車
私はいい年だが免許がない。私の友人は「免許ない」というとたいがい驚く。なんだか私は相当のスピード狂に見えるらしいのだ。(憤慨)何回か「ほしいなーとろうかなー」と血迷ったことはあるのだが、結局怠け者の私は踏み出すエネルギーも持たず今日まできてしまった。特に結婚してからは旦那さんが絶対「取るなー!」という。インドネシア駐在中、それでも 一度はチャンスがあった。かの地はすこぶる免許環境がよい。自分の車で練習をし(これはここでも同じ)簡単な実地試験がある。筆記の方はこれまた毎回同じ問題がでる。しかもAとかBとか選択するだけ。インドネシア語だが全く心配ない。10問ほどの試験の答えだけを[A,A,C,B,C・・・」ってな要領で覚えていけばよいのだ。何とも私向けの試験であった。しかし、やはり旦那さんの反対にあった。カレはなぜ反対するのでしょうか。・・・私を信頼できないという。私は「パニックになるとブレーキとアクセルを踏み間違えるタイプ」だそうだ。女は運転が下手だと未だに深く信じている困ったやつなのだ。というわけで47歳の今日まで私は免許がなくもっぱらママチャリライダーとして活躍しておりました。しかし・・・ここにいたって、初めて免許の必要性が増してきた。子供の送り迎えが大変に手間がかかるのである。小学生の間は親に送迎の義務がある。共働きの家庭はナニー(子守のお手伝いさん)をやとう。今日も、息子の友達のお母さんだと思って下手な英語を絞り出して話していたら、ナニーさんだった。(おまけにその友達から「あんたも正城のナニー?」ときかれた!)まっともかく旦那さんもさすがに「これは大変」と思し召し、免許を取るかという結婚以来の画期的大事業が始まることとなった。これにはもう一つ欠かせない免許取得許可理由がある。ここは本当に安全運転の国なのだ。乗用車も大型車も滅多にスピードを出さない。ゆったりしている。そして・・・今では日本で滅多にみられない「お先にどうぞ、ありがとう」の国なのだ。渡ろうと待っているとまず車は止まって「どうぞ」。こんなことに感動してしまうほど、私はむなしい町にいたのだと逆に落ち込んでしまう。とういわけで、旦那さんもここなら私のような「間抜けドライバー」でもなんとか運転できるのかもしれないと寛大になったわけです。まずここで免許を取ろうとしたら、交通局のようなところに出向いて、仮免許の申し込みをしなくてはならない。私のような外国人は申込書と、パスポートサイズの写真、そしてパスポートがいる。パスポートは免許の発行まで取り上げられてしまう。これには旦那さんが相当抵抗したが、どうしてもホンチャンのパスポートでなくてはならないと言うことで、あきらめて提出することにした。提出にいくと長い列ができていた。しょうがなく並んで待っていると、遙か彼方のカウンターに何やらナンバーが見える。よく銀行でみるあの順番待ちの番号である。「番号札を取るの?」と聞くが周りもよくわかっていない。そのうち後ろの人がつかつかと建物の中に入り番号札を取ってきた。うっとあわてて取りに行く。後の人もなだれるように取りに行く。そばに行くと、誰も見えないところに「番号札を取って待ちなさい。」と書いてあった。「見えないところに張ったって意味ないじゃん」と旦那さんとひとしきりクレームをたれる。旦那さんはその後知らないで並ぶ人が来るたび、「番号札とりなさいよ~」と声をかけていた。いい人だ。いよいよ呼ばれた310番。おばさんは優しく外国人の私にわかりやすいようにゆっくりとしゃべってくれる。申込書の説明をし、仮免許が15日から20日くらいの間に 届くと教えてくれた。さ~てどうなりますやら。来てのお楽しみ~~。