなと思う記事を読んだ。現在、開催されている将棋のアマチュア竜王戦に、コンピュータ将棋ソフトが特別招待されて出場しているというのだ。なんでも、そのソフトの開発者が「同行」していて、対戦相手の前に座り、横にソフトを入れたPCを置いて、対戦相手の差し手をPCに入力して、PCが返してくる手を開発者が対戦相手に差す・・・つまり開発者は通訳のような形、で対戦したということで、2人の対戦相手に予選リーグで勝った後、本戦でベスト16にはいっているそうだ。但し、このアマ竜王戦の優勝者と準優勝者は秋のプロ竜王戦の予選に参加できることになっているが、このソフトは特例の出場のため、もしもこのソフトが優勝・準優勝してもプロ竜王戦には参加できないらしいが、おもしろいなと思ってこの記事を読んだのだ。実は私は将棋が好きなのだ。ほんの小さい時は、将棋板と駒で遊ぶと言えば、ひょこ回りかはさみ将棋と決まっていたが、ある時に父が本将棋を教えてくれた時から一時は将棋がマイブーム。一旦ハマるとなかなか抜けられないたちなので、それからしばらくの間はNHK教育テレビでやっている将棋の試合を見るわ、詰め将棋の本を買ってきてあれこれ考えるわ、美濃や矢倉といった玉の囲いを覚えようと必死になるわ・・・一人で大騒ぎである。おもしろくなってきて、父や弟に「将棋しよ、しよーな」と誘いをかけても「いそがしいっ」とだんだんうるさがられるようになってしまい、そのうちに詰め将棋だけではおもしろくなくなって、あまりすることはなくなったのだが、今でもロンドンの自宅にちゃんと将棋板と駒はあるのだ。しかし、はっきり言っておくが、私の将棋はめちゃくちゃ弱い。(爆)一度、高校の修学旅行のバスの中で、将棋が好きだった同級生に闘いを挑んだら二十手ほどで負けを喫するという大恥をかいてしまい、それからは「将棋が好きです」と人前で言うのはちょっと控えてきたのだが、今でも将棋は大好き。実家に帰ると、父がPCに入れている将棋のソフト相手にがんばってみるのだが、ソフトは強い。(笑)チェスにもこのようなPCのソフトはもちろんあるが、ある時、どこかのコラムで読んだ話が今でも印象に残っている。チェスでプログラムと名人が試合をした場合将棋でプログラム対名人が試合をした場合この2つを比べると、プログラムが勝てる率はチェスのほうが高いのだそうだ。もちろん、こういうことの統計のために、どのくらいたくさん勝負され、どのくらい正確に出された結論なのかは私にはわからない。しかし将棋でプログラムが人間に負ける率がチェスより多いのは、将棋には「待ち駒」という「その一手が純粋に単なる待ちにしかならない手」があり、それをプログラムが読み切れないからだというのだ。「この一手は『待ち駒』で行く」という判断は人間だけができるもので、どの一手も必ず勝ちに行く計算の一手でなければならないプログラムである将棋のソフトにはそれが読めないというのだ。また、同じ意味で「捨て駒」という戦法もやはり将棋ソフトには読めない、人間特有の戦法だと言えるだろう。(とは言っても「捨て駒」を用いるのは詰め将棋がほとんどではないかと思うが)そういうことで、現在のアマ竜王戦の将棋ソフトはこの先、いったいどの程度の位置まで来られるのか、ちょっと動向を楽しみにしているのである。