世代交代
『俺の誕生日はいつも餅つきだ』とぼやく旦那。そんな旦那を無視して、子ども達をせかせて、旦那の実家に行くため、車に乗り込んだ我が家はいつも家族の誕生日に外食する習慣があるのだが12月30日は朝から忙しくてそれどころではないのだ。結局、旦那の誕生日祝いは年明けになってしまう。餅つきは車で10分ほどの所にある、旦那の実家で行う。前日から自家製餅米を研ぐことと家で栽培した小豆で餡を煮るのは義母がしてくれる。まず、行くと最初にするのが餡の味付けだ。義母はいつも私の到着を待ち、味付けを依頼する。砂糖と塩を適当に入れる。(いつも適当だ!)硬かった小豆が一気にゆるくなる。それをまた、練っていくのだ。これの担当は今年、娘が買って出てくれた。それから、3段のセイロを出し、洗い、もち米をそれに入れ、旦那特製の釜にかけ、蒸していく。お米が蒸しあがるまでの間もやることはいっぱいだ。臼と杵の用意をし、餅を並べる板をきれいにふいていく。餅をこねる板も出してくる。それに片栗をまんべんなくつける。餅のあいどりのためのお湯を置くスペースを作る。あらかた準備が終わると餅の種類のつく順番を確認する。小餅を2回から、鏡餅が2回続き、また、小餅に戻り、それから餡餅、最後はカキ餅だ。その間に昼食時間がきたら、酢餅を作ることにした。餅つきの合間を縫って、準備を続ける。出来上がった餡をスプーン大の大きさにして丸めていく酢餅のため、大根を畑から引き、おろしをたくさんすり、酢をとるため橙を木から4、5個、ちぎってくる。この餅はつき立てならではの食べ方だ。実はこれが本日の一番の楽しみなのだ…この用意をしながら、私は感慨にふける。下手でも回数を重ねていくと何でもうまくなるものであいどりも餅を切るのも一人前になってきた。何よりも当日は何をするべきか自分で段取りがつけるようになった。毎年、繰り返される年中行事最初はわけがわからなく、義母の指示に従い、やっていた。今では、私が義母に『アレはどこ?これはどうした?』と指示を出し、義母が動いている状態だ。義母も年取ったせいか、今では指示するより、私から言われて動いた方が楽なんだそうだ。世代交代か…気がつけば、偉そうに義母をあごで使う、私がいた。それを改めて今日は認識してしまった。人に指示されるのはいやで、怠けず嫌いの私だが責任の重さを思うと確かに従っているほうが数倍、楽だなと感じた。が、義母の仕事を少しでも軽減させてあげることも私の嫁としての勤めだと思うので今年はこんなもんで許してもらおうと勝手に決め込んだお祝いなしの旦那のバースデーだった。PS 高校生の息子も世代交代?お父さん、おじいちゃんに代わって今日一番、回数を多くついたのは息子でした。しかも、フォームが確実に良くなって、無駄な動きがなくなった。楽に負担をかけずにつく方法をいつの間にか体で覚えている。なんか、嬉しくなった…って、旦那、テレビ、観てんじゃないわよ! 正月に万年青を活ける。(お花の先生宅で)万年青は決まり事が多く、難解な生け花です。差し口が全て決まっており、葉の素生を見ながらどこにどれを差していくか決めます。下はそれも図解です。これを見ないと次はもう、できません。