新・ねこ的生活　『ミー・ムー・メイ・ラリー・太郎』飼いネコだったネコ達の名前！　

[山登り・キャンプ・蚊（痒～い）・旅行] カテゴリの記事

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• 蚊・・・痒～～いお話し　　vol. 2

  　　蚊・・・痒～～いお話し　　vol. 2　何時かの日記で山登り中の出来事を書いたが、千葉の某海岸でキャンプしている時にも『蚊』の大群に襲われた事がある。自転車にキャンプ道具を積み彼女と出かけた時の事です。二泊三日の予定で久里浜からフェリーで千葉に渡り快調に海岸沿いを走りキャンプを張りました。天候快晴、波・風穏やかにしてまことに気分良く「モンクナイ　モンクナイ」といいつつ飯を喰い酒を飲み早い時間に酔ってしまいテントに入っていた。「ザザザッザッザッ」とテントを激しくたたく音に眼が覚めた。その時には、ぼんやりと風が強いのか？と思ったが、違った。体のアチコチが非常に痒い。横にいた彼女さんも「ウゥー　痒い痒い」と言い暗いテントの中で体を掻き毟っている。クワァァーーーーーンブゥゥゥーーーンワァーーーーン　ワァーーーーン数匹ではない、大量の蚊がテントの中を飛び廻っていた。「ザザザッザッザッ」テントを叩く音は強風が砂を飛ばした音ではなく、「蚊」大群だった。酒に酔ったバカ頭でテントが風にバタついていない事とテント内の「蚊」の異常発生で、コレは蚊柱もしくは「蚊」の集団移動する「蚊道」のような所にちょうど当たってしまったんだろうと考えた。彼女さんは、もう狂ったようにムヤミヤタラニ襲ってくる「蚊」にパチパチと手を叩き戦っていた。オレは、ヘッドランプを点け蚊取り線香を探した。襲ってくる「蚊」を犬のように体を震わせながら防御しつつ火を点け臨戦態勢をとった。狭いテントの中は飛来する「蚊」と激しく立ち上る複数の蚊取り線香、そしてパニックに陥った二人で阿鼻叫喚の地獄絵図である。テントの外にでる事を考えたがテントを叩く「ザザザッザッザッ」で判断すると全身「蚊」に刺されまくりショック死を起こしそうな予感がしたので戦いの場をテント内と決め全面抗争を決意した。あっという間にテント内は蚊取り線香の煙が充満して息苦しい。煙ったテントの中をサーチライトのようにヘッドランプが走り、無数の「蚊」を追う。戦時中の戒厳令下のようである。蚊取り線香に意識を失った「蚊」が、もがきつつ落下してきたのを足で潰し、動きの鈍くなった「蚊」を手で叩く。気を付けなければいけないのは、テント内の蚊取り線香の濃度は天井近辺は濃密であるが床のほうは希薄である事だ。つまり上空を飛んでいた「蚊」は濃密な煙にやられ失神するが落下し呼吸が楽になると再び息を吹き返してしまう。どの位の時間が経過したかわからなかったが、テントを叩く「ザザザッザッザッ」音が無くなり、テント内も静かに立ち昇る蚊取り線香だけがあった。勝った！勝ったのだ！生き延びる事が出来た！ゴホゴホと蚊取り線香に咽ながら彼女と手を取り勝利を喜んだ。数匹の「蚊」がまだテントの中を飛んでいたが、圧倒的に床の上に潰された死骸に満足だった。オレの手も彼女さんの手も激しい戦闘を物語るように「蚊」の死骸と血糊でネトネトしていた。夜中の海に飛び込み火照った脚・腕・肩をいつまでもいつまでも冷やした。テントに戻るのが恐ろしかったので朝まで砂浜の上で座っていた。「しかし、アノ大量の蚊は一体どこから侵入してきたんだ？」「テントだってフライシートはしてたし防虫ネットもしっかり閉じていたのにね」彼女さんは痒み止め軟膏を手に取り体のアチコチに擦り込みながら言った。「忍術使いの『忍蚊』かもしれないぞ」そうだ！アレは『忍蚊』だよ。「まさか、そんなのいるわけ無いでしょ！アレはテント内で突如発生する『テント内突如発生床蚊』よ」『テント内突如発生蚊』なら学名的にも頷けるが、どうして床蚊なんだ？「だって、そうとしか考えられないもん」そうか・・・そうだ！「『そう蚊』あるいは、『あれ蚊』かもしれないぞ」二人は夜明けまで無邪気に語尾に『蚊』をつける『ナンデモ蚊会話法』で遊んでいました。「そろそろ寝る蚊？」「イヤよ！眼が冴えているから、これから『散歩に行く蚊』」「そうする蚊・・・」　　今になって思い返してみると、あの時の『蚊』は『ヒトスジシマ蚊』か『アカイエ蚊』ではなかったか？蚊学者として開眼してしまった今、サンプルの持ち帰りをしなかった事を悲しく思う。ＰＳ：血を吸うのはメスです。オスは血を吸いません。ヤブカの飛ぶ速さは、時速8km─風速2m以上になると風に向かって飛べなくなるですよ。友人の『右脳開発・フラッシュ暗算』目からウロコよん♪そろあん へジャンプ新・ねこ的生活（メインのＨＰ）へジャンプ

  2005.01.10

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• 旅

  ここ最近は忙しくノンビリ優雅な旅というのが出来なくなった。自動車・新幹線・飛行機。その気にさえなれば、短時間で日本全国どこにでも行くことが出来る。朝目がさめて、昼メシにイカソーメンでもくいたいなぁ、なんて思っても昼には北海道に着くことが出来る。国内ではたいがいの地域が近くなり便利になった。時間をお金に換算しているわけだよね。旅本来の楽しみ方というのは、景観を楽しむのと同時に「食」「時間」も存在していて、そんな中で如何にノンビリ出来るかが一つの醍醐味ではないかと考える。しかし、長期休暇はGWやお盆の時期であって日本国民あげての民族大移動が始まり渋滞に泣き、混雑に泣き精神的にヘトヘトになる。　時期をずらせばTVニュースでながれる渋滞・混雑の映像をビールなど飲みながら「イゾッイイゾッその調子でドンドン混み合って、あと二ヶ月ぐらいそのままジーッとしていなさいね。そんでもってそのまま化石にでもなっちゃいなさい」とホザキツツわらっていられる。　まぁ、これは民族大移動時の特別期間であるが、通常であれば自動車にしろ電車にしろ大変便利なものであるのに違いない。ゆっくりした時間の取れない中では、船旅がもっともリッチであろう、濃密な時間を過ごせる。太陽や月、星と同調できる。ちょっと乱暴な意見であるけれど飛行機を使った短期間の旅行なんてのは、時間を楽しむ事、景色を楽しむ事に関してはプアーである。　最高にリッチなのは時間を気にせず自分の時間で移動することだと思うのね。　かの、アインシュタイン博士も時間は相対的なものであると･･･。そこで、突然であるけれど、この夏は限られた休暇の中でいかにノンビリ出来るかを実験するために伊豆一周徒歩旅行を計画した。旅の主題は「晴耕雨読」。　日の出とともに歩き出し日没したらメシを喰い酒を飲む。雨が降れば日がな一日をテントの中で本を読んで過ごす。テントを打つ雨音をBGMに、ワインを飲みつつどこまでも柔らかく、どこまでも優しく過ごすのだ。う～ん、お洒落だ。それに、日中歩いていて暑さに挫けそうになったら、基本的に伊豆半島一周の旅だから片側に海がドドーンと控えているので海水浴も出来る。温泉もあるので入ろうと思えば何時でも温泉に入ることも出来る。これほど素晴らしい旅はめったやたらに出来ることではない。あぁ楽しみだな。何年か前の夏の旅を前に書いたのが出てきたので、日記に載せました(^^)ニコ友人の『右脳開発・フラッシュ暗算』目からウロコよん♪そろあん へジャンプ新・ねこ的生活（メインのＨＰ）へジャンプ

  2004.12.18

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• バカ　キャンプ

  ｢よくない！｣　ドンッ！（机をたたく音）この際であるからチョット乱暴かもしれないが言い切ってしまのだ。ナニをそんなに怒っているのかといえばこーいう事である。　交通事情の悪い日本で、交差点も容易に曲がれない程の大きな車にキャンプ道具満載でノコノコやってきて、車からバッテリーをひっぱりマイクぶっちゃきのカラオケ命。お決まりの花火大会。｢フザケルナ｣と言いたい。車から下ろすキャンプ道具は、ドレもコレも大手スーパー特設キャンプ道具売り場で買ってきたものばかりで何の工夫も無いのね。　姿格好なんかも、アウトドアー雑誌から抜け出てきたような、カタログ人間ばっかりでキャンプ場にいるだけなのに重装備している奴らだ。一番滑稽に見えるのは、大型ナイフですね。キャンプ場内の受付に行けば街のコンビニに近いぐらいの品揃えがあるというのにドーシテ腰に大型ナイフなんぞぶら下げなくてはいけないのだ。バカめ。ジャングルのサバイバルじゃあるまいし、どうせナイフの使い道なんてレトルトパックを開けるか、ジャガイモ切るぐらいのくせに、バカ丸出しである。一度は、ワイヤーソー（のこぎりのワイヤー版）をキャンプ場で持ち歩いているのを見た。　滑稽姿を見てオレが不快な気分になるだけならば少し許せるが、｢ヨクナイ｣事の本命は次の事である。流し場でコレデモカと言うぐらい洗剤をガバガバ使い、水は流しっぱなしで野菜の切り屑は放置したままである。最近のオートキャンパーは家庭生活をそのまま持ち込んでしまうから流し場はグチャグチャにされてしまう。まな板に鍋、包丁、菜箸ゼーンブ散らかしたままなのである。共同の流し場であるはずが占有になっている。ハァハァハァ。　コーフンしてきた。自然の懐を借りて、遊ばせてもらっているのだからキャンプに行った時ぐらい自然保護・自然尊重を優先しなさい。都会の喧騒から逃げてきたのにかかわらず普段の生活の中で「静寂と夜」に慣れ親しんでいない為に自然の中に溶け込む事が恐ろしいのである。静寂といっても屋内の作られた静寂であり、夜も明るい夜しか知らない。「自然は見るものに対しては、惜しげもなく全てをさらけ出すが、見ないものに対しては何ひとつたりとも絵葉書ほどの物も見せない」ということを認識した方が良いと思う。今後の充実したキャンプのために･･･。 友人の『右脳開発・フラッシュ暗算』目からウロコよん♪そろあん へジャンプ新・ねこ的生活（メインのＨＰ）へジャンプ

  2004.12.09

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• 山登りの楽しみ方デス

  紅葉の時期も終わり初冬の山登り、というよりも低山ハイク。落ち葉をカサコソ踏み締め、小さな陽だまりに暖をとりながらノンビリ歩く・・・景観のいいところで、ふぅーふぅーしながら熱々のコーヒーを飲む。ユッタリした大人の時間。なんて情緒があってイイのだろう！　　だけどね、　事実は違うんだもんね。　ホントは落ち葉を踏んでもカソコソなんて音はしないし、岩に張り付いた落ち葉を踏んで足をスベらせたり、陽が沈むのが早いから、お昼も過ぎちゃうと急にハヤクハヤクの気忙しい山歩きになるのですね。夕方の三時ぐらいに下山できていれば余裕もあるけれど、六時七時ぐらいだと気温も急激に下がり、あぁ～手袋持ってこなくて大失敗。とか、フリースか毛糸の帽子持ってくるんだった等の後悔をする事になる。　オレは、昨年ソレでとっても辛い思いをした。発作的に山に行こうとおもい、適当に必要なものをザックにいれ西丹沢に行ったが、下山した時にはバスが出てしまい丹沢湖沿いに四～五時間ほど歩き山北駅まで行った事がある。この時は「大人の男は、秋を肴に山でホットウイスキー！」というのを思いつき、コレはお洒落だ！とやったのだが、飲みすぎた事が敗因だった・・・山での酒は非常に美味しく、ノンビリ楽しめるが、オレは失敗ばかりしている。冬、八ヶ岳に朝日を見に行こうとテント担いで行ったが、案の定飲みすぎてしまい朝日なんて見れずに二日酔いが抜けた頃には夕日で、ナントモ悔しかったが、友人達にオレは夕日を見に行ったんだよ！とムキになったことも・・・止められないんだよね、山登り。

  2004.12.06

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• カニカニカニカニカニカ笑い　vol 3

  大鍋にはすでにタップリとお湯が沸きあがっており、いつでもいいわよ！状態である。炊事班長が軽やかな手つきで包丁を握っている中、我々は６kgもの小山のように積み上げられたカニに宣戦布告し一心不乱に喰っていった。皆がカニ脚を一つ一つしゃぶっていくのを横目にオレは食べたいのをグーーッと鉄の意志で我慢し、コッフェルにカニの身を削いでいった。脚にしゃぶりついたり、見を削がれた殻はダシを取る為に大鍋の中に吐き出されたり、投げ込まれる。ムシャムシャウグウグプハァーーーー。シアワセそうである。本当にシアワセな時と言うのは案外会話なんて要らないのかもしれない。太陽が大きく傾いてきた頃にオレのコッフェルがカニの身で一杯になった。酢をドボドボかけてササーーッと醤油で蚊取り線香を描いて、レモンをひと絞り。　箸で軽く身を崩さないようにデリケートにかき混ぜ、大きく箸を開き大胆に口に運んだ。遠く深い北の海の潮の香りと淡白でありながらも自己主張の強いカニの味が口一杯に広がる。「筆舌に尽くしがたい」とはこの事である。プロの作家であれば「筆舌に尽くしがたい」何てことは言うべき事ではないが、オレはいいのである。アマチュアなのだから。少しだけブンガクしたような表現になってしまったが、簡単にいってしまえばとにかく「美味い」のだ。酢をかけ過ぎたのか、酢にむせて咳が出てカニを吐き出しそうになったりしたが、吐き出してなるものかと格闘しながら飲み込んだ。大鍋にはダシ用のカニ殻が溢れんばかりに投げ込まれ完璧にダシを抜かれている。「はぁーーい。じゃあ、殻を取ってくださーーーーい。」炊事班長は我々に指示を下し鍋の中に「ごっこ」を投入した。パッと見で10万個はありそうな「ごっこ」の卵が鍋の中で激しく踊った。続いて野菜・ソーセージ、味付けに味噌。三分の一ほど残っていたカニも投入され、これ以上豪華な鍋はこの世に存在しないだろうと思われるほどのオールスターで作られた。手持ちの味噌の量が少なく少し薄味であったがスープはカニのダシが良く出ていてとても美味かった。月明かりの中、鍋をつつく事になった。根本的なナニかが違っていたのであろう。具を掬い食べてみるとどうにも「？」なのである。プチプチの軽い歯ざわりの卵もゼラチン質の「ごっこ」の身もひどく生臭い。一度壊れた味はなかなか戻らない。手を出せば出すほど姿も味も酷くなっていった。「ごっこ」は本来もっと実力のある魚に違いないが、今回は俺らのムチが災いしてスッカリ悪者になってしまった。ゴメンネ「ごっこ」君。 鍋は最悪の出来だが、焚き火が気分良かった。オォーーーラ　ドンドン　燃えろ燃えろ！天まで焦がせオラオラオラ・・・波の音・巨大焚き火・良き仲間。酒のツマミでは文句なかった。どこまでも果てしなく深く深く酔っていきました。

  2004.12.03

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• カニカニカニカニカ笑い　（副題：　ごっこ地獄）vol.2

  　毎度毎度、なが～～～い文でヾ(^-^;) ゴメンゴメンイヤがらずにお付き合い下さいね 　今回テントを設営した場所は、西湘バイパスの高架下で車の音が少しうるさかったが光る海が目の前にドォーーーンと広がり浜風が気分良く立地的にはＡランク。「ナロー、気分良すぎるなねぇーか」プシュッ、ウグウグ　プハァーー皆でニコニコ笑いつつビールを飲んでいると、炊事班長が「ハイ焼けましたよ、焼きすぎる前にドンドン食べてね」とこれまたＡランクの肉、そして野菜を網に乗せている。　この肉が素晴らしく美味くて美味くて、まったく申し訳ないぐらい美味かった。「輝け！ビールのつまみ」グランプリをやった場合、網焼きの牛肉が一番だな。皮がパリパリに焼けたウインナーを喰ったときも「よしよしウインナー君、ビールのつまみは君が一番だよ」等とほざいていた。ピーマン・玉葱・長葱・ジャガイモは網焼きの中では控えめに準主役に甘んじているようだけれど、かなりの実力があるのだ。網の上で牛肉やウインナーは「ねぇ、ア・ナ・タ～ン。早く私を食べて今が食べ頃なの。早く早く」と存在は堂々としているわりは、どこかに脆弱さを感じてしまう。その点、野菜たちは寡黙に、しかも網のスポットライトのあたる中央部から遠く離れた隅っこに追いやられても不平不満を一切言わずに耐えている。「賢者は多くを語らず」とか「能ある鷹は爪隠す」といった格言を思い出させる。喰えば分るが上品な甘さが焼き野菜の醍醐味なんだろうね。「野菜もエライエライ」　ところで、今回のメインのカニはいつ喰うの？ねぇ、炊事班長。炊事班長は「う～ん、お風呂に入ってサッパリしてからね」と意味不明なことをほざいている。　「銭湯なんか何処にもないけれど、どこかに知っているところでもあるんかい？」「ホラ、あそこ」と指差すところは海である。確かに天候穏やかにして、気分はいいけれどまだ3月だ。少し酔ってはいたが、炊事班長は脱衣場で服を脱ぐように鼻歌を歌いながら服を脱ぎ「垢すり」を持ち悠然と波打つお風呂に向かった。「おいっ、待てよ。オレも風呂に入るから」服を脱ぎ、パンツ一枚になり足をそーーーっとお風呂に入れてみる。「・・・・・・・」　よく、熱過ぎる風呂や、湧き上がる前に待ってられないから入っちゃおナンてことがあり、「はっマズイ」と思い息を止めたままフリーズしてしまう事があるが、まさにソレである。波立つお風呂である。息を止めフリーズ状態でいても大波小波がドドーーーンと押し寄せる。「ヒエェェェェェェーーーー 」炊事班長は既に肩まで浸かり「垢すり」でゴシゴシやっている。負けるもんか！と頭から飛び込んだ。「ビボバベビェェェーーーブボッ」砕け散る波の音と、オレの悲鳴の「は行の濁音発音」が波の中で交差した。初参加の青年Ａは目を白黒させていたが、先輩達が優雅？にお風呂に入っているのにボクは傍観者でいられないと水泳インターハイ出場の実績を大声で叫びつつ飛び込んだ。すぐさま沖に向かいクロールするあたりが、インターハイ自由形競技出身者らしい。「えーい！かえる泳ぎ」じゃない、平泳ぎにせんかい！アレヨアレヨという間に沖に出てしまうので、ココは潮流が激しいし第一に遊泳禁止場所で危ないから戻るように指示して、引き戻した。三人で仲良く「やはり手足を思いっきり伸ばせるお風呂はいいね」などとほざきつつゴシゴシやり岸辺に平行に泳いだりしてお風呂と2004年度初泳ぎを完了した。その頃、天才かまど作りのＫは「ケッ、寒いのに海なんか入ってられるか。ざけんじゃねぇーーよ」と焚き火にあたりタバコを吸っていた。　風呂から上がりサッパリしたところで「サザエととこぶし」を焼き飲み直した。これから怒涛の宴会に突入である。　　　　　　　　　　　　　　　つづく

  2004.12.02

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• カニカニカニカニカ笑い　（副題：　ごっこ地獄）

  副題「ゴッコ地獄」　3月13・14日。2004年度　「春期強化合宿」。風も「硬さ」が取れ「柔らかく」なり、春風に誘われキャンプをする事にしました。　朝、九時。横浜駅はモアーズ前に参加メンバーの大幅な減少はあったものの四人の男が集まり、簡単に初参加のA君の紹介を済ませ、雲一つない快晴の空が文句あっか？といっているのを四人で「モンクないモンクない。明日もこの調子でお願いします」といいつつ、しばしJR東海道線のグリーン車に乗りビールと珍味片手に小田原へ。海に朝陽が反射しキラキラと眩しい。　自分の名刺でトランプが出来るほど、いろんな肩書きを持つAが「いやはやなんともね～」　かまど作りの天才Kは「どうにもね～」　初参加のA君は「眠いです」　ボクは「疲労がとれないのよね･･･」快晴の天気には申し訳ないぐらい静かな始まりであった。小田原での魚の買出しは毎回決めている魚屋だ。メインの蟹はすでに6kg購入してあるのでサザエ・トコブシを中心に買い、各自好きなものを選んでいたら「ごっこ」なる魚が鍋に最高！と書いて売っている。今までに見たことも聞いた事もない名で容姿もぷにぷにくたくたとした一見「あんこう」に似ていなくもないものであった。魚の場合は、一見「ギョッ」とするような物に案外実力のある場合が多いから侮る事が出来ない。「おじチャン、コレどうやって食うの？」「裁いてあげるからね、味付けは味噌でも醤油でも旨いよ。あとは鍋に入れるだけ」「フ～ン、じゃそれも頂戴」ここで、賢明な読者には参考資料としてこちらを見ていただきましょうhttp://www.naxnet.or.jp/~fukui/gokko.htmこんな魚です。魚屋のおじチャンは卵が旨いんだよ、とも言っていたが、オレ達が買ったのはメスでナント魚体の80％ほどが卵だらけなのですね。世の中には奇特な方がいらっしゃるようで、「ごっこ」のメスの卵の数を数えたところ八万個程もあったらしい。すげえ、八万個だぜー。驚いてはいけないのだ！世の中には上には上があるもので1.3ｍほどのマンボウのメスには三億もの胞卵数があるのだ。まあ、驚きつつも魚屋を後にして500円/ｇの牛肉を1kgを買いスーパーで野菜・調味料を調達し、酒屋で抱えきれないほどの酒を買い目指す浜辺へドカドカわしらは歩く。どこから見ても決してスマートなキャンパーなどではなく、ダンボール箱をいくつも抱え、ザックにバカデカ鍋をぶら下げてのよれよれの中年集団なのだ。土曜の活気ある商店街をスマンスマンと通り抜けた。浜辺に出ると、テントの設営場所を決め薪を拾いに歩く。焚き付けようの小枝からメインになるような大木まで探さなくてはならないが、今回は男の腕でも優に一抱えはあるほどの大木を二本も見つけ（家屋の柱と思われる長さも三ｍはある）今までにないぐらい薪は潤沢に揃った。　早速、天才かまど作り人Ｋはかまどを作り火を起こした。名刺でトランプが出切るほどの肩書きを持つＡは炊事班長として食料を整理し料理に取り掛かっている。初参加のＡ君はひたすら薪拾い。オレはテントの設営。各自、すべき事をやり楽しいキャンプ生活が始まる。つづく

  2004.12.01

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• 水を飲むこと

  水を飲むこと　雪倉岳を過ぎると小桜ガ原は樹林帯で今までとは様相を一変する。ここで飲んだ水は我が人生の中でもっともウマイ。ＮＯ1である。　大きな支流でなく、細く脆弱な感じがしたがその味は、一つの淀みも脂肪も無く研きに研かれ無垢であり岩や砂、土、植物から甘味を吸収しており喉越しで崩れる事無く落ちて行く。　飲めば飲むほどに欲しくなり飽きる事が無くいくらでも飲むことが出来た。　先に進んで判ったのだが、この水は雪渓が溶けて一筋の小さな小さな流れで人工的なものに一切犯されていない処女水である。処女水処女水と叫びつつ口にしたが、ザラザラしていてあまり美味くなかった。素材がどんなに良くても研かれていなければ光るものも光らない。ということだろうか。小桜ガ原を抜けると朝日岳は目と鼻の先の距離である。　地図を読むと直登ルートのほかに、「白馬水平道」といって朝日小屋キャンプ場への近道があったので朝日岳への登頂は明日の翌朝にすることにして「白馬水平道」を行った。騙された。名前だけが「水平」の、起伏の激しい見通しの悪いところを雨に濡れながら二時間歩いてテン場についた。先着のパーティーにドモドモと挨拶しながら設営地を探す。風が強くなり雨が顔に強くあたる。ザックを降ろして受付を済ませ早く早くの猛スピードでテントを建て着替えをして一息ついた。紅茶でも飲もうとコンロを出しピストンして点火。アレレレ火が点かない、圧が足りないのか？再度ピストンする。一時的に火が点いたが、様子が変だ。火力が強くならない。種火に毛が生えたぐらいの火力なのだ。頭の周りに「？」マークを30個ほど浮かべながら試行錯誤するが、解決できない。そのうち燃焼口から燃料をシャワーのように噴き出しウントモスンともいわなくなった。　紅茶のＴ/Ｂをカップの中に入れ水を足し強引にアイスティーを作りビスケットを食べた。　問題は晩メシだ。コンロが使えなくなった今、どうしたらいいのだろう。　レトルトの五目御飯が一個あったので、水でふやかしたらドーニカなるだろうと思い30分程水に漬けておいた。食べて食べられない事は無いが、出来るなら食べずに済ませたい。しばらくの間、頭を抱え悩んだが食べるのを止めて山小屋に食事の依頼をしにいったら、　1500円との事。お願いしますお願いします、食べさせて下さい。全面的にウレシクなり、暖かいご飯とお味噌汁、豪勢なおかずで四杯も飯を食ってしまった。　コンロが噴き出した燃料で異臭のするテントに戻りヘッドランプで本を読んでいたが、目の奥・鼻の奥・喉が痛くなり、とてもじゃないがテントの中にいられない。テントを見捨てフライシートを剥がして、フライシートで屋根を作り臨時の避難所を作り夜露を防ぎ寝た。バカコンロめ！バカテントめ！　　雨がやみ風がガスを追い払うと星が素晴らしかった。流れ星がいくつも見えてこのままだと、星がなくなってしまうんじゃないかと心配になった。　朝、ポリタンのマズイ水を飲み軽装で朝日岳の頂上に向かう、広々とした頂で大の字になり10分程横になり大きく伸びをしてテン場に降りた。　ビスケットで朝食を取り、異臭のするテントを片付け歩き出す。テン場を抜けてまもなくすると夕陽が原だ、草原が伸びやかに広がり気分がいい。見上げると、抜けるような青空と白い大きな入道雲。ここにきて漸く見る事が出来た。　少年の頃に見た空と雲。　ドドォーンと力強く、どこまでも白い。近くの雲はゴンゴン流れて行くが、大きな入道雲は微動だにしない。ヨーシヨーシイイゾイイゾ。俺、おまえの事好きだかんね。夏の、空の、大きく自己主張する入道雲。俺の、この夏の旅は成就できた。完璧である。明日からは、また知り過ぎた毎日が始まるのだ。今日はイブリ山を下り北又キャンプ場に下るだけだ、ブナ林の中を即興の「ビール音頭」を唄いながら下った。途中、何匹かの蛇を見た（60～70cm）ほどの大きさでスルスルと滑るように草陰に隠れた。まもなく北又小屋に着き北又キャンプ場に設営した。明日は舗装の峠道を4時間ほど歩き朝日小川湖というのだろうか、よくわからないけれどそこまで歩くだけなので最後の夜は泥酔するまでビールを飲んだ。川辺に下りてシャツを脱ぎ裸になり水をかぶり、足を川に入れて空の高いところにある入道雲をいつまで見ていた。

  2004.11.25

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• 登山家現る　vol 　5

  ナンノナンノ　03：00に起きた。ビスケットに紅茶で簡単に食事を済ませ03：40には歩き出した。本日の行程は一昨日のまったく逆走である。　ヘッドランプの鋭い光軸が闇夜を切り裂く。朝早いパーティーなどは02：00頃より起きだしてゴソゴソ準備に取り掛かっている。テン場をすり抜けながら朝めしを食っている人や、テントを畳んでいる人の横を「オハヨウゴザイマス、オサキニー」と声をかけて行く。うーん何ともいえない優越感がある。ザックが体に馴染んだ頃に「不帰ノ嶮」に取り付いた。まだ辺りは暗いので一歩一歩慎重に手がかり足がかりを見つけ三点確保で通過する。一度通過したところなのでナンノナンノマケルモンカ、とガシガシ歩いて行った。　先のほうにヘッドランプの明かりが見え隠れする。オレは単独行だが孤独じゃないと思うと気持ちの奥のほうが安心する。唐松岳の方を振り返るとテン場に明かりが灯りアチコチでヘッドランプが揺れるのが見える。「不帰ノ嶮」攻略中に日の出との感動対面を果たした。東の空が明るくなり、あーっという間に朝が来た。太陽が顔を出した瞬間に光が雲海を山あいを走る。　その初めの一筋が気分をどこまでも開放してくれる。不帰のキレットを抜けダラダラの天狗の大下リを登る。鑓ガ岳で昼メシと大休止にした。04：00前から歩き出し休憩も取らずに歩き続けていたのでさすがに疲れた。鑓ガ岳山頂では、靴・ソックス・シャツも脱ぎ「岩トカゲ」化し白馬岳、杓子岳、唐松岳の大パノラマを心ゆくまで楽しんだ。鑓ガ岳山頂は標高2903ｍ日射しは強烈だが風がどこまでも爽やかで気分がいい。本を読んでいたら寝てしまった。　白馬岳までは2時間30分もあれば行かれる距離なので、慌てる事も無いが14時を過ぎているので歩き出した。17時過ぎに懐かしの白馬岳テン場に到着。数日前にここに来たときには氷雨に打たれ凍えていたのに今日は快適そのものである。頂上直下村営宿舎でテン場の受付を済ませ設営し夕陽を見ながらビールで乾杯。20：00就寝。　翌日03：00起床。　本日は朝日岳迄のロングトレイルだ、時間にして10時間程だろうか。ビスケットを数枚口に入れ水で流し込みヘッドランプをつけて歩き出した。風が冷たいのでフリースを着る、穏やかな斜面を声に出さずに口の中で「メリーさんの羊」を歌った。これは、何年も前に彼女に教わったエンドレス歌唱法と言って　 メリーさんの羊・羊・羊メリーさんの羊はカワイイナァをひたすら繰り返すのだが最後のカワイイナァのナァの部分を下げると終了し、ナァの部分を上げるとエンドレスになるのだ。一万回程歌っているうちに朝になった。　よく素朴な疑問で山歩いているときに何を考えているの？と聞かれるがオレの場合は大概「メリーさんの羊」を歌っている。しかし、ホントの事を答えてしまうと何だかオレの人生ダメになってしまうような気がして内緒にしている。厳しい状況であればあるほど単純な事しか浮かんでこない。　昨日歩いた不帰ノ嶮の通過の際には「ポッポッポー鳩ポッポッポー」を歌っていた。全曲を歌うのではなく「ポッポッポー鳩ポッポッポー」だけをひたすら繰り返すのである。　よっぽど辛い時には「ナンノナンノマケルモンカ」と声に出さずに口の中でつぶやく事があるが稀である。プロの登山家やガイド達が厳しい季節にヒマラヤの8000ｍ峰の頂を目指してクライミングしているときでもきっと、同じじゃないかと思うのである。　烈風吹き荒れ猛吹雪の中を低酸素障害に泣きながらも一歩を踏み出すときに「ブンブンブン蜂が飛ぶ～」なんてぇのを母国語で歌っているのだ！きっとそうだ。そうに違いない。そうじゃなきゃオレは困るのだ！変なおじさんになってしまう。　明るくなって気が付いたのだが、あたり一面お花畑である。白馬岳を中心にこの地域はどこも高山植物がとても美しい。ただ、寂しく思うのは立ち入り禁止や花、枝を折るなと書いてある看板群だ。登山者のマナーの低下が起因しているのだが一時の満足の為に折ったりするのでなく、写真やスケッチで楽しんでほしいものだ。雪倉岳山頂で餅を焼いて食った。

  2004.11.24

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• 登山家現る　vol 4

  どんどん登山　今日は唐松岳への長いルートで鑓ヶ岳、天狗の大下り、不帰ノ険を行くのだ。｢不帰ノ険｣と書いてカエラズノケンと読む、ウームきっと恐ろしいところに違いない。ガイドブックを見ても鎖場足元確保注意となっている。　ミルク色したガスの中を濡れながら歩く、上空は風が強く時折太陽がぼんやりとその輪郭を見せるがすぐに隠れてしまう。天狗のバカ下げイヤ違った、天狗の大下りを越え不帰ノ険に入ったあたりで急に晴れ渡る、今がチャンスとばかりにザックより濡れたテント、シュラフ、着替えを広げいまだに湿っている登山靴もヒモを緩めて乾した。陽射しは強くアッというまに乾く。晴れ渡った空の下短パン一つでウイスキーをチビチビやりつつ本を読んだ、二時間もいただろうか身も心も所持品も全てが気持ちよくサラサラである。突然、哲学的なことが頭をよぎった。　苦しいことやツライ事があるとあると即座に｢あーオレはなんて不幸なんだ｣と思うが、幸せな時間を過ごしているときに｢あーオレはなんて幸せなんだ｣と思わないのは何故なんだろう。標高3000ｍに近い尾根で広く、深い空の下でオレは心底幸せだと世界中で、今この現在でオレが一番幸せなんだと感じられた。　湿ったソックスを履く時には己がバカ人生を呪ったがサラサラソックス、乾燥した登山靴を履くときは38年の人生でもっとも気持ちよく気力充実しザックの重さもナンノナンノどこまでも歩いていけるもんね、とそんな気になってくる。　登山家はアルパインムード満点のカエラズノケンをガシガシと三点確保を忠実に守りながら通過、唐松岳には18：00に着いた。唐松山荘にてテント場の設営受付を済ませて大急ぎで設営する。真っ赤な夕日と赤紫色に染まった雲海に見とれ感動する。夕食はレトルトカレーで済ませ、早々にシュラフに入った。背中が痛い。テントの下に小石が沢山あったのだ、モゾモゾ動きながら比較的平らなところを見つけ丸くなって眠った。襲われたテント翌日は04：00起床。唐松岳山頂にてご来光を拝む。海で見る日の出も感動するが、山で雲海より見る日の出は体が震えるほどの感動がある。空が徐々に明るくなり雲が黄金色に輝き登山家の足元に影が生まれ、あちこちから歓声がある。一瞬の間に天地創造を見つける。山でも海でもキャンプ遊びをしているときに朝陽で自分の影が生まれてくるのをみると感動を抑えきれなくなるのは、オレだけなのだろうか。　生の再認識、偉大な造物主のことなどテツガク的なことが頭をよぎったが、一瞬で終わった。登山家は深く考えることは苦手なのだ。テントに戻り昨夜の残りメシにふりかけをかけて朝食。　今日は五竜岳への往復だけなので行動食、カメラ、カッパだけを持って足取りも軽くドンドン歩く。抜けるような蒼空に吸い込まれそうになりながらの空中散歩である。ビスケットと紅茶、オレンジの昼食を取り昼過ぎに戻ってきた。　ナ、ナ、ナ、ナント！！テントがひっくり返っている。乾しておいたシュラフもなくなっている。熊にでも襲撃されたような惨状である。テントの中もグチャグチャ。誰がこんなヒドイイタズラをするのだろうか、山でのこんなイタズラは生死にかかわる事なのに。五竜岳から戻ってきたパーティーは、皆一様にボーゼンしている。　バラバラバラバラバラッとヘリがやって来た。｢スワッ｣襲撃だ！　登山家はザックより五徳ナイフを取り出し岩場の影に身を隠した、｢状況極めて不利、武器は五徳ナイフのみ。以前は　スイスウェンガーナイフの何でもついている100得ナイフのようなのを持っていたがあまりに重いのでやめた。山登りであれば用途を考えると五徳ナイフが最高に使いやすい。　しかし、刃が弱いので折りたたみ式ストッパー付の有名どころのを一本別に持っている。イカンイカン話が横道に行ってしまった。えとえと何だっけ？　あっそうだ。「襲撃」されたまで言ってたんだよね。シュワちゃんやスタローンちゃんでも勝てる状況ではないのだ。ここは、おとなしく降参したほうが賢明か。　無念、戦わずして降伏。スバヤク頭をよぎったのは次のようなことであった。1. ＢＧＭに｢ワルキューレーキコウ｣2. 機銃掃射3. 捕虜として収監される4. 財産没収5. 監獄生活6. 拷問　　　　ヘリが近寄ってきた。登山家のテントは目の前で激しく踊っている。このまま成す術もなく機銃掃射されてお陀仏か、岩場の影よりコッソリ見ると、それは軍用ヘリでなく民間機であった。実は唐松岳山荘新館工事のため資材運搬で飛んでいたのだ。そうか、そうだったのか。登山家は安心してナイフをポケットに入れ一息ついた。　よくよく見てみるとオレのテントやシュラフは飛ばないように紐で結んであり飛ばないように固定されていた。要所要所に唐松岳山荘のスタッフが立っており注意を促していた。スタッフの方たちにアリガトを言いつつ資材搬入が終わるのを小屋のテラスで激しく踊る我がテントを見つつビールを飲んだ。夕方になりテントの整理してパスタを作り夕日に輝く山々と巨大な綿菓子のような雲海が悠々と流れるのを楽しんでウイスキーを飲んだ。　夜。　満点の星！星！星！翌日は白馬岳への逆走だ。

  2004.11.23

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• 登山家現る　vol 3

  まだまだ登山雨中の設営は早く早くの猛スピードでやらなければならない。フライシートを張るが弛みがないようにきっちり張らないと雨漏りを起こすので要注意だ。テントをたてグランドシーツを広げて設営完了。ザックを放り込んで一息つく、驚いたことに登山靴の中はビショビショで水が溜っている。そういえば、出発前はウレシサと慌ただしさの中で靴のメンテをやっていなかったのだ。いつもならば山行前、山行後には必ずメンテを行っていたのに、スッポリ抜けてしまい、今回は乾ききった革の登山靴は雨を十二分に吸水していたのだ。　不覚。何たる不覚。濡れた下着、Ｔシャツ、ソックスを脱ぎ着替える。ソックスを脱ぐとオレの足は血の気を失い白くしわくちゃだった。Mont bell の短パンは固く絞り外で力強く何度かパシッパシッと振ると生乾きぐらいに水分が抜ける。下着を着けずに体温乾燥する、新しいＴシャツにフリースのジャケット、タオルをマフラー代わりに首に巻き頂上直下村営宿舎へ行き受付を済ませストーブの前に長いこと座っていた。生気を取り戻しテント場へ戻る、グチョグチョの登山靴を前に途方にくれていると、隣のテントよりコーヒーを誘われご馳走になる。凍えた体にシェラカップ一杯のあたたかいコーヒーがなんともウレシイ。　30代前半の夫婦で二泊三日で白馬を中心に歩くとの事、雨もやみ外で雑談していると時折奥さんの目が登山家の股間に走る。奥さんが旦那の耳元でコソコソ、旦那も登山家の股間に目をやりウハハハと笑いながら｢ゴルフボール見えていますよ｣アハハハ｢？｣｢イヤー、よほど寒かったんですねぇー｣｢アノネ、股間のゴルフボール…｣｢ひゃー、スマンスマン｣慌ててタオルで隠す。　凍えてちぢみあがった登山家のモノはまさにゴルフボールそのものだったのだ。せめて通常時であれば良かったのにと、こんな状況にありながらおかしな男の虚栄心がでた。餅入りラーメンとウイスキーで夜食を済ませ17：00過ぎにはシュラフに入った、雨は止んでいたが空気は重く湿っていて明日もあまり期待できない。　夜中に目を覚ますと風は大分強くなっていたが満点の星である、天の川を初めとする天空ショーにウイスキーで乾杯した。聞こえてくるのは寝息と風の音、気持ちの奥からやわらかく、優しくなり遠くに聞こえる寝息に誘われるように何時の間にか眠っていた。　8月17日04：00に起床すれども二日酔いで頭が重い、コーヒーとミューズリーで朝食を取り再び寝る。07：00にこんなことではイカンイカンと登山家は行動を開始する。雨は降っていないがガスが濃い、廻りを見ると殆どのパーティーは出発済みである。07：00ごろに起き上がりノソノソやっているのは山ではいけないことなのだ。湿ったソックス・カッパ、濡れた登山靴を身に付けて｢まーしょうがねーな｣と歩き出す。

  2004.11.22

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• 登山家現る　　vol 2

  一時間ほどもいただろうか、結局ヘッドランプ、燃料、コンパスを買って店を出た。僅かな時間だがエラク疲れてしまった。　家に帰ってキックステップを調べた。雪面に対して足を蹴りこむように歩く技術を言うのだ。 買い物をしたときはいつもそうなのだが、ソワソワして落ち着かない、早く袋より取り出して眺めるか身に付けてみたくなるのだ。先日買った短パン、ソックス、スポーツサングラス、野球帽のつばを後ろに被りヘッドランプをつけて鏡に映した、MONTBELLのオレンジ色のフリースに緑色の短パンが良く合っている。　物置よりここ何年も履いていなかった登山靴を引っ張り出しほこりを払った、10年も前に5万円もした革製の重登山靴である、赤い靴紐が痛んでいたので予備の靴紐をつけたが短パンの色と同じ緑色でコーディネイトは完璧だ。単独行の北アルプスを思うとムフフ笑いが出てしまう。白いオバケ　近所のスーパーで食料を仕込んだ、ゴミが出ないように、かさばらないように箱を捨てテント食、行動食、非常食に分類し小袋に入れる。着替え・雨具・タオル・テント・シュラフ・水筒・コッフェル・コンロ等をザックにパッキングする時間が案外楽しい、バランスをみながら何度も何度もやった。 　8月15日深夜バス、アルピコ号で横浜そごう駐車場を21：00定刻に出発。　登山家は30分前に集合場所に着いた、横浜駅からコンコースを来る時に何人もの登山者とすれ違う。お互いにザックの大きさ、装備、登山靴をチェックしあう、暗黙の了解であるがキャリアを判断しているのだ。登山家のザックは大きく重い。集合場所でも他の登山者に｢重そーですね｣なんて聞かれると｢イャー、大した事ないんですよー。たかが6日間のテント縦走でね、単独行なんすよー｣なんて聞かれてもいないことまで言ってしまう。内心ではウレシクテしょうがないのだ。　今回の山行は突然決めたため、バスの予約が直前になってしまい、キャンセル待ちであったが、ちょうど一組二名のキャンセルがあり、オレは二座席分を占有できた。　22：30に新宿は都庁に着き、行き先別に分かれバスを乗り換える。都庁の一階部分は広い駐車場になっており深夜バス旅行などで待ち合わせに使われているらしい。ツインタワーの近代的なビルで、首都東京の庁舎として素晴らしい。　駐車場の所々に張り紙がある。1. 焚き火をするな2. 炊事するな3. 用のないもの立ち入るな何のことだかわからずに考えていたらホームレスの人たちが集まってきたので理解できた。寝床兼厨房なのである。白く。清潔で。高く。広い。そんな庁舎であるが、よくよく見ると浅く。薄く。冷たい。自己の利権ばかり考えているお役人で建てられた庁舎の中には、輝く目も、閃く目も、差し伸べる手すら持たない。無表情な顔でハンコつく人間しかいないのだ。権力の象徴のように庁舎は作られ一般市民の来庁をも拒み（オレには、そう見える）、外見では先進国を装っているが、柱に貼ってある張り紙を見ているとレベルの低さを感じさせる。まだまだ日本は後進国なのだ。世間に公表できない事やナニヤラあるとしても一度、風呂敷を大きく広げてから一つ一つ畳んでいったらいいではないか。　まっ、お役人にそんな勇気があるわけないけどね。（オレにもそんな勇気が無い）ホームレスの人が来るのがイヤだから｢来るな・入るな｣等と言わず対策を真剣に考えたらいいのだ。ホームレスの人たちに｢火事だけは起こすなよ、きっと人命よりも　白い柱に付く煤や管理の指摘を恐れるような奴しかいないのだからな、だから火事だけは起こすなよ｣バスの中で小さく呟いた。バスは、深夜でありながらちっとも夜にならない不思議な街、新宿を抜け中央高速を順調に走り、途中雨のため通行止めはあったが一時間遅れで早朝の白馬に到着したいよいよ登山　白馬は霧雨、登山口である猿倉への連絡バスは30分待ちである、缶コーヒーでも飲んで待とうかと思ったが、乗合でタクシーだと1000円で行けるというのだ。タクシーの運ちゃんが教えてくれた、駅周辺にたむろっている登山者に声を掛け4人で快適に登山口に向かった。ちなみにバス代は900円する。　猿倉はやはり雨、登山口には登山計画書などを提出しなければならない。登山計画書というには、所属名・氏名住所ＴＥＬ・コース下山予定日・宿泊場所などである。登山家はハタと考えた、所属ねー。所属と聞かれれば｢わしらはあぶない探検隊　山岳部｣だけど隊長はオレで隊員もオレ一人の単独山岳部なのだ。しかも、地区の山岳会にも登録していないし記入すべきか迷ったが。記念だと思い書いてしまった。登山計画書を提出した後、靴紐を締めなおしザックのベルトを調整した。　空を見上げると雨雲が重く垂れ下がっているが、風がなく雨は静かである。その上はきっとスバデカ（スバラシクデカイの略）な入道雲があるに違いない。ヨーシヨーシ行くぞー。　カッパをつけて歩き出す、なだらかな林道をいくつもの小川を越えていく。　一時間もたっていないのに下着までビショビショだ、登山家のカッパは、ちょっと古いけれどゴアテックスの高価なものだったが寿命だったのであろう、不快感はあるが我慢できる。　高度を稼ぎ大雪渓についた所からが地獄であった。　今回は、夏山なので防寒は、フリースとカッパだけで充分だと考えたのが大間違いであった、家を出るときにカッパはやめてクルーザージャケット・クルーザーパンツのセットにしようか迷ったが、カッパを選んでしまったのだ。スパッツも忘れた、軽アイゼンも忘れた。大雪渓は吹きさらしで風が強くととても寒い。大雪渓を登っているときの登山家の服装は以下のようでありました。　ロングソックス・短パン・Ｔシャツ・カッパ以上。気温は5～7℃ぐらい。吐く息が真っ白なのだ。ここでフリースを着てしまうと、後々物凄い後悔をしそうなので我慢した。思い出した。買い物をした山岳用品の専門店のお兄ちゃんに夏山といってもナメテかかると大変だよ、と釘を刺されていたのだ。「幼少の頃から人の話はキチンと聞きなさい」と何度も母に言われた事も思い出した。風は強く寒さで歯はガチガチ膝はガクガク。指先をみると紫色になっていて、あまりいい感じではないのだ。硬く締まった雪渓にアイゼンの無いのはつらい、足元が決まらず滑ってしかたがないのである。おまけにココいらは落石が多いと書いてある。実際2度落石に遭った、1度は頭ほどの大きさ、2度目は直径2ｍ程のものがゴロゴロボッコボッコボッコと無気味な音を立て転がっていく。山のルールで落石発見者は｢ファーーー。ら－くーせーきー｣などの掛け声を後ろから来る人にしなければならない。登山家は1度目は声を出せたが2度目は恐ろしくて声がだせなかった。　雪渓は3時間ほどで通過し急な岩場をグングン上り詰める。頂上直下村営宿舎でテント場の受付を済ませるが、全身ビショ濡れの凍えた体ではサインする事も財布から宿泊代金の500円を取り出すことも出来ない。頂上直下村営宿舎でバイトをしている学生さんは、オレの姿を見て凍傷の2段階にきてますよ、早く着替えて体を温めてください。受付はその後でいいです。と言った。なんだか聞くところによると、凍傷は極端に寒くなくてもなるらしいのだ。オレのその時は動いていれば動いていられるのだが短時間でもじっとしていると体中の関節や筋肉が固まってしまい動かなくなってしまうのだ。明日に続く・・・

  2004.11.21

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• 登山家現る

  本日から連載物です。飽きずにお付き合い下さいね　(^^)ニコ『登山家現る』　過去にも現在にも崇高なアルピニズムを求めて止まない登山家が多くいるけれど、これから紹介する自称登山家は、崇高なアルピニズムも無く、タイムを競うわけでもなく、難易度の高い山に厳しい季節に行くわけでもない｢お気楽休息登山家｣なのである。今回は｢お気楽休息休日登山家｣の山行記です。時間のある方はビール片手にのんびり御覧下さい。　そうそう、おつまみの準備も忘れずにね･･･　夏の繁忙期を前にして忙しく働いた週末。　いつもの酒場でウォッカロックを飲み｢ハァァァー｣と情けなく深い溜息をついていた。足の先から頭までズドォーンとしているような時はサラサラのシルクのような舌触りのウオッカが気分に合っているのだ。何杯目かのグラスを空けたときに、ここ最近大きな空と雲を見ていないことにフト気が付いた。　子供のころ見たようなゾクゾクするほど大きく輪郭のハッキリした入道雲だ、圧倒的絶対的に大きく輪郭のハッキリした入道雲を見たい。なんだか、そんな大きな入道雲を見ることが出来たら気分もよくなるんじゃないか、しばらく雲のことを考えたあと｢山｣に行こうと思った、山に行けばきっと、我が人生の中でもＮＯ1にランクされるような入道雲に会えるだろう。｢ヨーシヨーシ｣山だかんな、アルプスにでも行くか！そんでもって圧倒的絶対的に大きく輪郭のハッキリした入道雲と蒼い空、尾根を走るガス、高山植物に雷鳥、満天の星、眼下の雲海、朝陽に夕陽、ぜーんぶ手に入れてやろう、ヨーシヨーシ今年の夏は山だ。と、アルコールの勢いにまかせクタクタの体に「活」を入れた。　何杯もグラスを重ねながら｢ヨーシヨーシ｣と叫び、男は溜息なんて吐いちゃイケナイのだ。そうなのだ！男は溜息なんて吐いちゃイケナイのだ。と言い聞かせた。酒精の霧の中をフラフラ歩き｢ヨーシヨーシ、オレはコウシチャイラレナイのだ!!!｣｢こうしちゃいられないぞ｣と何度も叫んだ。　翌日、本屋に走り山岳地図を買い北アルプスは白馬岳を中心に六日間の縦走計画を立てた。本来の実力をはるかに超えた山行計画であったが何とかなるだろう。何とかしなくちゃイケナイノダ、なんせオレは昨日｢こうしちゃいられないぞ｣と誓ったばかりだからだ。　登山家は普段某コーヒー会社に勤める営業マンで営業車があるので、ちょっと無理すれば何時でも山の専門店に行くことが出来た。立川の事務所からだと、八王子の○○○という専門店が近い。○○○は登山家が今まで見たこともないようなキャンプ道具、登攀用具を取り揃えて川原のキャンプからエヴェレスト登頂まで何でもOKよ！的な品揃えである。登山家は驚きつつも、しかし顔色は変えずに静かにバンダナ１枚、短パン1つ、ロングソックスを買い店を出た。二日後に再度I○○○やって来た、実は｢山と渓谷｣を読み色々と勉強してきているのだ、｢ムフフフッ今のオレは技術はないけれど商品知識ではバイトのオマーに負けないぐらいあるのだっ、イザ勝負っ｣　登山家　｢あ、あのー｣　店員　　｢ハイ、なんでしょう｣やさしい笑顔　登山家　｢ザイルとアイゼンとカラビナとピッケル、ハーケン。ントント･･･燃料、非常携帯食と一杯下さい｣　　　　　早くも逆上気味店員さんは、それぞれの売り場を教えてくれた後静かな口調で｢どちらの山に行くんですか？｣とスルドイ質問をしてきた。　登山家　｢フフッ、北アルプスに一週間ほどの縦走を…｣ナメンナヨ！　店員　　｢冬ですか｣　　登山家　(今は、夏だろ。夏に決まっているじゃないかバ　カめ)と思いつつ　登山家　｢イッ、イエ夏です｣　　　店員　　｢テントですか山小屋ですか？単独行ですか？｣　登山家　｢テントです。少し胸張って単独行です｣　店員　　｢それじゃーザイル、カラビナ、ピッケル、ハーケン、それにアイゼンは12本爪はいらないですね。　　　　　軽アイゼンで充分ですよ｣オレは登山家だからザイルにピッケルぐらい持たないとカッコがつかないと思っていたのである。　登山家　｢残雪はあるし岩場はあるし大丈夫ですか｣　店員　　｢問題ありませんよ｣　登山家　｢雪渓は危なくないですか｣　店員　　｢キックステップで行けば問題ないですよ｣　登山家　｢キックステップ???｣　明日に続く・・・

  2004.11.20

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• 蚊・・・痒～～い　お話　　vol 2

  蚊・・・痒～～いお話し　　vol. 2 昨日の日記で山登り中の出来事を書いたが、千葉の某海岸でキャンプしている時にも『蚊』の大群に襲われた事がある。自転車にキャンプ道具を積み彼女と出かけた時の事です。二泊三日の予定で久里浜からフェリーで千葉に渡り快調に海岸沿いを走りキャンプを張りました。天候快晴、波・風穏やかにしてまことに気分良く「モンクナイ　モンクナイ」といいつつ飯を喰い酒を飲み早い時間に酔ってしまいテントに入っていた。「ザザザッザッザッ」とテントを激しくたたく音に眼が覚めた。その時には、ぼんやりと風が強いのか？と思ったが、違った。体のアチコチが非常に痒い。横にいた彼女さんも「ウゥー　痒い痒い」と言い暗いテントの中で体を掻き毟っている。クワァァーーーーーンブゥゥゥーーーンワァーーーーン　ワァーーーーン数匹ではない、大量の蚊がテントの中を飛び廻っていた。「ザザザッザッザッ」テントを叩く音は強風が砂を飛ばした音ではなく、「蚊」大群だった。酒に酔ったバカ頭でテントが風にバタついていない事とテント内の「蚊」の異常発生で、コレは蚊柱もしくは「蚊」の集団移動する「蚊道」のような所にちょうど当たってしまったんだろうと考えた。彼女さんは、もう狂ったようにムヤミヤタラニ襲ってくる「蚊」にパチパチと手を叩き戦っていた。オレは、ヘッドランプを点け蚊取り線香を探した。襲ってくる「蚊」を犬のように体を震わせながら防御しつつ火を点け臨戦態勢をとった。狭いテントの中は飛来する「蚊」と激しく立ち上る複数の蚊取り線香、そしてパニックに陥った二人で阿鼻叫喚の地獄絵図である。テントの外にでる事を考えたがテントを叩く「ザザザッザッザッ」で判断すると全身「蚊」に刺されまくりショック死を起こしそうな予感がしたので戦いの場をテント内と決め全面抗争を決意した。あっという間にテント内は蚊取り線香の煙が充満して息苦しい。煙ったテントの中をサーチライトのようにヘッドランプが走り、無数の「蚊」を追う。戦時中の戒厳令下のようである。蚊取り線香に意識を失った「蚊」が、もがきつつ落下してきたのを足で潰し、動きの鈍くなった「蚊」を手で叩く。気を付けなければいけないのは、テント内の蚊取り線香の濃度は天井近辺は濃密であるが床のほうは希薄である事だ。つまり上空を飛んでいた「蚊」は濃密な煙にやられ失神するが落下し呼吸が楽になると再び息を吹き返してしまう。どの位の時間が経過したかわからなかったが、テントを叩く「ザザザッザッザッ」音が無くなり、テント内も静かに立ち昇る蚊取り線香だけがあった。勝った！勝ったのだ！生き延びる事が出来た！ゴホゴホと蚊取り線香に咽ながら彼女と手を取り勝利を喜んだ。数匹の「蚊」がまだテントの中を飛んでいたが、圧倒的に床の上に潰された死骸に満足だった。オレの手も彼女さんの手も激しい戦闘を物語るように「蚊」の死骸と血糊でネトネトしていた。夜中の海に飛び込み火照った脚・腕・肩をいつまでもいつまでも冷やした。テントに戻るのが恐ろしかったので朝まで砂浜の上で座っていた。友人の『右脳開発・フラッシュ暗算』目からウロコよん♪そろあん へジャンプ新・ねこ的生活（メインのＨＰ）へジャンプ

  2004.11.14

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• 『蚊』　アカイエカ他

  　もう10何年も前の夏に尾瀬に山登りに出かけた時の事なんだけれど、尾瀬の湿原を越えて目指す「隧ヶ岳」をガシガシと登っていました。　短パンとロングソックスの間の太腿を中心にした辺りを虫に集中攻撃され、刺された個所が480数箇所というお粗末。両足の太腿を中心にした面積に480数箇所というと、それは刺された上から二重三重四重に刺されるということなのね。　オレを攻撃したのは「家蚊」のように軟弱な奴ではなく「やぶ蚊」「縞蚊」といった口吻が豪壮無比な国内では蚊の仲間内で実力が上位にランクされるような奴がメインに、何だか分らないようなものにも沢山刺されたってこと。発狂しそうな痒みに襲われポリポリ掻くでしょう、そうすると痒みはより大きな痒みとなってもっともっと痒くなるのです。あまりの痒みに我慢しきれずに狂ったように掻き毟ると出血しちゃうわけね。　そんでね、静脈だか動脈だか何だかわかんないけれど太い血管やらがギュルギュルとミミズのようにのたくりまわるの。太腿は二倍近くに腫れ上がり赤紫黒色に変色し、もうこれ以上掻いたら大変な事になると分りつつもやめられないのね。　山道ですれ違う人たちは一様にオレの足にくぎ付けにされていた、それもそのはずで遠めに見ても太腿が凸凹になっているのが分るし、おまけに出血して血に染まっている。短時間で多くの虫に刺されたため発熱も始まった。翌日、下山し近所の皮膚科へ直行、注射を打たれ白と紫色の塗り薬を貰い治療は終わったが塗り薬は乾くほどに色彩が鮮やかになり、剥き出しのオレの太腿は、児童絵画教室に通ったばかりの初めて絵の具と筆を持たされた子供がキャンパスに乱暴に塗りたくったようになっていた。　医者は入浴はダメだけれどシャワーだけなら良いというので銭湯に行くと、番台のオバチャンが「お客さん、困ります。困ります。皮膚病の方は入浴をお断りしてます」というわけね。オレは「コレは皮膚病じゃないよ、チョットした虫刺されね！」「他と比べると若干塗り薬の色が派手かもしれないけれど、家で蚊に喰われてかゆみ止めを塗るでしょう。アレと同じだから･･･」　オバチャンは、二倍近くに腫れ凸凹の俺の足を凝視し、どうにも信じられないといった表情で蚊に喰われたぐらいでそんなになるわけ無いじゃないと頑として聞いてくれない。結局、風呂に入れずに自宅に戻り台所からホースを伸ばし玄関で水をかぶった。　翌日、皮膚科に行った時に「皮膚病じゃありません。伝染しません。虫刺されによるものです」なる簡単な診断書を書いてもらい銭湯に入る許可を取り付けた。しかし、お湯はかけないように注意してください。と医者から言われていたので、包帯を捲きその上にゴミ袋をテープで止めて心ゆくまでシャワーを楽しみました。PS：480数箇所というのは嫌がる彼女さんに薬を頼んだ時に数えてもらいました。　しかし、残念ながら実数ではありません。何重にも刺されているので・・・わかる範囲での実数ですね友人の『右脳開発・フラッシュ暗算』目からウロコよん♪そろあん へジャンプ新・ねこ的生活へジャンプ

  2004.11.13

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