★ 日本橋高島屋 大津英敏の油絵。
日本橋の高島屋に行った。百貨店にしかないものを求めて。ふらふらと歩いていると、たまたま、見た富士山と湘南の海を描いた油絵に惹かれた。中に入って驚いた。大きなキャンバスに、フランスのデルタ地帯の町並みを描いたその空に、巨大で物憂げな女性が浮いているのが、目に飛び込んできたからだ。あたりを見回すと、水色と、ピンク色が美しい、印象派のような柔らかい色使いの風景画がある。それだけでなく、合間に、風景画と巨大な女性の人物画が融合しているものが忽然とある。久しぶりにインパクトのある絵を見た気がした。大津英敏の絵。多摩美術大学の教授とのこと。絵についている値段も、1,000万円以上の物凄い金額だった。絵についているコメントも面白い。どうやら、たくさんの油絵を同時並行で製作しており、完成まで、10年以上の相当長い年月をかけているものもあるらしい。だからなのかわからないが、綺麗な風景画に、人物が描き足されている。もちろん、最初から、入れる予定だったものもあるのだろうけど、同じ風景画の構図で、人物がある場合とない場合を描き分けているところからすると、そう推測されるものもある。風景画と人物画を合体させるとなると、それぞれに、高い技術が必要となるが、見事に昇華しているように思われた。パリに似ている、と本人がいう小樽運河を、季節に応じて描き分けている作品や、南仏の赤レンガの建物を俯瞰して、ボートの航跡の白さが際立つ紺碧の海を描いた絵などは、見ていて気持ちよかった。弟からの電話に出るため、その場を去ったが、また、行ってみたいと思った。いっそのこと、画集を買おうかと思い、ペラペラとめくってみたが、写真では、この生き生きとした筆致は、残念ながら、到底、表現できない。ゆえに、買う必要はない、と判断した。世界の名画も、やはり、生で見るのはだいぶ違うんだろうなぁ。パリに行ってみたいけど、油絵を描いてみたいなぁ。そうすると、1週間やそこらの滞在では、時間も足りないなぁ、と思った。いい絵を見ると、癒される。百貨店も懐が広い。無料で、いい気分転換ができた。★2007年カレンダー★テレビドラマDVD BOX★ベストセラー★人気blogランキングへ