[エッセイ]の記事一覧 | 俳ジャッ句

ながらくご無沙汰！

　　　ながらくご無沙汰いたしましたが、久々に物申したい気分になりましたので　書かせていただきます。　ここ数日エリザベス・サンダースホームの澤田美喜に　関する資料に目を通しておりまして、私、義憤にかられて　おります。　進駐軍の兵士と日本女性との間に生まれた混血児たちは、ただでさえ親に捨てられたということと、肌の色が違う　ということで世間から不当な差別を受けてきたのですが、　施設のある大磯では海水浴もできなかったのだそうです。　これは、混血児が海に入ると、水がけがれるという地元の　　人たちからのいわれのない苦情が殺到したせいだった　　のでした。　そのため澤田美喜は子供たちに海水浴をさせてやりたいと　奔走して、夫君の澤田廉三の故郷の鳥取県岩美町の海岸で　ようやく受け入れられたというのです。　その当時、いかに混血児に対する世間の目がきびしかったか　という証左ではないのでしょうか。　ちなみに、澤田美喜の夫君の廉三は、日本で初の国連大使を　つとめた人で、この夫君の後ろ盾と協力があったればこそ、　美喜の偉業がなしとげられたのだと思います。　やはり持つべきものは、頼りがいのある夫、ですね。

2014年09月26日

なんでバラなの？

　母の日の精神科医の弟からの私の母への贈りものは　何と鉢植えの深紅のバラでした。　当日はふだんよりもカーネーションの値が跳ね上がるのも　いた仕方のないことですけれども、それにしてもバラとは　合点がいきません。　たぶん母の認知症が進んでいるので、赤い花なら何でも　いいと弟は思ったのでしょう。　それにしても、あんまりな仕打ちではないかと、私は内心　おだやかではありませんでした。　まあ、大目に見ることにはしたものの、本来ならば弟が母を　引き取って介護するのが、筋なのです。　でも、弟は私に母を押しつけたままで、私に甘えているの　だと思うのです。　易によると私には親をみる運がついているので、これまた　仕方がないのでしょうね。　女手にはあまるものがあるのも、少しはわかってほしい　のですけれども、彼は脳天気にかまえていて、気楽なもの　です。　今朝は朝っぱらから愚痴になってしまいました。　ごめんなさ～い！！！

2007年05月19日

万緑

　今朝は明け方には雨もあがり、草木が雨露に濡れて輝いて　おります。　こんな朝は心まで洗われて、今日一日がんばろうという　気がわいてきます。　一句浮かびましたので、ご披露させていただきます。　　　　万緑やタローに捧ぐ子守歌　　千夏

2007年05月15日

ただいまペットロス中！

　タローが他界してしまってから早くもみ七日がたちました。　今でも朝目覚めると「タローのおむつを換えてやらなくっちゃ」　と思い、次の瞬間「そうだ、タローはもういないんだわ」　と思い直すのです。　これまで朝の散歩は１４年間ほとんどかかすことがなかったの　ですが、それもすることもなくなって、まるで気が抜けた風船の　ような気分です。　まったく張り合いのないことがはなはだしく、寂しい毎日です。　これを「ペットロス」と言うのでしょうね・・・・　タローの遺影の前でお焼香をしてから手を合わせて話しかけては　ありし日のタローをしのんでおります。　思い返せば、なんと幸せな日々だったことでしょうか！　タローちゃん、ありがとうね！！！

2007年05月14日

初七日

写真はありし日のタロー　タローの初七日もすみました。　今でも朝目覚めると、タローのおむつを換えてやらなければと　とっさに思い、ああ、もうあのこはいないんだと思い直す毎日です。　タローの大往生に際しましては、皆様からご丁重なコメントをいただき　誠にありがとうございました。　お一人ひとりにごあいさつにあがりたいとは思いながらも　いまだに気持ちの整理がつきませず、淋しさにひたっております。　この場を借りまして心より御礼申しあげます。　また私にとりましての救いは、タローが微笑むような　安らかな死に顔であったことです。　そのうえ友人たちや獣医の先生から頂いたたくさんのお花に　埋もれて旅立って行きました。　タローは果報者だったとしみじみと感じているしだいです。

2007年04月27日

花吹雪

　春の遅い北陸にも、ようやく桜が満開となりました。　昨日からの雨でせっかくの桜が泣いているように思えます。　花散らしの雨とでもいいましょうか。　やや小ぶりになりましたので、桜のようすを見に行って来ました。　やはり雨にたたられて散りかけております。　無残な気がいたします。　毎年私は花の散り時が、なんとはなしに淋しくてならないのです。　ですから、花吹雪に逢うのが、つらいのです。　これも、私のただの感傷にすぎないのでしょうか。　　　　夢のはじめも夢のをはりも花吹雪　　渡邊恭子

2007年04月15日

かげろう

　陽炎、かげろうという言葉に惹かれます。　俳句の季語のなかでも、殊にうつくしいものだと思えます。　かげろうがゆらめく光景は、やはり春ならではの情感があって　目をこらして見つめていると、なんだか自分のからださえもが　ゆらめいているかのような錯覚をおこします。　やがて、春もゆこうとしております。　一抹の淋しさをともなって...　　　　　　　　　　　かげろふと字にかくやうにかげろへる　　冨安風生　私の一句は　　　　　　　　かげろふのごとき青春脱ぎ捨て来　　　千夏　

2007年04月12日

第二の青春を！

　年末から若林ケンのシャンソンにはまっています。　ほとんど１日中そのCDを繰り返し聞いております。　若林ケンは一昨年還暦でＣＤデビューをした異色の　歌手です。　そのシャンソンはどことなく演歌的ではありますが、　かえって妖しい魅力をかもしだしていて、病みつきに　なってしまいました。　「晩年にもう一度青春を！」という彼のスローガン通りに　聞く者にわくわくする青春のときめきをよみがえらせて　くれます。　その歌声を聞いていると、私ももう一度青春をとりもどそうと　いう願望が芽生えてくるから不思議です。　今年はぜひとも第二の青春をしてみたいものです。

2007年01月04日

おかげ様で！

　タローもようやっと年を越すことができました！　おむつになって丸３ヶ月がんばっております。　その生命力の強さには目をみはるものがあります。　今朝もごくごくと牛乳をおいしそうに飲みました。　よたよたと千鳥足でこたつのまわりを歩きまわって　おります。　もっとも３．４回まわると倒れてしまいますが・・・　

2007年01月02日

雪がふる

　昨夜はいつになく冷え込んでいましたが、案の定今朝は　雪が降りました。　例年になくこの地方では雪になるのが遅かったのです。　大掃除に大童なのですけれども、小説の構想が頭から　離れず、メモをとりながらの奮闘です。　この分では、近じか新作をご披露できそうです。　皆さん、どうぞよいお年を！！！

2006年12月29日

認知症の特長

　「私は痴呆なの？」　「ううん、認知症なのよ」　「じゃあ、痴呆じゃないのね」　「まあね」　「認知症ってどうなるの？」　「自分が病気だってわからないのが特長なんだってさ」　という問答を日になんどもしなければならないのが、　認知症の特長なのです！　一時が万事で同じことを何度も言わなければ　ならないのも、悩みのタネです。

2006年11月30日

タローは果報者！

　ポリープ切除のための１泊入院に際して、はじめは　母を施設にあずけて、タローは動物病院に入院させようと　思いました。　そこで獣医の先生に相談したところが、　「うちに入院させたら、タローちゃんは四六時中ワンワン　鳴いて、死んじゃうよ」　と、言われてしまいました。　「そのかわりに、僕が様子を見に行ってあげるから」　先生にそう言われて、その話はあきらめざるをえなかったのです。　私の入院した夜は、約束どおり獣医の先生が見にきてくれたのです。　そうして、母では出来そうもないので、タローのおむつまでかえて　くれたのでした。　そこまでしてくれた先生には感謝の言葉も見つからないくらいに　感激しました。　いい獣医さんにめぐりあえてよかった、としみじみ思いました。　おむつまでかえてもらったタローはなんと果報者でしょうか！

2006年11月25日

タローのお留守番

　昨日は一泊の予定で地元の市民病院に入院しました。　３年も放置したあげくに、ようやく思い切って大腸ポリープを　切除してもらうことにしたのです。　タローと母をどうしようかとさんざん頭を悩ませましたが　一泊だけだったので家で留守番をさせることにしました。　ところが、いざ大腸ファイバーをしてもらったら、問題の　ポリープは思いのほか大きくなっていたのです。　切除はしたものの、その跡から出血する可能性が　高くなってしまい、一泊の入院ではきかず２・３日を　要するとの執刀医の診断に、私は困りはてました。　ただでさえ頼りない母と老衰のタローを２・３日も　放り出してはおけません。　ましてやタローが私のいない間に死んでしまったら、　などと考えるとまんじりともせず、病院のベッドで夜を明かして　しまいました。　今朝主治医が回診にきて、切除後出血もせず　血液検査の結果も良好なので、退院の指示がでました。　そのときのうれしかったこと！　これで無罪放免といった感じで、小躍りしました。　母とタローの待つ家に無事帰宅できました。　タローは私の顔を舐めまわして、お帰りなさいの　あいさつをしてくれました。　老骨であっても、タローはしっかりと留守を守っていて　くれたのでした。　タロー、お留守番、ありがとう！　　　　

2006年11月22日

タローの子守唄

　我が家の愛犬タローはあと一月で満１４歳に　なりますが、老衰から耳は聞こえず、目も　白内障が進んでほとんど見えない状態です。　四足も立たなくなりつつあり、よたよたと　まるで酔っ払いのように千鳥足で歩いては、　柱や家具に突き当たっています。　一旦横たわると、もう自力では起き上がれません。　それでもタローは、一生懸命生きています。　私も今日もまた一日タローが生きながらえたと　ほっとするのです。　タローが眠っている、その寝顔を見ながら　私は子守唄を歌ってやります。　ねんねん　ころりいや　ねんねしな　坊やはよい子だ　ねんねしな　その子守唄ももうタローには聞こえないのに、　そっと頭を撫でながら歌ってやります。　タロー、長生きしてくれて、ありがとう！　

2006年11月19日

三度の離婚歴

　知り合いに三度結婚して三度離婚した婦人がいます。　大正二桁うまれですから、かれこれ８０歳にはなる人　ですが、なかなかチャーミングなお婆ちゃんです。　まず、その人は医者と結婚して一児をなし、その子を　置いて離婚。　その後、進駐軍のＧＩと結婚してアメリカに渡り、ハーフの　女の子を産んで、やはり子どもを置いて離婚して自分だけ　帰国したのです。　それでも、まだたりなくて三度目は歯医者のお爺さんと　６０歳台で結婚して、またもや離婚しました。　不思議なことに、離婚するたびに財産がふえて、今では　悠々自適の余生を楽しんでいます。　ほんとうにどうなっているのでしょうか。　傍で見ていても、小気味のいい生き様ですよねえ。　私もせめて彼女の爪の垢でも煎じて飲みたいくらいです。　むしゃくしゃすることがありますと、私も三度くらい離婚　すればよかったのにと、やけくそになって思うことも　ありましてねえ。　人生、なかなか思い通りにはならないものでして。　やけっぱちになったついでに、３人くらい父親のちがう　子供を産んでおけばよかった、なんて思いましてねえ。　思うだけなら、罪はないんだと。　まあ、ばかばかしいことを書き、お恥ずかしいかぎりですが。　では、今日はこの辺で　　

2006年11月17日

犬ばかちゃんりん

私は自他とも認める「犬ばかちゃんりん」なんですが、　我が家の愛犬殿が老衰で、もうあまり永くはないのです。　老衰にだけは、つける薬がないものでして。　覚悟はしているつもりなのですが、　それでも、この子がいなくなったらと思うと哀しくて　つらくって、泣けてしまいます。　犬の寝顔をそっとのぞきこんでは、ああ、まだ息があると、　ほっと胸をなでおろす毎日です。

2006年11月07日

生きるきびしささびしさに

　　　　　　　　雁渡る生きるきびしささびしさに　　鈴木真砂女　「生きるというきびしさ。　それに甘えてはならぬと自分に言いきかせる　きびしさ。　店が終わって路地の軒燈を消したあとの　むなしさ」　と、真砂女は書いております。　生きるきびしさとさびしさは、今の私にも身にしみて　感じるもので、むなしさもまた骨身にしみるものが　あります。

2006年11月06日

私が死んだら・・・

　愛犬殿の主治医の先生が一昨日祭日にもかかわらず　往診に来てくれました。　「私が死んだら、この子も死んでしまいます。　ですから私はなんとでもしてこの子のために　生きていてやろうと思って」　と私は獣医の先生に言いました。　「僕だって、いつもそう思っているよ。　僕が死んだら、うちに入院しているペットたちは　皆死んでしまう、ってね」　と、３０代前半の先生は真顔でこたえました。　どうやらその先生は喘息持ちのようで、年がら年中咳を　しています。　まだ若いとはいえ決して丈夫とはいえないのに、　この先生は寸暇を惜しんで一生懸命動物たちのために　がんばっているのです。　その真摯な姿勢に私は心を打たれました。　老衰で四足の立たなくなりつつある我が家の愛犬殿の　様子を忙しいなかでも駆けつけて来て診てくれた先生の　気持ちがありがたくって私は頭がさがりました。

2006年11月05日

過敏性？

　ついに今日は意を決して病院へ行ってきました。　このところおなかの具合が悪いので、検査を　受けなければと思いながらも、一日延ばしに　してきたのですが、悲愴な覚悟をして行って　きました。　なにしろ医者嫌いを自他とも許す私ですので、　病院は親の仇かなんぞのように思っていたからです。　ところが、診察の結果は、「過敏性大腸炎」との　ことで、ストレスから来るものだというのです。　それをきいてほっとしたら、まあ、げんきんなこと！　おかゆを食べてもおなかをこわすほどだったのに、　なんとあまり消化のよくない、あぶらっこいものを　食べても、大丈夫ではありませんか！　まったく我ながら浅ましいくらいにがつがつと　食べても、大丈夫なのです。　というわけで、今日はラッキーな一日でした。　　

2006年10月31日

早寝早起き返上！

　私は早寝早起きの権化のような人間だと　思っていましたが、近頃はどういうわけか、　早起きができなくなってしまって・・・　ですから、もう早寝早起きは返上しなければ　と考えています。　私にとって早起きはけっして三文の得には　なってはいなかったのです　それどころか、三文の損だったきらいがあります。　今日からは、ごくごく自然体でいこうと思います。

2006年10月27日

香水

　　　　　　　　　　香水の一滴づつにかくも減る　　山口波津女　香水はお好きですか？　女にとって香水をつけることは身だしなみであり、それ以上に　道楽でもあるのですね。　好みの香水をつけるとき、なんともいえない幸福感を　おぼえるのは私だけでしょうか。　私の場合は香水依存症といっていいくらい香水なしでは　いられないのですが。　一滴、一滴を大事につけているのに、こんなに早く減ってしまう、　という嘆きにも似た思いを、上記の句から感じ取ることができ　ますね。

2006年10月26日

男の純情

　男の純情といいますが、それを絵で書いたような　人物がいます。　私の高校時代の同級生なのですけれど、いまだに独身を　　通しているのがいましてね。　彼は大手新聞の記者だったのが、事情があって１０年前に　もどってきて家業をついでいます。　その彼が、まだ新聞記者時代に子連れの未亡人と恋に　おちましてね。　一緒になるつもりでいたのですが、彼の母親が強硬に反対した　ために結婚にはいたりませんでした。　それでも、いまだに未練があるらしく、酒がはいったらひとつ話の　ようにその子連れの人のことを口にします。　これも男の純情の見本だと思いますが、いかがでしょうか。　では、また。

2006年10月26日

悪女お汚名いまだ消えず！

　　　　　　　　秋袷悪女の汚名いまだ消えず　　鈴木真砂女　「悪女にもいろいろあるが、　私は夫にそむいたことで悪女の烙印を　押された。　ふるさとは狭い漁師町なので、　たまに帰っても人の目が私に集まる」　と、真砂女は書いています。　世間の冷たい視線にたえながら生きた真砂女にも　言い分はいくらでもあったと思いますが、悪女と　ののしられても恋を貫き通したのでした。

2006年10月25日

私は悪女？

　　人の記憶というものは、かなりいい加減なものではないでしょうか。　たとえばこちらがこうだと思っていることが、他人からすると　とんでもない話に化けてしまっているということがママある　ものです。　何年か前になりますが、高校の同窓会がありました。　卒業後３０年ぶりに会った同級生に、　｢俺はあんたに弄ばれたんだ｣　と言われて私は呆然としました。　｢弄ばれた｣とは聞き捨てならない発言だと思いませんか？　私の高校時代の男女交際などはかわいらしいもので、　せいぜい並んで歩く、くらいが関の山で男女が会話をかわす　程度のものでした。　今の高校生ほどおとなびた付き合いがあったわけではない　のです。　にもかかわらず｢弄ばれた｣と言われるのは、私にとって　とんでもない言いがかりにすぎないのでした。　｢弄ばれた｣というからには、それ相応の事実があって　しかるべきであって、その事実がないのにもかかわらず、　そう断定するのは、あまりにやりすぎだと思うのですが、　いかかでしょうか？　もうすこし相手の身になって考えてみれば、彼はその当時　私のせいでよほど傷つくことがあって、以来私に｢弄ばれた｣と　思い込んでしまったのかもしれません。　それにしても、３０年もたってしまっていれば、　記憶もかなり風化してしまっているのではないかと思えます。　身に覚えのないことを責められる側にもなってほしいのですが、　いかがなものでしょうか？　　

2006年10月24日

一人泣くとき声漏らし

　　　　　　　　夜光虫一人泣くとき声漏らし　　鈴木真砂女　　｢主人の死を知ったその翌日から大洗海岸に　数日をすごした。この海につづく海辺の町で　死を迎えた人に親の死の時よりもさんさんと　涙を流した｣　と、真砂女は書いております。　その夫だった人を捨てて他の男に　走った真砂女だったのに、なぜそれほど　泣かねばならなかったのでしょうか？　夫婦のことは他人にはわからない、とは　言いますが、夫を捨てたということが、　真砂女の生涯の重荷になっていたのでは　ないかと思えてならないのです。

2006年10月22日

加賀百万石

　ところで金沢は加賀百万石として有名ですが、　実質はもっと石高がありました。　ですから、前田氏のお膝元の加賀人は、前田の殿様を　後々まで自慢にし、また尊敬をもはらってきました。　二言目には、前田さまが、前田さまがと、まるで自分の身内から　でた有名人かのように言う傾向がいまだにあります。　前田氏については、テレビの大河ドラマにもなりましたので、　ご存知のことかとも思いますが。　加賀言葉の｢見まっし｣というのは、｢ごらんなさい｣の意味です。　では、今日は私のグログを｢見まっし｣でお開きにいたしましょう。

2006年10月21日

恋敵

　「忘れ花」のヒロインの恋敵である小勇姐さんについて　すこしお話しておきましょう。　赤坂で芸者に出ていましたが、軍部ににらまれて、　やむなく都落ちします。　行き先は金沢です。　そこの東の廓からまた左妻をとるわけでして。　その東の廓ですが、今でも東の茶屋街として昔の風情を　とどめております。　夜ともなると新内流しの音色が聞こえてきたりしましてねえ。　なかなかに情緒ゆたかなものです。　では、また金沢についてお話しますとして　今日はこの辺で、失礼！　

2006年10月21日

たまにはふるさと自慢！

　今日は、たまにはふるさとの金沢について　お話しましょうか。　金沢の前田の殿さんは能が好きだったため、　金沢ではことのほか謡がさかんになりました。　｢空から謡が降って来る｣といわれるくらいにです。　金沢の男の人は、謡をするのがたしなみとされております。　ですから私も男の人が謡をうたう声にぞくぞく来るたちですの。　異性の好みというものは、案外子供のころに出来上がるのかも　しれませんねえ。　加賀自慢も今日は、このあたりでおいときましょうね。

2006年10月20日

十月桜

写真は十月桜　なんと、今頃桜が咲いているのです。　土地では十月桜とよんでいますが、季節はずれの　桜は、つけている花も小ぶりで、ひそやかにといった　感じで咲いています。　これは、私の独断で申しわけないのですが、桜は女の一生に　たとえることができますね。　花を咲かせて、満開となり、時季がきますと、さっと、いとも潔く　散ります。　やがて、葉桜となったのちに実をつけます。　よく俗に中年女性を姥桜などと、言いますが、それも結構。　もっと年輪を重ねますと、桜もみじになるのでしょうか。　これ以上書きますと、お若い女性にセクハラとお叱りを受けそう　ですのでやめにしておきましょう。

2006年10月19日

「網走番外地」の歌詞を！

写真ははまなすの花　高倉健主演の「網走番外地」の主題歌の歌詞を　ここにご披露しましょう。　私の同じ年の友人は、言います。　「俺たち学生時代は、機動隊に向かって石を　投げていた。　デモでくたびれたら、皆で網走番外地をスクラム組んで　歌ってたぜ」　そんな時代に私は青春を生きていたのでした。　言っててみれば、この歌は私たちの青春の　テーマソングのようなものだったのです。　　１　春に　春に追われし　花も散る　　　酒(きす)ひけ酒ひけ　酒暮(きすぐ)れて　　　どうせ俺らの　行く先は　　　その名も　網走番外地　　２　キラリ　キラリ光った　流れ星　　　燃えるこの身は　北の果て　　　姓は誰々　名は誰々　　　その名も　網走番外地　　３　遙か　遙か彼方にゃ　オホーツク　　　紅い真っ紅な　ハマナスが　　　海を見てます　泣いてます　　　その名も　網走番外地　　４　追われ　追われこの身を　故里で　　　かばってくれた　可愛いい娘(こ)　　　かけてやりたや　優言葉(やさことば)　　　今の俺らじゃ　ままならぬ　　　　　　　　　　（MIDI制作：二木紘三）

2006年10月18日

男の色気

　｢残花抄｣の長橋中尉を苦みばしったいい男と書きましたら、　高倉健を想像したらしいのです。　おそらく中高年の方だと思いますが、高倉健も素敵だとは　思いますが、いまひとつ色気にかけるように思えます。　実は私は竹之内豊をイメージして書きました。　もっとも、これは私の偏った好みかましれませんが。　でも、竹之内豊には、どことなくはにかんだようなところが　あって、そこが、またいいんですけれど。　そこはかとなく男の色気を感じますね。　もしも、ご意見がありましたら、ぜひコメントしていただきたいものです。　では今日はこの辺で

2006年10月18日

網走番外地

　　　なにかの拍子に、私は学生時代に観た映画のことを　　思い出します。　　それは、高倉健主演の｢網走番外地｣というタイトルで、　　いわゆるやくざ映画の走りのようなものでした。　　その主題歌に　　｢赤い、真っ赤なはまなすが　沖を見てます、　　泣いてます　　その名は網走番外地｣　　とありまして、そのメロデイがはじまるときまって　　客席から｢健さん、待ってました！｣　　と掛け声がかかるのでした。　　学生街の場末の映画館には異常なほどの熱気がたちこめて　　いたのを今でもはっきりとおぼえております。　　青春時代のあの雰囲気を、なつかしく思い出します。　　　　　　　私の一句をご披露しますと　　　　　　　　はまなすや北前船の海はるか　　　千夏

2006年10月18日

わが恋や秋風渡る中にあり

わが恋や秋風渡る中にあり　　　鈴木真砂女　秋風が心地よく吹いております。　｢この恋もずいぶん古くなったものだが、秋風の渡る中で　今もって健在｣　と真砂女は書いております。　ちなみに、この相手とは、いくつか年下の元将校。　妻子があるために、彼の死に目にも会えなかった真砂女　でしたが・・・　それでも、家を捨て、夫を捨ててまで貫いた恋でした。　

2006年10月17日

骨の髄まで加賀女！

　　実は私は金沢近辺にうまれました。　もっとも育ったのは別の土地なんですが。　ですから、年とともに金沢が恋しくなりましてねえ。　これって里心がついたんでしょうか。　両親とも加賀人ですので、私にはいまだに加賀言葉が　抜けません。　たとえば、馬鹿のことを｢だら｣と言います。　｢だらくさい｣とはばからしいという意味でして、気がつかずに、　そう言っていることがありますからねえ。　自分は骨の髄まで加賀女だと自負しているんですよ。　ええ？　　加賀女ってどういう女かって？　では後日またそのお話をいたしましょう。　では今日はこの辺で、失礼！

2006年10月16日

茶碗を投げて！

　人には相性があると思います。　もちろん男女の仲にも。　茶碗を投げ合うほどにひどい夫婦げんかをするカップルが　あります。　それでもけんかのあとはけろりとしているので、はたで心配する　など野暮というものです。　がいしてこういう夫婦はかえって仲がいいのかもしれません。　言いたいことを思う存分言い合えるのは、精神衛生上大変に　よいことではないのでしょうか。　これも相性がいいわけでして。　昔からけんかするほど仲がいい、といいますからね。　まったくもって、うらやましい夫婦です。　私も今度生まれ変われたら、茶碗を投げて夫婦げんかをしてみたい　ものです。　では、また。

2006年10月16日

秋風や模様のちがふ皿二つ

　　　　　　　　　　秋風や模様のちがふ皿二つ　　　原　石鼎　だから、どうしたと言いたくなるような句ですが、　その背景を知れば、なるほどと納得するでしょう。　石鼎が身を寄せていた寺の住職夫人と恋に落ちました。　その夫人と駆け落ちしましたが、夫人だけが連れ戻され　たのでした。その際、生涯の思い出にしようと、片割れづつ　持った茶碗をながめて詠んだのが、この句だったのです。　もちろん戦前の話ですが・・・　　

2006年10月16日

義理人情がすたれて

　　近頃すたれてきたものに義理人情があります。　これもまた死語にちかくなってきたように思えます。　｢あのおかみさんは芸者あがりなんだってねえ｣　｢なにいってるんだい。昔はむかし、今はいま。　余計な詮索はするんじゃあない｣　と年寄りに叱られたものでした。　たしかに他人の過去をほじくるのは、よほどの暇人か、悪趣味　だったわけでして。　そんなことをしたって、なんにもなりはしなくても、それでも人の　恥部をあばきたてて面白がる輩のなんと多いことでしょうか。　それが、いじめというのでしょう。　大人にしても子供にしても。義理人情のかけらもないのですから。　いやなご時世ではありませんか。　

2006年10月14日

人は盗めどものは盗まず簾捲く

人は盗めどもものは盗まず簾捲く　　鈴木真砂女　「もちろん人のものを盗んだ覚えはないが、　人は盗んだ。　盗んだといっても、どちらに罪があるのか。　おたがいさまと言いたい」　と、真砂女は書いています。　人を盗んだとは、妻子のある人との　恋に走ったことをさしているのです。　たしかにどちらに罪があるか、など　言うだけ野暮ではありますが。

2006年10月14日

夢のつづき

　夢のつづきを見るなんて、生まれてはじめてです。　まず前編は、大学のころ心ひそかに好きだった人が　ある日突然たずねて来て、二人で手と手をとりあって　恋の逃避行ということになりました。　貨物船のような大きな船に乗って、船底の客室だろうと　思いますが、大勢の人がいるなかで身をよせあって　一枚の毛布にくるまれているのです。　寄り添っていても、私にはその人の体のぬくもりが　つたわってはこないのが、もどかしくてたまりません。　それでも二人はしっかりと手をにぎりあってはいるのです。　｢あの時君は卒業したら、田舎に帰って親のすすめる人と　結婚するっていったんだ。　だから、俺は君にふられたと思った｣　と、彼は小声で言いました。　そこで、目がさめました。　夢をみていたんだ、それもあの人の夢を。　そう思いながら、階下におりて用をたして、また　ベッドにもぐりこみました。　不思議なことに、また前の夢のつづきを見たのです。　シーンは前とおなじ船底の客室でした。　二人とも一枚の毛布にくるまれております。　彼は前の話のつづきをはじめます。　｢だから、俺は君をあきらめようとした。　検事に任官したとたんに網走に行かされたよ。　そりゃ、寒いところでねえ、君が恋しかった｣　そう言う彼の背広にはひし形の検事のバッチが　光っていました。　｢もう、これはいらないわよね｣　私はそう言いながら、そのバッチをはずしました。　｢うん、もういらないよ｣　彼はこれですっきりしたという顔をしました。　二人して甲板に出て、彼はバッチを海に向かって　投げ捨てました。　そこで、目がさめました。　気がついたら、枕が涙でぬれていました。　いったいどこであの人とはぐれてしまったんだろう、　と思うと、哀しくて涙があふれてきました。　　　

2006年10月12日

柴犬の根性

　我が家の愛犬タローは、いったん横たわると、なかなか　起き上がることができません。　で、なんども失敗してから、はずみをつけてようやく　起き上がります。　それを見ていると、可哀想なので、ついつい手を貸そうと　しがちなのですが、彼は自力でやろうとします。　そこが柴犬の根性のみせどころとばかりに、がんばります。　柴犬は体は小ぶりですが、気性がきついのです。　ですから、おむつになっても、それをものともせずに、　よろつきながらもとことこ歩いております。　そのいじらしまでの根性には、目をみはるものが　あります。　１２月２５日はタローの満１４歳の誕生日です。　それまでは、なんとしても、持ちこたえてほしいと　切に願っております。　

2006年10月11日

かなり悲惨！

　私の生活は、かなり悲惨になっています。　居間につかっている座敷は、新聞紙だらけになっているのです。　これは、愛犬殿がおしっこをもらすので、新聞紙をシートがわりに　敷いているからです。　だから、あまりにも見苦しくって人様にはお見せできるような　状態ではありません。　昨日も親友がコスモスの花を持ってたずねてきてくれましたが、　彼女は犬嫌いなので、我が家に足を踏み入れることは、　ありません。　むしろ、遠慮してくれるほうが、私としても助かるのです。　タローがあとどれくらいがんばってくれるかは、わかりませんが　私はこの悲惨さを、もう悲惨とも思わないで耐えるしかありません。　それでも、私はタローに｢タロちゃん、がんばろう！｣と語りかけて、　乗り切ろうとしております。

2006年10月09日

首筋が悪い？

私の地元では｢首筋が悪い｣という方言があります。　これは、標準語になおせば、｢運が悪い｣という　意味になります。　今時の若い人は、あまりつかいませんが、　お年寄りなどは、いまだにその言い回し方を　するのです。　｢あの人は首筋が悪いわ。　何べん結婚しても、相手に死なれるんやから｣　と、いうふうにつかいます。　近頃私も自分が｢首筋が悪い｣人間だと　思うようになりました。　男運もよくはなかったし、それに、なによりも　認知症の身内を抱え込んで、四苦八苦しているのも　運がよいとはとても言えません。　つまり、貧乏くじをひいたとしか、思えないのです。　これは、くじ運がなかったからだともいえますからね。　｢首筋が悪い｣のを治す方法はないものでしょうか？　　　

2006年10月09日

十六夜の出先にかかる電話かな

十六夜の出先にかかる電話かな　　鈴木真砂女　｢東京にでれば、その宿へ、町うちでも出先に　かならず主人から電話がかかってくる。　私自身に信用がないからだと言えば　それまでだが｣　と、真砂女は書いております。　この句を詠んだ頃は、まだ老舗旅館の　女将をしていました。　おそらく、この頃から彼女には好きな人が　いて、数年後には、その人のもとに走った　のではないかと思えます。

2006年10月09日

百方に借りあるごとし秋の暮

　　　　百方に借りあるごとし秋の暮れ　　石塚友二　　四方や八方どころではありません。　百方に借金があるというのです。　それを、さらりと言ってのけるのは、　開き直りなのでしょうか。　かえって男のあわれさが出ているように　思えます。　借金取りに追われながらも、なすすべもなく　秋の暮れをすごしている男の生きざまが　うかがえますね。　　

2006年10月08日

夜光虫一人泣くとき声漏らし

夜光虫一人泣くとき声漏らし　　鈴木真砂女　　｢主人の死を知ったその翌日から大洗海岸に　数日をすごした。この海につづく海辺の町で　死を迎えた人に親の死の時よりもさんさんと　涙を流した｣　と、真砂女は書いております。　その夫だった人を捨てて他の男に　走った真砂女だったのに、なぜそれほど　泣かねばならなかったのでしょうか？　夫婦のことは他人にはわからない、とは　言いますが、夫を捨てたということが、　真砂女の生涯の重荷になっていたのでは　ないかと思えてならないのです。

2006年10月07日

ここだけの話

　１０年ほど前に｢舞踏会の手帳｣というフランス映画を　ビデオでみたことがあります。　たしか戦前の映画で、主演女優の名前すら記憶に　ないのですが、その映画がなぜか鮮烈に思い出されて　なりません。　４０代くらいの、上流階級の未亡人がひまつぶしに　社交界にデビュウしたての１０代のころに舞踏会で　ダンスの相手をつとめた男性たちが、現在どうしているのか　ひとりづつたずねてゆく、というストーリーでした。　それぞれの男たちは、中年をすぎて、それぞれの人生を　生きています。　かつて若かりしころの面影などなく、生活の匂いをただよわせて　生身の姿をさらしているのです。　そんなストーリーでしたが、私もそんなふうに学生時代に出会った　男性たちをひとりづつたずねて歩きたいと、思うのです。　幻滅するだけかもしれませんが、彼らがどのような人生を　送っているのか、この目でたしかめてみたいと思うのですが、　まあ、今のような私の現状では、とても許されないことなのです。　だから、なおさら空想の世界だけでも、せめて一人ひとりを訪ね　歩くのも悪くはないと、想像をたくましくしております。　それも、私のひそやかな、そして、ささやかな楽しみのひとつでも　あるのです。

2006年10月06日

なんでこうなるの？

　今朝も起きるのがやっとでした。　　昨夜は早めに寝たんですけれど、ねえ。　　一体どうなっているんでしょうか？　　そのうえ腰が痛くってたまりません。　　まるで８０歳ほどの老婆になったような感じです。　　なんでこうなるの？！　　過労ぎみかもしれません。　　朝からしとしとと雨が降っています。　　こんな日はまったくブルーな気分！　　なにか楽しいことでも考えれば、ゆううつな　　気分がすっとぶんでしょうか？

2006年10月06日

曼珠紗華咲いてここがわたしのねるところ

　　　　　曼珠紗華咲いてここがわたしのねるところ　　　種田山頭火　山頭火は、俗世を捨てて禅僧となり、　托鉢をしながら放浪しますが、この句も　素直な心で詠んでいます。　彼岸花の咲きみだれているなかで　野宿するのでしょうか？　それとも、昼寝するのでしょうか？　

2006年10月05日

おむつじゃ散歩はできない！

　うちの愛犬殿はおむつになってしまったので、　散歩に行かなくてすみます。　それにしても１３年以上も毎朝ほとんど一日も　かかさずに散歩に連れて行っていましたから、　私としては、楽というよりも、淋しい気持ちのほうが　つよいんですね。　朝、犬の散歩をしている人をみかけると、　つい立ち止まって、しみじみと、いいなあ、と　思ってしまいます。　あとどれくらいタローが生きられるか、もう　時間の問題なのでしょうが、一日でも長く　生きていてほしいと願うことしきりです。　

2006年10月05日