6,666回目の場所
たとえその場所が6,666回目だったとしても行きたい場所かどうかきょうのぼくによって違うんだ6,666回目だからわかりきっているということは決してないんだきょうのぼくにとってその場所はかなりあいまいだよく見えないよく見えないぼくの状態は布団のなかでうずくまったまま外に出られそうもないんだそうしてその場所へ行くことが重くなる重いままぼくを引きずりぼくを家から追い出してしまったらきっと後悔するだろうだからぼくは6,666回目のその場所を忘れる道がわからないわからない道を探すぼくは自分でなんとかしなければその場所が見つからないどんな場所かを思い浮かべるただし壁やドアや建物はあいまいなままでいいんだむしろどんな人に出会うのかを思い浮かべる男性なのか女性なのかそうしてお顔の表情は雰囲気はぼくはその人にどのように出会うのかまた出会うときにぼくはどんなに愛情を込めて出会うのか愛情が伝わるのかどうなのかその伝え方はどうすればいいのかなどと思いをどんどん膨らませていくぼくはきょうはじめてその人と出会うためにその場所に行くんだたとえ6,666回目だったとしてもその人との出会いの場所はきょうだけなんだ6,667回目では出会わないそのための場所なんださあ場所が見えてきたかなその場所にぼくは行くんだぼくは行くんだ6,666回目かもしれないけれどきょうにとってははじめての場所なんだから