告白とヒール
ハイヒールのかかとが折れるなんて映画かドラマだけの話とそう思っていました昨日までは昼は水色の空にうすい雲が刷毛のように流れるそんな日の夜彼女と会いました彼女の頬は輝くようなピンク色に染まって唇はふっくらとつややかに瞳はやさしく冷たい風にさらされた乱れた髪までが美貌を引き立てておりました仕事先で出会って少数派の女性経営者の中でポリシーはしっかりとあるもののさっくりした話のできる人すぐに意気投合しました昨日は「仕事抜きで食事でも」ということで落ち合ったわけです女同士の会話とくれば「恋バナ」いくつになってもやめられない資産 仕事 家族 美貌女性の幸せの何もかもを独り占めしているように見える彼女聞くととても辛い恋をしているそう話している間につっーと目から頬に涙が本人は気がついていない様子逢いたくて切なくて想いがあふれてぜったいに結ばれることのできない相手「あきらめなくてはいけない」と自分に何度も言い聞かせているのだけれどそれでもそれでも焦がれてしまう煉獄の苦しみだとこのころにはもう彼女の唇は震えてどうすることもできずただ黙って聞いていることしかしばらくの沈黙の後「実はわたしが好きなのはあなたなの」・・・・・・・・・・他人事と思っていたわたしはふいうちをくらって椅子から転げ落ちそうにその時にヒールが机の隙間にはさまって折れたんですこの先わたしはどうやって彼女と接していったらいいのでしょう先月は取引先の事務の女の子にでぃーぷなラブレターをいただき女子高時代を思い出します交換日記をねだられたりバレンタイン・デーに後輩にチョコや手作りのお菓子いただいていました下駄箱に入れてくれる奥ゆかしい子もいましたが靴の中に入れられた時にはちょっと閉口