シンガポールの旅(5) ノスタルジックな街
いよいよシンガポール旅行も最終日です。今日は、シンガポールの中でも、ノスタルジックな街を訪ねます。それは、「アラブ・ストリート」と「リトル・インディア」です。「アラブストリート」は、19世紀頃にアラブやブギス(インドネシアの海洋民族)の商人たちが、香料・コーヒー豆・砂金・真珠などを運び込み、商業の街として栄えたところだそうです。ダウンタウンの北東にあり、私たちのホテルからはタクシーで10分ほどで、「アラブストリート」の入り口に着きました。通りの奥には、イスラム寺院の特徴ある丸い屋根が見えます。Singapole 2005-14 posted by (C)Naoここのメインは先ほど屋根が見えたシンガポール最大のイスラム寺院「サルタン・モスク」で、そこに通じる「アラブ・ストリート」、「ブッソーラ・ストリート」、「カンダハール・ストリート」の3つの特徴のある通りがあります。特に、上の写真の「ブッソーラ・ストリート」は、並木がきれいな南国情緒あふれる通りです。狭い通り沿いにはエスニック雑貨、籐製品、アラビア絨毯、バティック、ソンケット、テキスタイル、宝石、アクセサリーなど、イスラムに関連したお店が軒を連ね、見ているだけでも結構楽しいところです。また、マレー・インドネシア料理のお店やカフェも多く、「ムスリム(=イスラム教徒)」の文化や生活が感じられるエリアです。実際にここを歩いていると、イスラムの衣装を着たマレー系の女性をよく見かけます。イスラムの街を後にして次に向かったのは、すぐ北に位置する「リトル・インディア」です。「リトル・インディア」は、「セラグーン・ロード」という通りの両側に沿って広がる、文字通りインド人街です。ここに行くと、サリーを着た女性や、白いインド服を着た男性の姿が目に付きます。お店にはさまざまな香辛料が並び、音楽もインド系の独特な音楽が流れています。この街は、1820年代頃から、イギリスの植民地政策で、南インドから移住させられた人達が住み着いてできたそうで、インドの伝統・文化を守り続けて、今に至っています。ここにいると、香辛料の強烈な匂いに包まれて、本当にインドに迷い込んだ感じがしました。この「セラグーン・ロード」を進んでいくと、ヒンズー教の寺院が見えてきます。「スリ・ヴィラマカリアマン寺院」で、入り口上部には特有の「ゴープラム(神々や神聖な動物の牛などを彫ったもの)」があり、光り輝いています。寺院の中は、大勢の熱心なインド人信者が、お供え物などを持って、礼拝に来ていました。Singapole 2005-6 posted by (C)Naoこの通りは、それほど長い通りではないので、店を覗きながら歩いて見て回れます。インド系のあらゆるグッズのお店が入っている、「リトルインディア・アーケード」や激安デパートの「ムスタファ・センター」などで買い物をすると良いようです。私たちも、ここでいくつかシンガポールのお土産を買い込みました。ムスタファセンターには両替所もあって便利でした。さて、次に向かうのは、「シティー・ホール」、「マリーナ・エリア」です。そこへ行く途中で見たのは、シンガポールを代表するコロニアル形式の「ラッフルズ・ホテル」です。ラッフルズホテル posted by (C)Naoここは、1887年にアルメニア人の富豪の兄弟によって作られたホテルで、その後世界中の著名人や旅行者を魅了してきたホテルです。あのチャップリンや、サマセットモームと言ったVIPも訪れているようです。私たちは外観を眺めただけですが、白亜の建物が優雅な雰囲気を醸し出しています。ホテルには宿泊者以外は入れないようですが、レストランとショッピングエリアには出入りできるようですので、次回は是非入ってみたいと思います。「ラッフルズ・ホテル」を跡に、「シティー・ホール」を過ぎるとそこは「マリーナ・エリア」です。シティー・ホール周辺には歴史的な建物などの見所がたくさんありますので、時間があれば端から見て歩くといいのですが、あまり時間がなかったので、私たちは直接「マーライオン・パーク」へ向かいました。「マーライオン・パーク」は、シンガポール側の河口の、海に面した場所にあります。おなじみの白い「マーライオン」が、海に向かって勢いよく水を噴き出しています。マーライオン posted by (C)Naoそのすぐ後には、かわいい「ミニ・マーライオン」もいて、これまた水を噴き出しています。「マーライオン・パーク」のすぐ後方には、「シェントン・ウェイ」と呼ばれる高層ビルの林立するするエリアがあり、ここをバックに写真をとっている人も多かったです。その「マーライオン・パーク」から、「エスプラネード橋」を渡った先にあるのが、「エスプラネード・シアターズ・オンザ・ベイ」です。Singapole 2005-7 posted by (C)Naoこれは巨大なシアター・コンサートホールで、イタリアの「オペラハウス」を模して作られたんだとか。外観が似ていることから、地元では「ドリアン」と呼ばれているようです。「マーライオン・パーク」からシンガポール川にかかる「アンダーソン橋」を渡ると、そこには緑の多いエリアが広がっていています。そこにあるのが「ビクトリア・コンサートホール&シアター」の白く美しい建物です。正面には、近代シンガポールの父と言われる「ラッフルズ卿」の像があります。Singapole 2005-8 posted by (C)Nao再びシンガポール川に戻り、さらに上流方面に向かいます。そこは「ボート・キー」と言われるエリアで、オープンエアーのレストランやパブが川沿いに広がっています。さらに最近では、その上流に「クラーク・キー」と呼ばれる、新しいライブ・エンターテイメントエリアが広がっているようです。このあたりは、夜に川の涼風を受けながら、ゆっくり食事でもしたい、そんな場所です。Singapole 2005-9 posted by (C)Naoさて、もうそろそろ帰る時間となってきました。私たちは夕方の飛行機に乗るため、一番近いMRT(地下鉄)の「ラッフルズ・プレイス」駅まで歩き、そこからホテルのある「ニュートン」駅まで乗りました。MRTは、もちろんこれが最初で最後の体験です。ホテルに着いて、荷物をピックアップし、そのままタクシーでチャンギ空港へ向かいます。空港までは、「イーストコースト・パークウェイ」と言う快適なハイウェイを通ります。この道路は南国の雰囲気が漂うとても爽快な道路で、このままもう少しシンガポールにいたいと言う気持ちにさせられます。Singapole 2005-10 posted by (C)Naoシンガポールは、私が思っていた以上にきれいな都会で、また魅力のある国でした。香港とはまた違う意味で、旅行も暮らすのも楽しそうな、そんな印象を持ちました。今回の旅行は忙しく歩きまわったので、みんなちょっと疲れ気味でしたが、きっといい思い出となるでしょう。