☆手数料髙すぎ?業界公式チケット転売「チケトレ」に批判も!
☆音楽ライブなどのチケットの高額転売が社会問題になる中、購入済みのチケットを定価で譲れるサイト「チケトレ」を、音楽関連の業界団体が5月10日正午にプレオープンする。 業界をあげての転売対策を評価する声がある一方で、「手数料が高すぎる」「転売業者の仕入れ先に使われるのでは」など批判も寄せられている。運営するぴあの担当者は、「運営費を考慮した手数料になっている」「チケトレだけでは高額転売の解決にならないことは認識しており、業界が進めている対策の一環だ」と話す。●身分証画像で本人認証 出品・購入手数料は「チケット金額の10%+α」 チケトレは、チケットの高額転売対策の一環として、日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体が開設したサイト。ぴあが運営を担当する。 主催者が再販に同意した公演のチケットを、券面額(ぴあで販売するチケット価格。購入手数料は含まない)でやりとりできる。5月10日のプレオープン時はまだ出品・購入はできないが、今後、公演主催者などの賛同を募り、6月1日に正式オープン予定だ。 利用には、メールアドレスとパスワード、モバイル認証による会員登録が必要。初回のみ、氏名、住所、生年月日、身分証画像(運転免許証、健康保険被保険者証、パスポート)の登録が、出品者は口座情報の登録も必要になる。 公演開催まで10日以上ある紙のチケットを出品でき、先着順で購入できる。発送は出品者が購入者に直接行う。配達状況確認でき、受取時にサインが必要な配送方法のみ利用でき、出品者は発送後、追跡番号をサイトに登録する必要がある。配送費は出品者が負担する。 決済はクレジットカード、キャリア決済に対応。コンビニ決済も導入予定だ。代金は運営側で一時預かり、公演終了後(公演日の4日後)に出品者に振り込む。 手数料として、出品者からはチケット券面金額の10%(3999円以下は一律400円)と、1回の取引当たり380円の送金手数料を、購入者からはチケット券面金額の10%(3999円以下は一律400円)の取引手数料と、チケット券面額の3%の決済手数料を徴収する。オープン当初のキャンペーン期間は、出品者の取引手数料のみ0%になる(料金はすべて税込)。 購入が成立したにも関わらずチケットが届かない場合は、運営側で理由を確認した上で取引をキャンセル。取引中や公演当日のトラブルなど、購入チケットで公演に入場できなかった場合は、理由を確認した上で購入者に代金を返金する。 サイトのマイページ上に、購入者情報や購入した公演内容を表示する「バウチャー」を発行する。入場時に本人確認が行われる公演で、チケットに記載された名義と異なる場合でも、「チケトレで正規に購入した」と証明することで、問題なく入場できるようにする。バウチャー画面の偽造を防ぐため、画面上に現在時刻を表示する仕組みにした。●「手数料高すぎ」「転売の仕入れ先に」など批判もあるが…… 「チケトレ」についてはTwitterで、「手数料が高すぎる」「転売でもうけたい人が、チケトレで定価で仕入れ、オークションなどで高額転売するのでは」などと批判や疑問の声が出ている。 手数料についてぴあは、「サービス運営にかかるコストを考慮した上での価格。かなり大きなシステムで、運用コストも大きい。利用状況をみながら、価格の変更を検討する可能性はある。また、キャンペーン期間中は出品者の手数料は0%にしている」と話す。 転売チケットの仕入れ先になる可能性も認識しており、「チケトレだけでは高額転売の解決にならないことは認識している」という。チケトレはあくまで、業界が進める高額転売対策の一環という位置づけだ。 業界では今後、公演入場時の本人確認やチケットの電子化を進め、購入した本人しか入場できない仕組みを整えることで、高額転売対策を整えていく予定。ただ、本人しか入場できないチケットの場合、急用などで行けなくなった人がチケットを譲ることもできなくなってしまう。 チケトレは、厳格な本人確認が行われる公演でも、行けなくなった人が安心してチケットを譲れ、譲り受けた人も問題なく入場できる仕組みを目指す。オープン当初は紙チケットのみ利用できるが、今後、電子チケットにも対応する計画だ。 「業界団体が足並みをそろえてサイトを立ち上げたことに意味がある。今後、個人認証や電子チケット化を徹底し、ネットダフ屋に対する法規制も推進することで、転売防止を総合的に進める」と担当者は話している。