花の画家 ルドゥーテ『美花選』展
Bunkamura ザ・ミュージアムのルドゥーテ展、ジヴェルニーの画家たち展の時に早々に前売りを買って待っていたわりには、やっと行くことが出来ました。ルドゥーテといえば「薔薇の画家」として有名ですが、薔薇はもちろん、百花繚乱、どの花にも愛情と精緻な観察眼が向けられ、そして精巧な博物画であると同時に、美しいアートでした。今回の展覧会は、当初はべラム(子牛などの皮)に描かれた水彩画を中心としたものになる予定が、震災と原発事故の影響で貸し出しを断られたらしく、内容が大幅に変わりました。でも、3回目の開催となるBunkamuraのルドゥーテですが、私は初だったので、むしろ銅版画中心の、集大成的な展示は嬉しかったです。もちろん、さすがベラムの水彩画は、発色も筆遣いも垂涎だったです。植物図譜には、ガクやめしべ、おしべなど、まるで部品のようにパーツに分かれた絵が添えられていて、植物の部分の美やおもしろさも興味深かったです。そしてルドゥーテと言えば、薔薇の歴史に欠かせないナポレオン妃ジョゼフィーヌと、宮殿マルメゾン。一角には宮殿を再現したコーナーありました。会場のイスも今回はパステルカラーのサテンのカバーがかけられていたり、ビーズ刺繍の田川啓二さんの、ケーキみたいに可憐なオートクチュールドレス(刺繍部分をオペラグラスで拝見したら、ため息が出るほど美しかったです)の展示があったり、薔薇の香りの演出など、多角的な様々な楽しみが。そして、いつもBunkamuraの図録は、印刷がよく内容豊富で、お値打ちなのですよ~