何を血迷ったか?
いつもは月曜日に行く実家だが、明日の月曜日は10,11月と2回も飛ばしてしまった会議がある日。3回はさすがに飛ばせないので、今日、行くことにした。ただ、今日の占い『外出したら、よくないので今日は家にいましょう』が気になったはいたが…日曜日なので中学生の娘も久しぶりに連れて行った。やはり、それだけでも違う。車でずっと、歌いっぱなしだった。それぞれ別の歌を…もし、3人目の同乗者がいたら、どれだけうるさかった事か?車の流れも違った。特に帰りは如実に表われていた。いつもは勤め帰りの車の渋滞に合い、車がなかなか進まないのにスムーズに進み、気持ちがいい。思わず、警察がいたらどうしようと思ったくらいだった。そして一番の違いでうれしかったことそれは日曜市が開催されていたことだ。私の実家のある島では日曜日ごとに漁師さんから直接、魚の買える市が開かれて町からお客さんが大勢、押し寄せるのだ。私もそれに混じって買い物に出かけた。実家から歩いても3分もあれば、市場に着く。いろんな魚のほかに今、旬のワタリガに、エビ、シャコ、ナマコ、など所狭しとトロ箱ごと並べられ売られている。大きなエイもトロ箱からはみ出していた。お客さんが珍しげに魚を見ている。『これ、なんやろう?』すかさず私が答える。『それは大きいほうがスズキ、同じ形の小さい方がセイゴですよ。』出世魚だから、形の大きい、小さいで名前が変わるのだ。ここに来ると私の天下だ。たぶん、全部の魚の名前がわかる。どう調理すれば、一番美味しく食べられるかも知っている。もちろん、裁き方もわかる。キスはから揚げにしたらおいしいし、ぬか炊きもいい。アラカブは煮つけか、みそ汁にコノシロ(コハダ)は刺身か、酢の物がいいクチゾコ(舌平目)はムニエルがうまい。エソはもちろん、すり身にして、天ぷらか、吸い物だ。トロ箱を見て今日の夕飯のメニューに思いをはせる…って、そんな余裕かましていたら、どんどん、トロ箱は他のお客のもとに行ってしまうのだ!そう、この市は時間との勝負。テレテレしてると欲しいと思った商品はゲットできないのが定め!目を皿のようにして、お目当ての物を捜す。今日は、キノコエビと舌平目が購入予定だ。ここのキノコエビはなんと、関口弘の『どっちの料理ショー』のエビチリと何かの対決の時に厳選素材で取り上げられ、取材に来たくらいの逸品なのだ。そして、見事、勝利をしている。本当に掛け値なしで美味しい。父から、ワタリガ二を頼まれたので、物色していると『〇〇さんの娘さんやろ?』と声をかけられる。『はい、そうです。』と言うと、『すぐ見てわかった、お母さん、そっくりやね。』と言い、一つのトロ箱を指差し、『これがいいけ、これにし?』と、一番いいのを選んでくれ、しかも舌平目の時は隣の盛ったかごから、さらに、3枚追加してビニールに入れてくれた。舌平目は10枚以上あったが、400円だった。が、家に帰って父に見せると『高すぎ!』と一言。普通の朝、開かれる卸売り市場だと、半値以下で買えるという。確かにその通りだ。トロ箱に100匹位入ったグチという魚を100円で買ったこともあった。これはアジのように開いて味りん等の漬け汁にしばらくつけ、味りん干しにするととても美味しい。手間がかかるだけの話で、なかなか作らないのが本音だが…そんなこんなで、今日は全然、何ごともなく、『外出していいことばかりだった』と自画自賛していた。帰り道、子どもが『コンビニに寄って』と言ったので一緒に入ると、毎月購入する九州地方限定の温泉本の今月号を見つけた。これも『ラッキー!』と思い、家に帰り、よく見ると、これは12月号、つまり、先月号で、しかもすでに買っていて読んだことに気づく。そう、いつも発売は毎月8日と決まっているのだから、『何を血迷ったか?おばさん、ほんと、ヤバイよ!』と改めて危機を感じた日曜日の外出最後のできごとだった。蓮4044