声がぼくを圧倒して
声がぼくを圧倒してあなたは近づきがたいひとなんだ落ち着いて低音で常に安定していてよく響く声日常生活が想像できないその声あなたはそれがバリヤーになっていてぼくが間違いを訂正しようとしても受け容れてくれなかったあなたのよくできた質問はときどきぼくを困らせるそれはあなたがぼくになにを答えて欲しいのかぼくがよくわかるからなんだしかしぼくには答えがないあなたが想定している感動をぼくはしていないからなんだあなたはぼくがあなたの思っている姿に嵌っていることを願っているみたいなんだぼくがあなたのその想定をぶち壊すようなぼくのほんとうの姿を晒すととたんにあなたは無口になる無口になってぼくを無視しぼくとの関係が存在し得ないと思い込んでいるように感じるんだあなたはあなたの想定を完全否定できないでぼくを無理やり嵌めようとしているそうじゃないだろうかあなたは話がうまいと言われている話はうまいんだけれどあなたと酒を飲みたいとは思わないなぜなんだろうあなたはあなた自身のことを少しも現していないし質問されたこともないんじゃないだろうかあなたってどんなひと?声がぼくを圧倒してあなたは近づきがたいひとなんだ落ち着いて低音で常に安定していてよく響く声そう近づきがたいからあなたは誘われないあなたはほんとうはぼくや他人に近づいて欲しくないんだ欲しくないんだぼくはほんとうに興味が湧いてきたあなたの意識いったいいつもなにを思いなにを感じているんだろういったいいつもあなたは