さよならといった
さよならといったラーメン屋のご主人にクリーニング屋の奥様にマンションの住人であるダンサー志望の学生さんにぼくはさよならといったぼくはもう二度と来ないわけじゃないのにもう二度と会えないような気がしたぼくはさよならといったこの町の住人ではなくなるんだ1年間の生活はぼくという意識を町に結びつけた友達ができた知人ができた顔見知りになったぼくの意識がこの町の一部になっていたさよならといったこの町に永遠にさよならといったんだたぶんそのように聞こえたんだだからひとびとはぼくから聞いたさよならを他人事のように受け取ったたぶんそんなに深い関係じゃない深い関係じゃないけれどぼくにとって深い浅いよりはむしろさよならに込めたぼくの寂しさをどう埋めたらいいんだろう永遠にさよならといった訳じゃないんだけれどぼくはさよならといったラーメン屋のご主人にクリーニング屋の奥様にマンションの住人であるダンサー志望の学生さんに