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[小説・歴史・ファンタジー] カテゴリの記事

全115件 (115件中 51-100件目)

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• 「せせらぎの音」　　第３話

  「せせらぎの音」第１話・第２話出会いと言うものは、一言では言い表せないものですね。その方と一緒に行った講演会で、私は、一つの「藁（わら）」を見つけたのだと思います。溺れる私が手にした「藁」は、一見儚い物のように見えましたが、実際は、大きな「浮き輪」でした。今日まで、私が、多くの同業者の廃業・倒産を目にしながら、自らはそうならずにいられたのは、そこで、勉強してきたからと言えると思います。さて、そこには、将来に夢を持つ、同世代の青年もたくさん来ていました。静岡県全体だと、数百人はいたのでしょうか？・・・・名簿上の人数も結構いたように記憶しています。その若い世代の中で、半年後に、私は県西部のサブ・リーダーをしていました。この頃、講師の先生から教えていただいたことが、人間としての私の基礎を作っていきます。若くして、人生の良き師に出会えたことは、私の人生においての転機となりました。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.08

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• 「アンダー」　第２話

  就職情報誌で見つけた会社に、手当たり次第に面接をした。ただ、一つだけ私には条件があった。それは、すぐに営業に出してもらえると言うこと。アパレルも呉服と同じで、その当時は、１年目は商品の出荷担当という会社が多かった。しかし、これでは、商品の出荷をするだけで、なにも勉強にならない。そこで、早い段階で、営業に出してくれる会社を探した。数社面接をして、来てくれといわれた会社も何社かあった。が、結局、尾道商事に就職することにした。（尾道は仮名です）入社するまでは、まったく気がつかなかったが、この会社は、実はとても変わった会社だった。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.07

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• 「せせらぎの音」　第２話

  実家に帰り家業を継ぐことになった私でしたが、私を待ち構えていた環境は、生易しいものではありませんでした。卸業をしている我が家にとって、得意先の経営者の方々の高齢化と後継者不足は、深刻な課題でした。ただ、当時はバブル、。売り上げはあったのです。しかし、１０年後のことを考えるとぞっとしました。何か対策を考えなければと・・・。そんな環境でしたから、このころの私は、藁にもすがる思いで、いろいろな経営コンサルタントのセミナーに通いました。そんな私に目をつけて下さった経営者の方がおります。セミナーでは、常に、最前列の中央、演壇の真正面に座っておりましたので、何回かご一緒すると覚えてくださったようでした。その方は、名前を出したら多くの方がご存知の経営者の方でした。ある日、「私の行っている勉強会に行ってみる？」とお声をかけていただきました。私に断る理由はありません。約束した日、約束の時間に、その方を待ちました。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.07

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• 「アンダー」　第１話

  私は、昭和６２年から平成元年まで、大阪のあるメーカーで営業マンとして、仕事をしていました。今回、その時の経験を基にアパレル業界の裏の部分をノンフィクションに近い形で書いていきたいと思います。では、「けもの道」（アパレル編）を改題して「アンダー」第１話。昭和６２年、私は３年間の呉服製造卸の修行を終え、１年間アパレルメーカーに身をおくことにした。それは、今後の商売の展開を考えるにあたり、実家の家業である地方都市の呉服卸業には限界があると考えたからだ。幸いにして、呉服製造卸の社長は、私の退職を惜しんでくれて、「もう１年、ここにいたらどうや。」と熱心に誘ってくださった。しかし、この会社の社員の雰囲気に見切りをつけていた私は、この申し出を「ありがたいことです。」とは、社長に言ったものの、「アパレルの世界も見ておきたいので。」と言って、新しい世界へ旅立つことにした。・・・・この時、２６歳。新たな挑戦が始まった。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.05

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• 「せせらぎの音」　第１話

  １９８９年３月、私は京都で３年、大阪で１年の修業を終え、両親の待つ店に帰ってきました。季節は春、新社屋完成前の仮住まいは、昭和２０年代に建てられた遊郭の後で、玄関の広間にある丸窓が、古ぼけた屋敷の中で、古き良き時代の佇まいを残していました。この年の１月に昭和天皇は崩御され、時代は平成へと移り変わっていました。その時、私は２８歳。新しいスタートが始まろうとしていました。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.05

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• 「路地裏の柿」を書き終えて

  「路地裏の柿」は私の２２歳の頃の現実にあった出来事でした。最初は、思い出の中にある、彼女の笑顔と言葉を書きたくて書いていたのです。ただ、結末は、どうなるんですか？と結末を気にしてくださった方がいたのですが、このストーリーは、あまりにリアルに、あの時のことを再現しようとしたために、我ながら、つくづく馬鹿だと思いますが・・・・。あの時に味わった、寂しさや苦しさが、少なからず私の心に蘇ってきています。本当にバカですね。(苦笑）さて、そのために、今度は、ハッピーエンドになるラブ・ストーリーを書くことにしました。次回作は、「せせらぎの音」です。楽しみにしてください。早ければ、今夜までにアップいたします。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.05

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• 「路地裏の柿」　第２０話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話・第13話・第14話・第15話・第16話・第17話・第18話・第19話長かったこの話も、いよいよ今回が、最終回です。１９話で終わるところでしたが、書き落としたことがありました。・・・「あとがき」に変えて。彼女とサンシャイン６０で会った時、外のベンチで彼女は、柏原芳恵の「最愛」を歌ってくれた。「・・・・でも一番に、好きだったのは、私、だれにも言わないけれど、死ぬまであなた。」彼女はこう歌い終わると、信じられないことを言った。「私、桜木さんと一緒になれなくてもいいの。でも、１つだけ、どうしても、したいことがあるの。」「なに？」「それはね、私、たとえ２人が一緒になれなかったとしても、いつまでも、あなたの心の中で、ミキはいい女だったなぁ～って、思ってもらいたいの。そしてね、私は、あなたの心の中で、永遠にいい女であり続けるの。あなたにとって、忘れられない、いい女。・・・・・永遠に忘れられない。いつまでも、いつまでも・・・・・。」恋愛がまさに始まろうと言う時に、彼女の言ったこの言葉は、私に不吉なものを感じさせた。そして、その予言ともいえる言葉は、私の心に突き刺さったままだ。・・・・・・・・・・・・この話は、彼女と私の名前以外は、ノンフィクションです。彼女のこの言葉通り、彼女は私にとって、忘れられない女性になりました。「最愛」を歌い、この言葉を残した彼女。私を「海」といい、別れ際に涙を残した彼女。普段は記憶の彼方にありますが、今回、書き残すことにしました。私と彼女の青春の１ページです。今、彼女が、どこで、どうしているのかすら、私はまったく知りません。小説にする文才があれば、小説にしたいような話です。その時は、物語の主人公には、ハッピーエンドであって欲しい。現実は、あまりに寂しい別れでした。急に燃え上がった炎だけに、中途半端に焼け残った跡は、無残でした。この後、私は、数回の出会いと別れを経験し、妻と出会います。妻と結婚を決めた時の話は、機会があれば、また書きたいと思います。いづれにせよ、このミキという女性とは、キスさえしない間の恋でした。それゆえに、未だに印象に残っているのか？そうでは、ありませんね。・・・彼女が私に言った言葉の多くが、彼女だけの言葉だったからです。多くの女性が、語らないような言葉を、彼女は私に告げました。その時の彼女の想いが、未だに私の心の奥底に、突き刺さったままなのでしょう。いつ、それが、取れるのか？一生取れないのか？それは、私にもわかりません。恋は、心と心でするものです。付き合おうと言って、すぐホテルに行く。・・体が結ばれていないと不安なのかな？・・・今の若者は。私は、永遠に忘れられない女になると言った、彼女の魔法から未だに抜けきれないでいます。人は、心で愛すもの。肉体は、それを表現する手段に過ぎません。相手を自分の命よりも大切に思う心。それが、愛のような気もします。・・・偉そうに聞こえたらすいませんが・・・。妻と結婚した理由の１つは、この人なら、一生愛し続けることが出来るだろうと感じたからです。私は、自分の欲望のためだけに、女性を抱くことは出来ません。愛情は、お金には変えがたいもの。心を大切にして、生きてゆきたいと思います。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.04

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• 「路地裏の柿」　第１９話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話・第13話・第14話・第15話・第16話・第17話・第18話年が開け、私は東京へと戻った。だが、心は釈然としなかった。・・・何が正しく、どうすべきか。分かってはいなかったから。食堂で彼女に会いたくは無かったから、戻ってから数日は、あの店にも寄らなかった。12月からは彼女も、バイトの回数を減らし、その時間を勉強にあてていた。しかし、久しぶりに行くと、彼女がいた。・・・・きまずかった。思ったとおり、電話が来た。・・・・私からは、かけたくなかった。彼女は言った。「私、あれから荒れたわ。あなたにふられたと思ったから。何度も、何度もコンパに出たわ。・・・あの時、あなたに怒られると思ったの。そうしたら、自分でも思ってもみないことを言っていた。悲しかったわ。・・・酔っていたから。電話も出来なかった。・・・それでも、電話しなきゃ、と思ってかけても、もうあなたは留守だったわ。だから、荒れたの。自分のバカさにあきれて・・・。そんな時に、付き合ってくれと言ってくれた人がいたから、付き合うことにしたの・・・。」「そう・・・。その人は、どんな人？」心の中で、私は、勉強の邪魔にならない相手と、本当の恋が出来るのか？と思っていた。「結局、桜木さんは、私のことをどう思っていたの？」と彼女は聞いた。「卒業までの半年間、都合がいい女が出来たって思ったの。」聞いていて、切なくなった。俺はそんな女の愛し方はしない。「違うよ。一生愛すつもりだった。」まともな言葉にはならなかった。怒りと悲しみで感情が乱れていた。その後、何を話したのかは覚えていない。「受験勉強頑張ってね。」とは、言ったと思う。それが失敗したら、何のために、私が、引いたのか分からなくなる。その後、連絡は取らなかった。けれども、下宿を離れ、京都に立つ時に電話をした。同室の東大生の女の子は、彼女が受験に合格したことと、今はいないと言うことを事務的に告げた。・・・・・・・・・・・・・・・・・京都。8月は暑い。盆地の夏は、どうしてこうも暑いのかと思う。そして、また、冬が来た。私は「ルビーの指輪」歌詞を思い出していた。「・・・・そして、2年の月日が流れ去り、街でベージュのコートを見かけると、指にルビーのリングを探すのさ、あなたを失ってから・・・・。」街を行く女性が、デニムのジャケットを羽織り、黒髪が美しく、小麦色の肌をしていると、かたえくぼを探している自分がいた。バイクで走る私の胸に、冷たい風が流れ込んでくる。堀川通り。いちょう並木は、輝くばかりの金色をしている。だが、私の心には、木枯らしが吹いていた。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.04

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• 「路地裏の柿」　第１８話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話・第13話・第14話・第15話・第16話・第17話覆水盆に返らずと言う。一度掛け違えたボタンは、もとに戻せないのだろうか。それからの数日、私は自分の気持ちを抑えるので精一杯だった。彼女への恋心は募るばかりだった。・・・・しかし、大学には受かって欲しかった。それが、彼女の夢だと言うなら、叶えたい気持ちでいっぱいだった。私は、彼女と会うのを控えた。・・・会わなかった。・・・模試が続いたからだ。会いたいという抑えられない気持ちと、彼女の希望を叶えたいと言う気持ち、私は後者を優先させた。それは、22歳の私にとっては、かなり難しい選択だった。そんな心でいる時、彼女の帰りが遅い時があった。何度かけても繋がらない。同室の友達も、どこに行ったのか知らないと言う。心配になった。探すことも出来ない。23時を過ぎ、24時に近づこうと言う時、彼女から連絡があった。ベロベロに酔っていた。「どこに行ってたの？」「コンパだったの。」「コンパ？こんな時間まで。勉強はいいの？」「だって、あなたが受けるわけじゃないでしょ。私は私、あなたのものではないわ。」自分の体に何かが走った。「何を言ってるんだ！・・どれだけ心配したと思ってる。何がコンパだ。・・いい加減にしろ！」若かった。・・・・怒鳴っていた。年が明けてから、彼女はこの時の心境を私に語った。「怒られると思った。それで、どうしてか、あんなことを言ってしまったの。取り返しのつかないことをしたと思ったわ。」数日間、私は東京にいた。しかし、単位をほとんど取り終え、就職も決まっている私にとっては、東京に留まる理由はなくなっていた。つくづく、今なら、あの頃の私にアドバイスしたいと思う。が、過去へは戻れない。我慢し、応援し、心から心配した挙句、開き直られ、捨て台詞を言われた。心底、頭にきた。・・・・しかし、心の片隅では、早く謝ってくれ・・・と願っていた。彼女からの連絡は、1週間なかった。・・・出来なかったのだ。私は帰省した。・・・帰省すれば、彼女からの連絡はこない。連絡先を知らなかった。携帯電話が無い時代の恋。チャンスはタイミングと共にある。帰省すると、そこには、アガサ・クリスティー並みの洞察力のある母がいた。「どうしたの？何かあった。」巧みな誘導尋問には、かなわなかった(苦笑）容疑を全部白状すると、母は一言だけ言い残し、席を立った。「本当に好きなら、電車賃出してあげるから、会いに行っておいで。」さすが我が母、カッコいい台詞だ。が、この頃の私は、あまりに幼く意固地になっていた。悪いのは俺じゃない。彼女のほうだと。・・・・・・・・・・・・・ここで、私が映画監督なら、こんなストーリーには絶対にしない。映画ならこうなる。母を友人に代えてもいいが、アドバイスを聞いた主人公に、東京行きの新幹線に飛び乗らせる。その間、ずっと全力疾走だ。駅に着き、彼は、花屋で大きな花束を買う。・・・それを抱えると、全力で、彼女のアパートに向かうのだ。季節は、クリスマス。・・・街は恋人であふれている。後悔をしながら、肩を落とし帰って来るヒロイン。・・・・彼女の目に、ケンカをして分かれた恋人が映る。・・・・彼は花束を持っている。「メリークリスマス！」二人は抱き合い、キスをする。・・・・・エンドロールが映し出され、ラブソングが流れる中、映画は終わりを告げる。・・・・・・・・・・・・・・・だが、現実は儚い。このまま二人は、寂しく年を越える。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.04

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• 「路地裏の柿」　第１７話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話・第13話・第14話・第15話・第16話ちょうど、その頃、茨城の大学院に進学した小・中・高校の同級生・親友Yが訪ねてきた。それで、思わず、彼女のことを話してしまった。当然のごとく友人は、会いたいと言った。そこで、電話をしてみたのだが・・・・。その時の彼女は、頑として会えないという。どういう理由があったのかは分からないが、どうしても会えないの一点張りだった。「顔を見せてくれるだけでもいいから・・・。」と言っても無駄だった。さすがに私もこれには頭にきて、「どうして、そんなに強情なんだ！」と語気も強く言ってしまった。結局、ダメだった。「桜木はいいな。俺は彼女とそんな風に本音で喧嘩もできない。」と友人が寂しげに語ったのが、今でも耳に残っている。しかし、私は、二人のはっきりとした性格が、ひとたび噛み合わず、衝突した場合の怖さを感じた。お互い背負っている過去がある。両親の姿がある。両親と同じ道は、歩みたくは無かった。それから何日後だっただろうか。勉強をすると言う彼女を、「それならうちでも出来ると思うよ。」と私の下宿先で勉強してもらうことにした。その時、近くに住む大学の友人から電話があり、彼女に会いたいといい、急いでやって来た。3人でいろいろと話したが、その時、彼女はこんなことを言っていた。大学のコンパで知り合った男の子から、何度も何度も付き合ってくれと告白されたと言う。最初は、きっぱり断っていたが、何度も何度も言われていると、根負けしそうになる・・と。私へのあてつけなのかな？と思った。・・・だが、そう言う言葉に置き換えてまで、その一言を私から言って欲しかったのだと、心から感じた。「すまないことをした。」と思った。友人は、タイミングを見て、アパートを後にした。何時だったのだろうか？食事をどうしたのかも忘れてしまった。ただ、帰りに彼女をアパートまで送っていく時に、夜霧が出ていたのを覚えている。寒い冬の道、彼女と肩を寄せ合いながら、街灯のぼんやりとした明かりの中を歩いていた。ふと、彼女は立ち止まると。「今日、こんなに勉強できると思わなかった。」と言った。「二人、一緒にいるだけでも、心は落ち着くよ。」「ありがとう。」「勉強を代わってしてあげることはできないけど、優しく見守るぐらいはできるよ。」と私は言った。どのぐらいの時間があったのだろうか。ほんの数秒の間だったのかもしれない。彼女は、一度白い息をして呼吸を整えると、こんな台詞を言った。「あなたは、海。・・・広くて、深い・・・。」夜は静けさを増していた。その中で彼女の澄んだ声が、私の心の奥に突き刺さった。「ありがとう。」・・・・そう一言だけ私は言った。アパートは、もうすぐ近くだった。私は、彼女を抱きしめた。何秒たっただろうか。不思議とキスはしなかった。彼女と離れることを寂しく思った。一緒に住めたらいいのにと。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.04

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• 「路地裏の柿」　番外編

  いつも「路地裏の柿」をお読みくださっている皆様、本当にありがとうございます。また、昨夜のお披露目会で、朝起きると必ずPCを立ち上げ、続きがアップされているかな？と確認する。と言ってくださったO33さん、ありがとう、心から感謝しています。さて、この物語（ノン・フィクションですが）、もう半分を過ぎました。次回ぐらいか、その次ぐらいに、私がこの物語を書くきっかけとなった、彼女の台詞が登場します。では、そんなすごい台詞かと言うと、人によっては、受け取り方も感じ方も違うだろうと思います。まだ、２２歳の私にとっては、その言葉は、心の奥に深く刺さる重い一言となりました。「最愛」の歌詞と、この言葉を書くために、このストーリーを書いたと言っても過言ではありません。人には、忘れようとしても、忘れられない思い出もあります。人との出会いは、感動です。これからも貴重な出会いに恵まれたらいいなと思っております。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.01

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• 「路地裏の柿」　第１６話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話・第13話・第14話・第15話彼女が語った、私と会えないという理由は・・・・・。それまでも、彼女とデートする時、日曜日に用事があって「この日はダメなんです。」と言う日があった。・・・・少し気にはなったが、何かの用事だろうと思っていた。ところが、この用事が、問題だった。彼女は、模試を受けていたのだ。・・・大学受験の。一浪し６大学の１つに入学した彼女には、その大学のキャンパスが理想とは、だいぶ違ったようだ。そして、彼女は昔から憧れていた、「女子大」を受験しようと思ったという。何事にも一直線な彼女は、私と知り合ってからというもの、「受験をとるか、恋をとるか。」で迷っていたという。そして、受験を取ることに決めた。・・・・理由は、たった一言だった。私が「付き合ってくれ」と言わなかったから・・・・。唖然とした。確かに、言ってはいなかった。しかし、「好きだ」とは言った。大事な人。大切な人。一番信頼できる女性。・・・たぶん、こんなことは、言っていたと思う。不思議なことだが、私は、今までの人生で、女性にこの言葉を言ったことが無い。一度も。それでも、何度か恋もしたし、女性ともお付き合いもした。結婚もした。当時、あまりのショックに、ゼミ合宿の時に、後輩に尋ねた。「女の子と付き合う時には、みんな必ず『付き合ってくれ』って言うの？」と「それは、桜木先輩言いますよ。」「あ、・・・そう。」「そうですよ。ね、○○ちゃん。」後輩の女性へと質問はパスされる「それは、言ったほうがいいですよ。はっきり、分かりますから。」なるほど、と思った。この時の後悔は大きかった。それだけ、失うものが大きいと感じたからだ。情けなかった。こんなたった一言で、終わりになるのか・・・。なんとか、できないのか。私は、もう一度、彼女と会うことにした。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.12.01

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• 「路地裏の柿」　第１５話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話・第13話・第14話人生と言うものは、予測がつかない。信じられないような展開も時には起こる。３回目のデートは、吉祥寺の映画館で「ブレスレス」を観ることになった。それまでも、相変わらず食堂では彼女と会うこともあったし、電話で話すこともあったと思う。ところが、この日彼女の様子は、明らかに沈んでいた。「なぜ？」・・・疑問が浮かんだ。その前に、彼女のことについて少し語っておきたい。彼女は、非常に努力家の女性だった。沖縄のある島の公務員の父親の娘として育った。兄弟は確か妹さんがいた。そして、これは、うちの両親も同じであったが、彼女の両親も喧嘩が絶えなかったと言う。中には、この場で書くことも憚られるような、凄まじい喧嘩もあったと聞いた。「この子は、心に同じ傷を持っている。」と、　思った。説明のいらない寂しさを、　私たちは共有していた。性格は情熱的で、一途な子だった。「All or Nothing」・・・彼女と私が好きな言葉だった。「全てかゼロか」中途半端はいらなかった。・・・二人ともはっきりとした性格だった。正義感が強く、真面目で、半端は嫌い。完全主義的ところがあった。これが、当時の二人の共通した性格。一度言い出したら聞かないような、彼女は強さを持っていた。現役の時、大学受験に失敗した彼女は、自宅で「宅浪」（予備校に行かずに自宅で自習する浪人生のこと）して、見事に大学に合格した。並みの精神力では出来ないことだと思った。結果的には、この似すぎた性格がいけなかったのかも知れない。「ブレスレス」・・・この映画は、若い遊び人のリチャード・ギア(主人公）が、フランスから留学した女子大生に恋し、何度も何度もアタックをして、ついに彼女も振り向き、結ばれ、駆け落ちして行くのだが、最後の結末は、ハッピーエンドでは無かったような気もする。彼女は、この映画を見て、大粒の涙をずーっと流していた。「なぜ？どうして？」疑問に思った私は、彼女に聞いてみた。「女の子は、好きな人から何度も何度も『好きだ！』『好きだ！』って言ってもらいたいものなの。」と言った。その理由だけで、あんなに泣けるの？彼女は、その日映画を見終わったあとも沈んだままだった。・・・さすがに気になった。何が原因なのか。そして、別れ際、「もう桜木さんとは会えない。」と・・・・。私は、何がなんだか分からなかった。なぜ？？？？この答えが分かったのは、いつかは、しっかりと覚えてはいない。ただ、この日か、翌日か、そう遠くない日だったことは、覚えている。理由を聞いて、私は愕然とする・・・。「そんなことって、あるのか。」と。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.27

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• 「路地裏の柿」　　第１４話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話・第13話午後5時が過ぎた頃だろうか、東武デパートに着いたのは。そのころの東武デパートの最上階には、見晴らしの良いレストランがあった。しかし、私は貧乏学生。そんな高級品は食べられない。ところが、ここは１５００円ぐらいからセットメニューがあり、私でも行けるお店だった。彼女と緊張しながらお店に入った。このお店には、何回か来たことはあったが、今回は、相手が違った。運良く、早い時間だったせいか、窓際のテーブルが空いていた。晩秋、今にも夕陽が沈もうとしていた。この時、彼女のことを「好きだ。」と言ったのか、どうか。今、真実は、記憶の彼方にある。たぶん、ストレートではないにしろ、気持ちは伝えたと思う。夕闇がせまり、夜の帳（とばり）が降りようとするころ、BGMでシカゴの曲が流れた。「この曲、シカゴ？」彼女は聞いた。「そうだね、シカゴだと思う。」「・・・曲は、シカゴの『素直になれなくて』が、かかっているけど、今の私は、とっても、素直だわ・・・。」ポツリと彼女はつぶやいた。「もう少しゆっくりしていけると、夜景が綺麗なんだけどね。」あたりのネオンが灯（とも）りはじめ、街が艶やかに輝く前に、私たちはレストランを後にした。店はようやく人が混み始め、スタッフも慌ただしく動いていた。彼女が「半分出します。」と言うのを、手を振って「いいよ。」と私は応えた。いつも彼女の気配りは、さりげなく細やかだった。・・・どう言う訳か、私は繊細な心配りが出来る人に惹かれる。・・・素直な女性にも。これは今でも変わらない。二人、お腹も心も満たされて、久我山へと向かった。私の肩に頭をよせて、寄り添う彼女。・・・ただ、それだけで幸福だった。このまま時間が止まればいいのに、と思った。電車に乗っている時間が少しでも長ければ、・・・・儚い思いだった。けれど、アパートまでの距離は、確実に減っていく。駅に着いた時の、夢から覚めたような感覚はなんだったのだろうか。もう、あとわずかで、この時間は終わってしまう。「さよなら」を言うまでの距離は近づいていた。次に会う約束をしようとすると、「次の日曜日はダメなんです。」と彼女は言った。残念だった。細い路地を曲がると、いつも見る柿の木があった。沈黙を破るかのような、明るい声で、「知ってました？この柿、渋柿じゃないって？」「そうなの？・・・食べたの？？」「え？」と彼女は、いたずらっ子のように微笑むと舌をだした。「思ったよりも、甘いんです！・・・・取りましょうか？」「え？？、いいの？」その言葉が終わるより早く、彼女の右手は、柿の木の枝に伸びていた。そして、小学生の握りこぶしほどの柿の実を、ひとつ私に手渡すと笑った。頬のエクボが可愛かった。アパートは、もう目の前だった。「今日は、ありがとうございました。」そう言うと彼女は、ぺこっとお辞儀をした。「こちらこそ、ありがとう。楽しかった。」私もぺこりとお辞儀をした。夢のような時間は、心地よい余韻だけを残し、跡形も無く消え去っていく。自分の下宿への帰り道、可愛い彼女のことだけで、頭がいっぱいだった。こんなにスムーズな恋愛の経験が、私には無かった。本当にこれは、現実か？と、頬をつねりたい気がした。いや、つねったと思う。「・・・・・現実だ。」そう思うと、ただただ嬉しく、舞い上がるような気持ちでアパートに着いた。貧乏下宿は、お世辞にも綺麗とは言えなかったが、部屋はきちんと片付いていた。・・・なぜか、ここだけはA型の一面が残っている。6畳一間のアパートの冷蔵庫の上に、「柿の実」を置いた。真っ暗い部屋のついたばかりの蛍光灯の光に、柿の実のオレンジは、鮮やかに輝いた。そして、そのはっきりとした輝きの中に、彼女の笑顔と柔らかなぬくもりを、僕は感じた。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.25

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  奇貨居くべし

  これも私が好きな小説です。もともと歴史小説は好きですが、これははまってしまいました。５巻ありますが、４巻までは一気に読めます。有名な「和氏（かし）の壁」の話から始まり、少年「呂不韋（りょふい）」の冒険が次から次へと進んでゆきます。多くの人との出会いの中で、「呂不韋」少年は思慮深い逞しい青年へと成長していきます。「呂不韋」は秦の始皇帝の父とも言われる人ですね。司馬遷はこの「呂不韋」が商人の出であることもあってか、史記の中であまりよく書いてはいません。その「呂不韋」をここまで魅力的人物に書き上げたのは、作者の宮城谷昌光氏の腕としかいいようがありません。素晴らしい小説です。お読みでない方は、是非一度お読みください。歴史が苦手な方でも楽しく面白く読める小説です。

  2006.11.25

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• 「路地裏の柿」　第１４話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話・第13話午後5時が過ぎた頃だろうか、東武デパートに着いたのは。そのころの東武デパートの最上階には、見晴らしの良いレストランがあった。しかし、私は貧乏学生。そんな高級品は食べられない。ところが、ここは１５００円ぐらいからセットメニューがあり、私でも行けるお店だった。彼女と緊張しながらお店に入った。このお店には、何回か来たことはあったが、今回は、相手が違った。運良く、早い時間だったせいか、窓際のテーブルが空いていた。晩秋、今にも夕陽が沈もうとしていた。この時、彼女のことを「好きだ。」と言ったのか、どうか。今、真実は、記憶の彼方にある。たぶん、ストレートではないにしろ、気持ちは伝えたと思う。夕闇がせまり、夜の帳（とばり）が降りようとするころ、BGMでシカゴの曲が流れた。「この曲、シカゴ？」彼女は聞いた。「そうだね、シカゴだと思う。」「・・・曲は、シカゴの『素直になれなくて』が、かかっているけど、今の私は、とっても、素直だわ・・・。」ポツリと彼女はつぶやいた。「もう少しゆっくりしていけると、夜景が綺麗なんだけどね。」あたりのネオンが灯（とも）りはじめ、街が艶やかに輝く前に、私たちはレストランを後にした。店はようやく人が混み始め、スタッフも慌ただしく動いていた。彼女が「半分出します。」と言うのを、手を振って「いいよ。」と私は応えた。いつも彼女の気配りは、さりげなく細やかだった。・・・どう言う訳か、私は繊細な心配りが出来る人に惹かれる。・・・素直な女性にも。これは今でも変わらない。二人、お腹も心も満たされて、久我山へと向かった。私の肩に頭をよせて、寄り添う彼女。・・・ただ、それだけで幸福だった。このまま時間が止まればいいのに、と思った。電車に乗っている時間が少しでも長ければ、・・・・儚い思いだった。けれど、アパートまでの距離は、確実に減っていく。駅に着いた時の、夢から覚めたような感覚はなんだったのだろうか。もう、あとわずかで、この時間は終わってしまう。「さよなら」を言うまでの距離は近づいていた。次に会う約束をしようとすると、「次の日曜日はダメなんです。」と彼女は言った。残念だった。細い路地を曲がると、いつも見る柿の木があった。沈黙を破るかのような、明るい声で、「知ってました？この柿、渋柿じゃないって？」「そうなの？・・・食べたの？？」「え？」と彼女は、いたずらっ子のように微笑むと舌をだした。「思ったよりも、甘いんです！・・・・取りましょうか？」「え？？、いいの？」その言葉が終わるより早く、彼女の右手は、柿の木の枝に伸びていた。そして、小学生の握りこぶしほどの柿の実を、ひとつ私に手渡すと笑った。頬のエクボが可愛かった。アパートは、もう目の前だった。「今日は、ありがとうございました。」そう言うと彼女は、ぺこっとお辞儀をした。「こちらこそ、ありがとう。楽しかった。」私もぺこりとお辞儀をした。夢のような時間は、心地よい余韻だけを残し、跡形も無く消え去っていく。自分の下宿への帰り道、可愛い彼女のことだけで、頭がいっぱいだった。こんなにスムーズな恋愛の経験が、私には無かった。本当にこれは、現実か？と、頬をつねりたい気がした。いや、つねったと思う。「・・・・・現実だ。」そう思うと、ただただ嬉しく、舞い上がるような気持ちでアパートに着いた。貧乏下宿は、お世辞にも綺麗とは言えなかったが、部屋はきちんと片付いていた。・・・なぜか、ここだけはA型の一面が残っている。6畳一間のアパートの冷蔵庫の上に、「柿の実」を置いた。真っ暗い部屋のついたばかりの蛍光灯の光に、柿の実のオレンジは、鮮やかに輝いた。そして、そのはっきりとした輝きの中に、彼女の笑顔と柔らかなぬくもりを、僕は感じた。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.25

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• 「路地裏の柿」　第１３話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話・第12話噴水を見終わると、ワールド・インポート・マートへと向かった。残念なことに現在はないのだが、その頃には、世界各国の民芸品や、特産物・工業品などが、所狭しと置かれていて、面白いものが一杯あった。それでも、私は、そこに女性と行くのは、何回目かであり、その時まで楽しいと思ったことは一度も無かった。・・・と、言うよりも退屈だった。女性とショッピングに行くのは退屈だと言う人がいるが、そう言うことが当たり前なのかと思っていた。しかし、それは、間違いだった。行く相手が、問題なのだ。「わー見て、面白い。」と言って、彼女が手に取るものは、私にも面白いものであったし、「これ、きれい！」と言って、見つめるものは、私にも美しく見えた。ふかふかのソファーに、「内緒で、座ってみよう！」と言って、茶目っ気たっぷりに微笑む彼女の笑顔は、少女のようにあどけなく可愛かった。ショッピングが、楽しくないのは、楽しくない相手と行くからなんだ。と心から思った。一通り見終わると、外へ出た。外の空気は美味しく感じた。彼女は、スリムな体を伸びやかにのばすと、そっと振り返った。そして、ベンチに並んで座ると、彼女は、私にこんなことを言った。「私、行きたいところがあるの。・・・・・・それはね、京都。」私の就職先が、京都であることを彼女は知っていた。「そう、ありがとう。」と私は、答えた。私には、彼女が愛しくてたまらなかった。こんなにまで、人を好きになったのは、初めてだったと思う。どんな会話をしたのだろうか。記憶は、儚いまでも、遠い日々の想い出を消し去ってしまう。「私ね、柏原芳江ちゃんが好きなの。」と彼女は言った。「だって、とっても可愛いでしょう・・・・。」そして、彼女は「私ね、彼女の『最愛』って歌が、一番好きなの。」「そう、どんな歌なの？」「歌ってみる？・・・少し恥ずかしいけど・・・。」彼女は最初から、歌ってくれた。そして、最後のフレーズになった。「・・・・・　でも、一番に、好きだったのは、私、誰にも言わないけれど、死ぬまであなた。」彼女は、この歌詞を２度、繰り返した。綺麗な透明感のある歌声だった。歌は、高層ビルの間を、流れるようにすり抜けていった。・・・結局、結ばれない愛の歌。私には、彼女の本当の気持ちが分からなかった。・・・・今にして思えば、あまりに幼い私だった。と思う。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.24

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• 「路地裏の柿」　　第１２話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話その頃のサンシャイン６０には、今ほどショップはなかったが、それでも女の子の興味を引くようなお店はあった。少し、ウィンドショッピングをしながら、噴水へと向かった。たしか、２階から見たのだと思う。あの噴水が、どういうタイミングで出るのかは忘れてしまったが、少し２階のお店を見ながら、待っていると、その瞬間は、やってきた。今でも、その光景をはっきりと、私は覚えている。・・・忘れることは出来ない。噴水が発射されると（３階の高さまでこの噴水の水は、あがる）「ワーッ！きれい、見て見て、あんな高さまで！すごーい、すごいね・・・。ねぇ、行こう！・・・あそこまで、一緒に行こう。触ってみたい。　　　　」彼女は、３階の踊り場を指すと、そこから噴水の先端を触ってみたいと言い、その方向に、私を引っ張って走り出した。この時の彼女の瞳の純粋な美しさを、僕は一生忘れることは出来ない。ダイヤの結晶のように輝いていた。純粋な擦れてはいない、彼女の感動は、私の心に大きな感動を与えた。少女のように、彼女は３階へと走った。感動と興奮が、こちらへも伝わってくる。私は、それまでに２～３人の女性とここに来たことがあった。しかし、彼女のように、ピュアな感動をしてくれた人は、一人も無かった。心が美しい、純粋ということは、こういうことなのか、と感じた。３階に着き、彼女は噴水に手を伸ばした。さすがに、踊り場から落ちそうになった、それを慌てて私が支えると、彼女の指先は、かろうじて噴水を捕まえることが出来た。その時の嬉しそうな彼女の微笑み。この微笑を、自分のものだけにできたら・・・・。その時、僕は恋に落ちた。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.24

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• ゲド戦記（影との戦い）・・原作の奥の深さ

  「ゲド戦記（影との戦い）原作の奥の深さ」をご紹介いたします。よろしければ、お読みください。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.24

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• 紺屋高尾（こうやたかお） ・・・・・再び

  今年の１０月２９日に書きました「紺屋高尾」を訳あって再びご紹介します。結構いい話ですよ！「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.23

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• 「路地裏の柿」　　第１２話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話・第11話その頃のサンシャイン６０には、今ほどショップはなかったが、それでも女の子の興味を引くようなお店はあった。少し、ウィンドショッピングをしながら、噴水へと向かった。たしか、２階から見たのだと思う。あの噴水が、どういうタイミングで出るのかは忘れてしまったが、少し２階のお店を見ながら、待っていると、その瞬間は、やってきた。今でも、その光景をはっきりと、私は覚えている。・・・忘れることは出来ない。噴水が発射されると（３階の高さまでこの噴水の水は、あがる）「ワーッ！きれい、見て見て、あんな高さまで！すごーい、すごいね・・・。ねぇ、行こう！・・・あそこまで、一緒に行こう。触ってみたい。　　　　」彼女は、３階の踊り場を指すと、そこから噴水の先端を触ってみたいと言い、その方向に、私を引っ張って走り出した。この時の彼女の瞳の純粋な美しさを、僕は一生忘れることは出来ない。ダイヤの結晶のように輝いていた。純粋な擦れてはいない、彼女の感動は、私の心に大きな感動を与えた。少女のように、彼女は３階へと走った。感動と興奮が、こちらへも伝わってくる。私は、それまでに２～３人の女性とここに来たことがあった。しかし、彼女のように、ピュアな感動をしてくれた人は、一人も無かった。心が美しい、純粋ということは、こういうことなのか、と感じた。３階に着き、彼女は噴水に手を伸ばした。さすがに、踊り場から落ちそうになった、それを慌てて私が支えると、彼女の指先は、かろうじて噴水を捕まえることが出来た。その時の嬉しそうな彼女の微笑み。この微笑を、自分のものだけにできたら・・・・。その時、僕は恋に落ちた。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.23

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• 「路地裏の柿」　　第１１話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話・第10話サンシャイン６０に着いたのは、お昼ぐらいだった。確か、１階にある和食のお店だったと思う。メニューは、丼物から定食もあったような気がする。私が予備校の頃気に入っていたのは、三色丼（鶏肉をたれで焼いたものと、鳥のひき肉のそぼろ、玉子焼きのそぼろで、三色）の玉子焼きのそぼろを抜いた、二色丼だった。これは、メニューには無く、三色丼と同じ価格で玉子焼きをはずして出してくれていた。店員さん同士は、このメニューに無い料理を「タヌキ」と呼んでいた。「きつねそば」「たぬきうどん」との繋がりは無さそうだし、「なぜ？」と思っていた。彼女とそんな話をしながら、昼食を取った。すると、いきなり今で言えば、「アハ体験」がやってきた。「そうだ！三色丼の玉子焼き抜き・・・玉子抜き・・・たぬき。」それが分かって、二人して笑った。そして、この後、噴水へと向かった。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.22

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• 「路地裏の柿」　第10話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話・第８話・第９話池袋の駅に降り、懐かしい構内を二人で歩いた。大きな駅には、人の流れが決まってあるものだ。不思議と、その流れに逆らうのは難しい。流れに乗り、うまく渡って行かなくてはならない。私は彼女と東口に出た。少し風景は変わっていたが、今ほど変わってはいない。私は、自然と予備校時代の友人のことを、彼女に話していた。いろいろな思い出、楽しいエピソード。彼女は、そんな私のくだらない話も、微笑みながら、上手に相槌を打ち聞いてくれた。「頭の良い子だなぁ～。」と心の中で感じた。彼女は、人間としての、凛とした賢さを持っていた。サンシャイン６０に着いた時には、もうお昼近くなっていた。噴水を先にするのか、食事を先にするのか、迷ったが、結局食事を先にした。予備校時代に、良く行った定食屋さんへ彼女と共に向かった。つづく・・・すいませんが、今夜はここまで・・・集中力が切れてきました(笑）「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.17

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• 言葉があふれる時

  昨日は、中村中さんの「友達の詩」を何回も何回も聞いてしまった。この心の奥に響いてくる、切なさは何なのだろうと、感じた。１５歳と言う年齢で作られたこの詩が持つ、研ぎ澄まされた感性の美しさなのだろうか。５年間、思い続けて、それでも友達にすらなれなかった、実らぬ恋の儚さだろうか。彼女の歌声の持つ、言霊（ことだま）の響きなのだろうか。その人の心が、この詩に入っているからこそ、胸を打ち感動をもたらすのだと思う。２３歳の頃、京都の就職先で、これからの未来も見えず、惑い、悩み、苦しんでいた時。バイクで、得意先に商品を届けに行く途中、信号待ちをしていると、言葉が浮かんできた。詩のような、散文のような、数行の言葉が、あふれるように飛び出してきた。それを書き留めたりしてはいたが、そんな時期が２～３年続いた。心が虚（むな）しかったのだと思う。心の隙間を、言葉が埋めようとしたのではないか。今は、そう思えてならない。彼女の切ない歌声を聞いて、そんな頃の自分を、思い出した。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.16

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• 日本とは何か 網野善彦

  「日本とは何か」 網野善彦網野史観とも呼ばれる歴史家、網野先生の著書「日本とは何か」が、ブックオフで１０５円だった。この内容が、１０５円。タダ同然ではないか？と思い購入した。私は、この網野先生の歴史の見方が、とても好きで、まだ、著書はそれほど読んではいないのだが、大好きな歴史家の１人である。その方の定価１５００円の本が、１０５円。くどいようだが、内容は古本も新刊でも同じである。この値段をつけてくれた店員さんに感謝したい。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.13

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• 「路地裏の柿」　第９話

  はじめに・・・。記憶と言うものは儚いもので、２０数年と言う歳月は、鮮明な恋愛の記憶も色褪せさせてしまう。・・・１回目のデートは、吉祥寺と渋谷。（第８話を書き換えました）２回目のデートは、サンシャイン６０に、午前中から行くことになった。彼女はデニムのジャケットを羽織り、真っ赤な太目のベルトでウエストにアクセントをつけていた。・・・・完全にフィクションにするのであれば、この駅からサンシャイン６０までの会話を書くべきなのだろうが、２３年前のこと。・・・・細かいことは覚えてはいない。たぶん、「今日は、いいお天気で良かったね。」「そうですね。・・・本当に。」「池袋は行ったことあるの？」「いいえ、まったく初めてです。」こんな会話であったのだと思う。彼女とは、井の頭線から、明大前で乗り換える時に、自然に手を繋いだような気がする。彼女の小さい手が愛しかった。新宿までの間、彼女はこんな話をしてくれた。「今日の服、どうですか？」「可愛いよ、よく似合ってる。」「そ～う、良かった～。同室女の子と二人で選んだんです。このジャケットなら、この方がいいとか。けっこう、悩んだんです。・・・・どれが可愛く見えるかって。」正直に、こんな話を素直にしてくれる、彼女が可愛かった。私は、これまで、こんなにストレートに気持ちを伝える女性とは、付き合ったことがなかったのだ。「それじゃあ、成功です。とっても可愛いから。・・・満点だと思う。」言い終わると、私は照れくさくなった。電車が揺れた、彼女がよろけそうになったので、自然に二人の腕と腕は結ばれた。少しして、私の肩に彼女は小首を傾げると自分の頭を寄せてきた。彼女を近く感じた。それは、彼女の私に対しての信頼だと、私は思った。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.12

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• 「路地裏の柿」　第８話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話・第７話「名前は？」「仲間ミキです。」「な・か・ま？」「そうです！みんなの仲間の『仲間』です。」「・・・そうですか、初めて聞きました。」「沖縄には結構あるんですよ。」「沖縄なんですか・・・・。」「ハイ、そうです！」彼女は、透明感のある、綺麗な澄んだ声たった。そして、約束の日、約束の時間、駅の改札口の前で彼女を待った。３０分ぐらい前には、着いていたように思う。彼女を待たせたくはなかった。最初のデートは、彼女の都合で、午後からだった。時間がないのと、どうなるかわからない不安もあって、まずは、場所的に近い「井の頭公園」をデート場所にした。が、今にして思えば、「この公園に行った２人は分かれる」という「うわさ」のある場所は避けるべきだったのかもしれない。吉祥寺の町を少し歩き、公園に行ってベンチに座った。会話の内容は映画の話が多かったように思う。・・・お互いの性格についても話したような気がする。なぜか、初めてのデートと言う緊張感はあったが、話しやすい人だと互いに感じていた。私が驚いたのは、彼女が「ウォーレン・ベイティ」を知っていたこと。「天国から来たチャンピオン」、「俺たちに明日はない」、「レッズ」など、彼の出演作品や監督作品について話していた。夕方になり、夜の帳（とばり）が降りようとしていた。まだ、語り足りなかった。渋谷で夕食を取ろうかと言うと、一緒に行くことが決まった。少しでも長く、一緒にいたいと思った。話す時間が足りない・・・。スペイン坂にある、ランチをたまに食べに行くレストランへ行った。顔なじみの店員が、ディナーは値段が高くなることを耳打ちしてくれた。彼女と一緒なので、恥ずかしさはあったが、会計の時点でお金が足りないぐらい恥ずかしいことはない。別のお店に変えることにした。当日の予算も考えて、ゼミの飲み仲間と行きつけのお店にした。店内は明るく、女性にも入りやすい店だったから。ここでは、お互いの家族のことなどを話したような気がする。そこで、彼女も、私と同じ「心の傷」を持っていることを知った。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.12

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• 「けもの道」（アパレル編）

  私は、昭和６２年から平成元年まで、大阪のあるメーカーで営業マンとして、仕事をしていました。今回、その時の経験を基にアパレル業界の裏の部分をノンフィクションに近い形で書いていきたいと思います。では、「けもの道」（アパレル編）第１回。昭和６２年、私は３年間の呉服製造卸の修行を終え、１年間アパレルメーカーに身をおくことにした。それは、今後の商売の展開を考えるにあたり、実家の家業である地方都市の呉服卸業には限界があると考えたからだ。幸いにして、呉服製造卸の社長は、私の退職を惜しんでくれて、「もう１年、ここにいたらどうや。」と熱心に誘ってくださった。しかし、この会社の社員の雰囲気に見切りをつけていた私は、この申し出を「ありがたいことです。」とは、社長に言ったものの、「アパレルの世界も見ておきたいので。」と言って、新しい世界へ旅立つことにした。・・・・この時、２６歳。新たな挑戦への始まりだった。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.11

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• 路地裏の柿　　第７話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話・第６話久しぶりに、第７話です。彼女との会話は、弾んでいたが、彼女のアパートまでは、歩いて５分しかかからない。時間との戦いだった。しかし、焦りは見せてはならない。「可愛いよね！」「そうですか？そんなこと言われたことないですよ～。」「本当？そんなことないと思うけど・・・。」少し間を空けて、核心の質問へ・・・。「彼氏はいるの？」「いるといいんですけどね～。いないんですよ。」「いないの？・・・・」（心の中では、ガッツポーズ（古い表現ですが）を取りながら）「・・・この前、男の人と歩いているの見たけど・・・。」「あれですか？あの子は、バイト先の息子さんの高校生なんです。少し前に、不審者に追いかけられたことがあって、心配してくださったバイト先の奥さんが、見送るようにしてくれたんですよ。」「そうだったの。」少し間をおいて・・・。「お休みの日や日曜日は、何してるの？」「う～ん、家にいることも多いですね。・・・たまに映画見たりとか。」「そう、今度、一緒に映画でも見に行く？」「え？いいんですか！」彼女の表情は、花が咲いたように輝いた。「いいよ。一緒に見に行こうよ。サンシャイン６０には、行ったことある？噴水が綺麗なんだよ。」「いえ、まだ無いんです。・・・あまりいろいろ見に行っていないんです。」「じゃあ、一緒に行こう！・・いつがいい？今度の日曜日は？」「すいません、今度の日曜日は、少し用事があって、１１月３日の祭日なら大丈夫です。」「そう、じゃあその日に。・・・待ち合わせの場所と時間は、どうしようか？」「・・・僕の電話番号教えるね。・・・あ、そうだ、名前も。」私は、メモ用紙にペンを走らせていた。少し間があって、躊躇していた彼女は、「急に何かあって、連絡できないといけませんから、私の電話番号もお知らせしておきます。○○○ー○○○○。名前は、仲間ミキです。」と。そして、思い直したように彼女は、顔をあげると、「私、こんなにすぐに、いつもは電話番号教えたりしないんです。そんな子じゃあないですから・・・。」と言って、照れくさそうな表情をした。「そうだと思います。そんな風には見えませんから。」そう言うと私は自然に微笑んでいた。下宿までの帰り道、私がスキップをしたかどうかは、記憶にない。しかし、心の中は、春の野原をスキップしていた。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.11.11

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• 路地裏の柿　　第６話

  路地裏の柿第１話・第２話・第２話続編・第３話・第４話・第５話一つの賭け、それは・・・・。その頃、食堂でのバイトが終わった彼女が、ある男性に家まで送ってもらっているのを私は２～３回見かけていた。最初は、彼氏かな？と思っていたのだが、だとすると別れがサッパリしている。それで、バイト帰りの彼女に声をかけようかと思った。だいたい彼女がバイトが終わるのが、７時ごろ・・・。いや、８時だっただろうか。私は、午後７時に久我山駅の改札口近くで、待ち合わせでもしている振りをしながら、彼女がバイトから帰るのをドキドキしながら待った。だが、改札口から、追いかけると、彼女に追いつくのには、ダッシュで走っても、結構時間がかかる。それで、改札口から離れてみたり、いろいろとしながら、彼女を待った。３０分から１時間待ったと思う。いよいよ、その時が来た。一瞬、戸惑いと、迷いがあったが、今しないと一生出来ない・・・と言うような気がした。急いで彼女を追いかけると、呼吸を整え、彼女に声をかけた。「あ？・・・（わざとらしいけれど、あくまで偶然を装った(苦笑）今、バイト終わりですか？」「はい、そうなんです。」・・・彼女声は澄んでいて透明な感じがした。「帰り道、こっちなんですね。」「一緒なんですか？」「そうですね。」「学生さん？」「そうです。大学生です。」「僕は・・・。」と言おうとした時、彼女はそれをさえぎるように。「私、知ってます。あてましょうか？・・・・大学４年生？・・・ですよね。」「え？？どうしてわかったの。」「エッ？それは、スーツを着ていらしたことがあったでしょう。・・・それで、わかりました。」「そうか。すごいなぁ～。それで、４年生だってわかったんだ。」「就職、どうなったんですか？」「あ、決まったよ。」「おめでとうございます！」「ありがとう。」彼女との会話は、想像以上に弾んでいた。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.10.28

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• 路地裏の柿　　第５話

  路地裏の柿　第４話・・・続きです。せっかく少し距離が近づいたような気がしたのだが、なかなか二人きりで話す機会がない。どうしようか？と思った。ある時、私のアパートに帰る道と同じ道を、彼女が歩いていた。２０メートルぐらい離れていただろうか。急いで、近づこうとしたが、一瞬のうちに、彼女は消えてしまった。小さな路地が多いこのエリアは、曲がり角で姿が見えなくなると、見失ってしまう。残念だが、仕方なかった。帰り道が同じことに気がついてから、何回か彼女を見かけたが、いかんせん距離が遠い。どうしようもなかった。そんなことが続いてしばらくしたある日。１５メートルぐらい前を彼女が歩いていた。・・・しかし、男性と一緒だった。彼氏かな？と思った。彼女をアパートの手前まで送ると、彼は、すぐに帰っていった。あっさりしてるな。内心思った。・・・けれど、彼氏がいるのであれば、しょうがない。諦めようかと思ったが、店で会う彼女の表情には、親しさが増していた。なぜ？？？このままでは、何もわからない。とうとう、私は、一つの賭けに出ることにした。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.10.27

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• 路地裏の柿　第４話

  路地裏の柿　第１話・第２話・第２話続編・第３話そんな日常に変化があったのは、いつ頃だっただろうか。ある日、いつものように食堂へ行くと、７０歳近い男性が、もうだいぶ酔っ払っていた。訳の分からない独り言。誰も相槌を打つ人もいない。店には、私と彼女しかいなかった。・・・・内心、話しかけられたら困るな。と思っていた。このおじさんの独り言は、長かった。と、その時、彼女が、「何言ってるんでしょうか？おじさんは？」という感じで、アイコンタクトを取ってきた。「なんて言っているだろう？」「わかりますか？」「いやぁ～。全然？」「そうですよね。」なんとなく、だが、無言で表情だけで会話していた。その後、彼女と私の距離は、縮まっていった。しかし、場所は食堂。どうやって、誘えばいいかわからない。そんな思いのまま、夏休みは終わり、季節は秋へと移っていった。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.10.26

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• 路地裏の柿　第３話

  路地裏の柿・第３話・・・第１話・第２話・第２話続編・・・私が、他人の外見にとやかく言うことは、失礼だと思うが、当時、２１歳の私には、それなりの好みと言うものがあった。自分が身長１８０センチあるので、彼女も１６０センチ以上が良いと思っていた。そして、どちらかと言うと「色白」の女性で、性格が優しければ、なおいいと思っていた。しかし、そんな理想のタイプは、なかなか現れない。あっという間に、大学も４年生になっていた。たまに、条件に合う人がいても、こちらが、まったく相手にされないか、または、すでに彼氏がいた。世の中は、なかなか上手くはいかない。食堂で、働いている彼女は、身長が１６３センチぐらいはあって、小麦色の肌をしていた。ニッコリ微笑むと、真っ白い歯がとても爽やかに感じたのを覚えている。普段はTシャツに、ジーンズ。それにエプロンをして仕事をしていたが、とてもスマートな子で、俗に言う「カモシカのような足」、とてもスラッとした足が、美しい女性だった。彼女と接するのは、注文の時と支払いの時だけ。それでも、少しは、カッコ良くと意識したが、人から見たらどうだっただろうか。しかし、おつりを受け取る時の彼女は、いつも優しい笑顔で、「ひょっとしたら好意を持っていてくれているのかなぁ？」などと、こちらの都合の良い解釈をしては、「そんなはずはないよな。」と自分で突っ込みを入れたいた。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.10.25

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• 路地裏の柿・第２話・　続編

  路地裏の柿・第２話・続編例えば、こんなことがあった。ある日、５０歳前後の塗装工と思われるお客さんがいた。彼の頼んだのは、焼き魚定食。それが、「さんま」だったのか、「アジ」だったのかは忘れてしまったが、テーブルを見ると、お醤油がない。それに気がつかないのは、まず、論外。それに、気がついて、歩み寄り「お醤油ですか？すぐにお待ちいたします。」と言って、急いでお醤油をお持ちする。これも良い。しかし、彼女は、その方の様子を見ると、お醤油がないとすぐに察し、「お醤油、お持ちいたしましたので、お使いくださいね。」と言うと、にっこりと微笑むことが出来る女性だった。気配りの出来る女性は、素敵だと思う。それが、取ってつけたような気使いでなく、さりげなく自然な気配りであるほど、私は、美しく感じる。大皿のお料理を、さっと小皿に取り分ける。自然であればあるほど、美しい。人の生き方は様々だ、しかし、私は、その心使いの極め細やかさに、女性としての美しさを感じる。今までいろいろな女性と仕事を通して接してきたが、意外と繊細な気配りの出来る女性は少ない。彼女は、その例外の、一人だった。つづく「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.10.23

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• 路地裏の柿・　第２話

  どう言う訳が、私は食堂でテキパキと働いている女性が好きだ。それは、居酒屋でも同じで、よく気がつく気働きの良い女性を見ると、素敵だなぁと感じる。これがなぜか、ファミリーレストランだと、そうは思わない。自分でも不思議だと思う。機転がよく、相手の心を察することが出来る女性は、美しい。その頃の彼女が、完璧であったとは思わないが、間違いなく、よく気がつく女性だった。例えば、こんなことがあった。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」つづく

  2006.10.23

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• 路地裏の柿・第一話・

  その頃の私は、今思うと本当に堕落した生活をしていた。昼前に、むっくりと起き上がり、朝食と昼食を同時に済ませると言う食生活だった。大学生活４年間。私は、井の頭線の久我山駅の下宿から、大学のある渋谷へと通っていた。この下宿先を教えてくれた不動産屋は、西永福町の不動産屋だったと思う。人柄の良さそうな親父さんだったが、しっかりと駅までの時間は誤魔化されていた。(笑）歩きで１２～３分は、走っても１５分だったし、自転車で５～６分は、自転車置き場から歩く時間を含めると、１０分はかかった。貧乏学生だった私の食生活の、ほんの僅かな贅沢は、駅前の食堂で食べる定食だった。生姜焼き定食、スタミナ定食、肉野菜炒め定食が、私の定番ビックスリー。今、思うと少し寂しい食生活だが、当時はそれでも満足していた。久我山駅の改札口を北側に出ると、少し上り坂になる。そこに行きつけの定食屋さんがあった。大学４年となり就職活動も始まろうとしていた頃に、一人の女性がその定食屋さんでアルバイトをするようになった。だが、この頃の私は、彼女の存在には気がついていない。５月ごろになって、ようやく私は、新人のアルバイトの女性がいることに気がついたのだった。まさか、この女性が、一生記憶に残る女性とも知らずに・・・・・。つづく。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.10.22

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• 忘れられぬ恋・・・・

  人には、何年経っても、忘れることが出来ない「恋」の想い出があるものです。私は、ウソを書かないと言う、ブログをあえて書いてきましたが、今回は、相手の方にもご迷惑をかけないために、あえて私小説の形で、書いていこうかと思います。楽しみにしてくださいね。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.10.22

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• 今日の一冊

  「織田信長１０１の謎」川口素生著　PHP文庫織田信長の暗殺の真相を追求する私にとっては、この手の本は、見逃せません。もう、何冊目でしょうか？この種の本のコレクションは。結構、買いためて着ましたので、自分の見解をまとめる時には、かなり面白いことが書けるかもしれません。詳しいことは、まだまだ、不勉強ですが、足利氏を追放した信長にとって、あとの目の上の権威は、天皇しかおりませんでした。当時の貴族は疲弊していましたから、武力で倒すことは、信長にとっていつでも出来たことでしょう。それが、貴族には恐ろしかったのではないかと思います。比叡山延暦寺の焼き討ちといい、信長は旧来の権威を畏れる人ではありませんでしたから、天皇周辺の貴族は、誰かに彼を倒させようとしたのかも知れません。その人物は？詳しい資料を分析し、いつの日か、しっかりまとめたいと思います。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.09.25

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• 「三百年のベール」。

  一頃の私は、いわゆる日本史の影の部分を、研究？（というより）調べていました。その時、出会ったのが、この「三百年のベール」です。ストーリーは、静岡の県吏・平岡素一郎が、ある日、目にした史書の一節・・・『駿府政事録』　林羅山　著　慶長１７年８月１９日の記事・・・、家康が晩年、林羅山ら家臣に、ふと漏らした言葉をきっかけに、将軍徳川家康の出自と生涯の秘密を探りはじめる。と言うもので、その後、歴史の闇に隠されていた真相が浮かび上がります。それは、「家康は戦国大名松平家の嫡子ではない、流浪の願人坊主だった」という事実。（この話は、白土三平の「カムイ伝」にも受け継がれていきます。・・・・・・日置藩が必死で隠し通そうとする秘密として）現実に明治時代に刊行された『史疑　徳川家康事蹟』（作者の村岡素一郎・・この人物が小説「三百年のベール」の平岡素一郎のモデルとなります。実際に明治時代に静岡県の県庁の役人として赴任し、家康の事跡を調べ、明治３５年に民友社より、この『史疑　徳川家康事蹟』は出版されました）を素材に、徳川三百年にわたる身分差別のベールが、大胆な構想と縦横無尽な筆致によって暴かれます。この作品は、被差別民衆の苦悩と可能性を描いた南條範夫氏の文学の傑作だといえるでしょう。南條範夫さんは、神田の古書店で『史疑　徳川家康事蹟』を２０円で購入し、その内容に驚き、この小説を執筆しました。作品の後半はミステリーを読み進めるような、ドキドキ感があります。 これらに関連した歴史書には、「史疑 幻の家康論」 礫川 全次「史疑　徳川家康」　榛葉　英治（村岡　素一郎氏の外孫・直木賞作家）「史疑 徳川家康事蹟」 村岡 素一郎 「信長殺し、光秀ではない 」八切 止夫 「徳川家康は二人だった」 八切 止夫 「信長殺しは、秀吉か」 八切 止夫 八切止夫さんは、いわゆる「八切史観」として知られている、在野の歴史家です。「情熱創造プロジェクトとは」「情熱創造プロジェクト」

  2006.09.14

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• 語源への旅・・・「ラテン語」

  「ローマ人の物語」塩野七生著私の愛読書の一つが、この「ローマ人の物語」である。けれども最近読み進めていないのは、他のものにも興味があることと、この作品が、時間をかけて味わいながら、読んでみたくなるような魅力あふれる作品だからだと感じる。さて、少し前のこと。長女に、言葉の語源について話していたことがある。CODには、英語の言葉の語源が、どこの国のものか書かれているが、日本語の辞書には、どのぐらい書かれているのだろうか？世界一受けたい授業でも、日本の言葉の語源を探る授業があって、これが、娘たちと言葉の語源について、話すきっかけになったのだと思う。「人麻呂の暗号」藤村由加著を読むと、「ノッポ」や、お腹が「ポンポン」など、私たちが身近で使っている言葉に、韓国語が根付いていることが良く分かる。私は、そんな話をした後で、英語の語源というより、ヨーロッパの言葉の語源が「ラテン語」であることを娘たちに教えた。分かりやすく例えるなら、「日本の共通語にあたる言葉が『ラテン語』で、英語もフランス語もドイツ語も、方言なんだよ。昔、ヨーロッパは、ほとんどがローマ帝国の領土だったでしょう。だから、共通語が『ラテン語』だったんだ。それが、各地の言葉と混じったり、訛ったりして、それぞれの国の言葉になったんだよ。」と。「トロイの発掘で有名になったシュリーマンは１５ヶ国語を話す、語学の天才だったんだけれど、彼もラテン語を学んだと確か本で読んだことがあるよ。」と。シュリーマンの話は、野口悠紀雄さんの「『超』勉強法」にも出くるのだが、ラテン語についての記述はあまりなかったように記憶している。昨日のこと、長女が嬉しそうに私に声をかけてきた。「お父さん、『ラテン語』のことが書いてあるHP、見つけたよ！ラテン語の分かりやすい本があるみたい。・・・・あとから見てみて！」そして、今日、娘と２人、そのHPを見てみた。分かりやすく良く出来ているHPだと感じた。本の書評も面白くて、指摘が分かりやすい。一つの好奇心が、やる気の芽を育てていく、ともに学ぶ仲間として、娘を頼もしく感じた。「情熱創造プロジェクト」

  2006.08.30

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• 「彼の手は語りつぐ 」

  以前、図書館で次女が借りてきてくれて、家族みんなで読んだ絵本。そして、その後、あまりに良い本なので購入した本。それが、「彼の手は語りつぐ」です。（簡単な書評と経緯がネタバレなしで書いてあります）この本のすごさは、すべてが実話だと言う事です。おじいちゃんが娘や、孫にと語ったこの話は、のちも５代にわたって語り継がれ、そして、本になりました。南北戦争が、奴隷たちにとってどんな戦いであったのか？少年兵から見た戦争というものの現実。母親の愛。友情。命とは何か？を教えてくれる良書です。（これだけ良い本なのに、ご存知の方は滅多にいません）ぜひ、読んでいただきたい１冊です。「情熱創造プロジェクト」

  2006.08.26

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• ゲド戦記（影との戦い）原作の奥の深さ

  何度か、「ゲド戦記」のことについては書いてきましたが、ネタバレが嫌だったので、内容にはあまり触れずに来ました。が、今回は、小説「ゲド戦記」伝道士として、熱く語りたいと思います。ゲド（ハイタカ）は、類（たぐい）まれなる魔法使いとしての才能を持って、この世界に生まれます。彼は、生まれ故郷で、賢人によって教えを受け、さらなる大きな世界へと扉を開くために学校へ進むことになります。この魔法学校での講義の内容が奥深いです。森羅万象、この世のすべてについて、その存在理由からを問いかけるような、とても深い講義だと感じます。そのもの、それが生物であろうが、鉱物であろうが、風のような自然現象であろうが、病気であろうが、魔法使いに出来ない事はありません。現在ならば、医学、工学、物理学、天文学、考古学などなど、本当に多くのことを学び、主人公は成長していくのです。親友カラスノエンドウとの出会い。　若さと自尊心、自惚れから生じる失敗。その多くを乗り越えて、ハイタカは成長していきます。影との戦いを通して、彼は生きることの意義を学んでいく気がします。作者のこの作品に込めた思いの大きさを感ぜざるをえません。少年・少女の頃の感性、みずみずしい感性をお持ちの方なら、必ず何かを感じられるはずです！

  2006.07.31

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• 言葉＆言霊

  言葉（ことば）そして、言霊（ことだま）。古来より、言葉には魂が宿ると言われてきました。源氏物語をみても、言葉がいかに大切にされていたかは、良く分かります。ブログ人口は、８００万人を超えるといわれています。もちろん、動画配信、音楽配信も出来ますが、ブログが日記である事を考えると、文字のウェートは大きいでしょう。テレビ電話にしても、今の段階では、細かい表情や、空気感は伝わりませんね。さて、私は人を出来るだけ褒めるようにしています。それは、プラスの言葉だからです。憎しみ、怒り、嫉妬、というような、マイナスの言葉ではありません。愚痴を言わないのも、書かないのも、マイナスな言葉は、マイナスな事態をも引き付ける可能性が否定できないからです。思いやりのある言葉、優しい言葉、信頼を感じる言葉。人は一人で生きているわけではありません。言わなくても、感じてくれる。察するだろうと言うのは、本人の独りよがりな、思い込みのような気がします。私が、心の友と言う時、兄弟と言う時、大げさに映るかもしれません。しかし、私は、多少大げさにとられたとしても、私がウソをつかないことを知ってくれている、仲間や友人・知人であれば、私の心は、伝わるものと信じています。相手に対しての褒め言葉や、信頼を表す表現は、自分の気持ちをどれだけ正確に伝えられるか、相手は、それを喜んでくれるか。ということに心を置いているのです。言わなくても伝わるというのは、あくまで、自分の世界の話。伝える事で、相手の笑顔や喜びの表情を見て、心が和むのは、人と和していく事の基本のような気がします。

  2006.07.12

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• 午前２時３０分まで

  今朝、というか深夜、２時３０分まで、睡眠時間を削ってまでも、読みたいと思った本があります。あと１時間頑張れば、読み終えられるかなぁと言う思いと、これ以上睡眠時間を削るのは、まずいという思い。この葛藤の結果、睡眠をとりました。しかし、そこを真剣に考えるぐらい面白い本です。１巻もかなり面白かったのですが、２巻も面白いですね。がらっと１巻とは感じが変わるのも面白いです。長女は、１番最初に読み、面白いと言ってはいましたが、「今回のゲドは登場の仕方が、今ひとつだよ。」と言っていましたし、１巻の内容を知った上で、そのまま２巻に進むと、１巻が素晴らしいからこそ、「え？」と思うのかも知れませんね。私は、１巻と２巻を読むまでの間隔あいたのが、なまじ良かったのかも知れません。さて、今、私が読んでいるのは、「ゲド戦記」の２巻「こわれた腕輪」です。最近、思うのですね。SF小説で、芥川賞をとった作品はありません。当たり前かもしれませんが・・・。歴史小説では、直木賞をとったものはありますよね。（たぶん）私は、SFが直木賞をとっているか、どうか、詳しく知らないのですが、ハリウッド映画にしても、「スターウォーズ」は、アカデミー作品賞は、取っておりません。「ロードオブザリング」が初めて作品賞を取ったのです。そのぐらい、ファンタジーの作品としての評価は低いのですね。私は、極論に聞こえるかも知れませんが、歴史小説も、作者の想像の部分が大きいことを考えると、ある意味、ファンタジーとどこが違うだろうかと、感じるのです。（確かに古文書や文献をあたる作業はありますし、書簡を参考にしたり、することもありますが、古代中国の歴史物だと、細かいところは、全て想像ですよね）「指輪物語」にしろ、「ゲド戦記」にしろ、その作品の質において、歴史小説に、なんら引けをとりません。素晴らしい作品です。もし、歴史小説と、これらの作品とで、作品の評価を区別している方が、いらしたとしたら、「ゲド戦記」を是非お薦めします。宮城谷昌光氏の「奇貨居くべし」に、勝るとも劣らないと、私は思います。

  2006.07.11

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• 今夜は、少し特別なお話です

  今夜は、私の好きな本とことをご紹介いたします。以前に１度、「☆日本人は知りませんが」として書かせていただきました。未読の方は、ご一読下さい。

  2006.07.09

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• 三国志

  私の大好きな「三国志」。いろいろな作家の作品がありますが、最初に出会った吉川英治さんの作品が、私は好きです。コミックの「三国志」横山光輝さんのものも、全巻そろっていますが、次女のクラスの男子生徒の中に、ゲームから三国志に興味を持ち、コミック全巻、読んでいる同級生が何人か、いるようです。そんな話をした後、私が三国志の面白さを少し説明すると、次女は、三国志を読み始めました。今、もう１９巻です。次女とする三国志の話は、まったく楽しく、嬉しくもあります。子供の成長は、本当に幸せなものです。ありがたいと感じます。

  2006.06.17

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• キノの旅

  娘たちから薦められた本です。なかなか、面白いです。

  2006.05.29

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• 呂不韋と再会

  呂不韋、宮城谷昌光さんの小説「奇貨居くべし」の主人公。秦の始皇帝の父親ではないかと言われている人です。静岡の仕事が早く終わり、古本屋により、古い朝日新聞社刊の「史記」（今では絶版かもしれません）を見つけました。その中に「呂不韋」はいました。久しぶりの再会に嬉しくなりました。宮城谷さんの「奇貨居くべし」は傑作です。主人公の「呂不韋」は、とても魅力的人物です。実際に彼に会ったわけではないのですが、妙に嬉しい、そんな気持ちです。

  2006.05.09

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• ゲド戦記・・影との戦い

  今日から、読み始めましたが、かなり面白いです。ゲド戦記は、深いですね。

  2006.05.04

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• ゲド戦記

  長女がまず読んで、感動し、次に家内が読みました。そして、家内も嵌ってしまい、次女が読み始めたのです。この間、学校の図書室の本でした。「ゲド戦記」。今日、次女と私のために、第一巻を購入しました。2週間ほど前に、家内と長女のために、第二巻を買いました。本を購入する順番は逆になりましたが、これで、私も会話に参加できそうです（笑）

  2006.05.03

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