天狼は宝珠に酔う/浅見茉莉
[★3.8]『天狼は宝珠に酔う』 浅見茉莉/朝南かつみあらすじ「わかるか…おまえのここが、俺の指に柔らかく絡みついてくるのが」匈奴の王である旋牙のもとへ楼蘭から送られた王子・景瓏は、初めての夜、強引に身体を奪われてしまう。旋牙が放つ溶けそうな熱、獣のようなセクシーな香り…何度も抱かれ快楽に酔わされる景瓏だが、旋牙の中にも激しい執着と独占欲が燃え上がり!?野性的で精悍な帝王と、けなげで純真な王子の、不器用すぎるくらいにまっすぐなロマンス、新婚生活編つき。 --------------------------------------------------------★4.0でも良いかな……と思わないでもない。最近、中国と言うか大陸アジアが流行りなの?一時期の砂漠の王子様が流行ったように、今度は中国内陸部の方が流行なのかなぁ。。。と言う訳で、舞台は匈奴、そこに人質に来た美貌の楼蘭の第三王子・景瓏に、、、一目惚れしてモノにしたくせに、匈奴の王・旋牙はなかなかそれが自覚できなくて、あまつさえ怯えるばかりの景瓏は思いを表すことが出来ず……。じれったいです。恭順な態度をみせ、唯々諾々と従うだけの景瓏の真意は当然旋牙は汲み取れず、猛々しい旋牙の振る舞いに、自信に余裕が無く上辺の事しか見えない景瓏は、その実旋牙が何を思っているのかを想像することも出来ない。テンパッちゃって居る二人の行為だけが先走り、その中に流れる気持ちの変化や心情が置き去りにされて――。なんつーか、玲瓏な美女の見た目に反して景瓏がウジウジちゃんに思えてイライラしてしまった読み始め。ちゃんと自分の意思を持ってそこにるのなら、旋牙の言うように自分の思いをちゃんと語れ!と、思ってしまう訳ですよ。旋牙は柳に風の如くな手応えの無いというか、得体が知れない景瓏に惹かれながらも、だから自分の気持ちを正しく計れなかったというか。それが、楼蘭王の崩御と、匈奴の漢との楼蘭を巡っての駆け引きのなかで己の心を素直に表すことをやっと知った景瓏に、とっくに旋牙はメロメロで~~~不穏な時代の流れの中で頑張って踏ん張って、流されまいと精一杯生きていく。そんな王様と王子様――。予定調和といっちゃ実も蓋も無いけれど、BLだから~、、、で案外アッサリと纏めた二人の気持とか回りの反応とか。お約束ではあるけれど、性格に捻りを入れているのだから、展開ももうちょっと捻りを入れても……と言う物足りなさを感じたかな。最初、表紙の絵に惹かれて手に取ってみた。浅見茉莉さんはデビューした時メッチャ好きだったんだわ。それが最近はご無沙汰でした。絵から受けるイメージが、話から来るキャラクターのイメージとちょっと違うかな、と思わないではなかったけど、そこらへんはご愛嬌かな~。