田上山のトパーズ
田上山のトパーズ 田上山(太神山)は、大津市の南、湖南アルプスにあるペグマタイト(花崗岩)の山で、透明のトパーズが採集できます。 車で行ける天神川の上流は、夏は水遊びにも最適で、子どもと行っても楽しめるのですが、採集地のある中沢晶洞に到着するまで、途中分かりにくい山道を通るので、最初は行ったことがある人と同行する方が間違いありません。 「駐車場」 里町(小学校を目安にするのが分かりやすい)から天神川を上流(東)に向かい、バス停を越えてさらに進むと、10台ほど駐車ができるスペースがあります。ここをベースにスタートするのが、最も楽に中沢晶洞まで行けて、約1時間強ほどかかります。「最初のゲート」 田上山では、昔、樹木が伐採され、山が丸坊主になってしまったため、砂防工事と松の植樹に取り組んできた歴史があり、途中までの林道は国によって管理されています。 そのため、駐車場のすぐ先には、一般車両が進入できないよう、ゲートが設置してあります。 この少し先に2つ目のゲートがあり、まずはこの林道を1時間弱歩くことになります。 「0.5キロ地点」 ゲートを越えてからずっと、上り坂が続きます。林道はこの先3.5キロ地点まで続くのですが、0.5キロごとにポールが立っていますので、どこまで歩いたかのチェックが容易にできます。「2.0キロ地点」 駐車場からこの少し先まで、ずっと上り坂が続き、夏場は結構辛いものがあります。 山全体は花崗岩質で、土が痩せているため植相に乏しいのですが、この付近では6月にはノイチゴがなります。 「2.5キロ付近の展望」 2.0キロを越えた少し先で、やっと道が平たんになります。2.5キロのポールの手前では、北側に琵琶湖と大津市の市街地が眺望できます。 この斜面は、植物も少なく、砂防の工事が進められる前の山の様子がうかがえます。「3.5キロ地点」 2.5キロ地点を過ぎると、ゆるいアップダウンが続きます。3.5キロのポールの場所が林道の終点で、ここから先は、登山道(というかけもの道)や沢を歩くことになります。 画像の右の奥の方向に進み、急な斜面を下ります。「小川を越えて」 斜面を下りきると、沢(小川)があるので、この沢を越えて少し行ってから右折し、越えた沢を右手に見ながら上流に遡る感じで、先に進みます。テープやビニールロープの目印が随所にありますが、過信は禁物です。「沢沿いを行き止まりで左に」 沢沿いにどんどん進み、右手の沢がかなり低い位置になるところで、行く手を木(青くスプレーが塗られている)に阻まれます。 ここで直角に左に曲がり、小さい尾根を越えて、次の沢にでます。「2つ目の沢を右に」 この尾根を越えると、すぐに次の沢があるので、これを右手に曲がり、沢を上流にひたすら遡っていきます。 沢は水量も少なく、すぐに涸れ沢になります。「晶洞前のズリ」 そのまま涸れ沢を進むと、ズリが見えてきます。 3.5キロ地点の林道を離れてから500メートル程度でしょうか。 時間にして10~15分程度でズリに到着します。 鉱物の世界では、鉱山で採掘された鉱物の選別跡を「ズリ」といいます。 世界でも有数の大きさのトパーズが発見された、中沢晶洞の前のズリがトパーズ拾いのポイントになります。 人里離れた山の中の採集地なのに、全国的に有名な産地だけあって、一日いて誰にも会わないということは、まずありません。 この日は、地元滋賀県と三重県の方が来られていました。「中沢晶洞」 この穴が中沢晶洞です。中に入ると6畳間ほどの広さがあり、更に奥へ奥へと穴が掘られています。 大当たりで大物が入手できることもあるそうですが、私は生き埋めになるのが怖くて、とてもこの中を掘り進む気になれません。「トパーズの産状」 ズリの表面を観察するだけでも、小さなトパーズを手に入れることができます。特に雨の後は狙い目で、雨にながされた後、比重の重いトパーズが、流されずに地表に残るのです。トパーズかどうか同定できるようになるには、慣れが必要です。 何回も通っても、半日頑張って2~5ミリの結晶や破片が、2、30個採れれば上出来です。1センチを超えるものにはなかなか出合えません。 売って大した金額にはなりませんので、要は自分で宝石を探すという冒険心が満たされるところが楽しいわけです。 帰りもまた道を失いやすいので、注意が必要です。