☆東京市場*来週の展望!(10月第5週)その3
《東京市場*来週の展望》(10月第5週)その3■円安下支えも日米決算が重しに先週(22-26日)の日経平均は9000円を挟んでのこう着相場が続いた。日銀が地域経済報告(さくらリポート)で、復興需要に支えられた東北を除く8地域で景気判断が下方修正され、追加の緩和政策への期待が強まった。為替市場での円安基調が下支えとなったほか、欧州債務不安の落ち着きなどを背景に、緩やかなリバウンドをみせた。その後も中国の10月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が前月から改善。中国景気の底打ちの兆しとの見方などが、景気敏感株への見直しにもつながった。決算発表が本格化するなか、下方修正を発表した三菱商事が悪材料出尽くしを意識させる下げ渋りをみせたことも安心感につながった。しかし、欧米企業の業績不振を背景としたNYダウの大幅安など、企業の4-9月期決算が本格化するにつれて、神経質な相場展開に。注目された米アップルは「iPad mini」のインパクトが限られたほか、決算は好調ながらもハードルが切り上がっている影響もあって株価下落につながった。国内ではファナック、キヤノンなど、コンセンサスを下回る決算内容に。日銀の金融政策決定会合での追加緩和策への期待が下支えとなり、ショック安とはならないものの、上値追いは慎重となった。■決算ピーク、輸出関連中心に下振れ警戒今週(10/29-11/2日)は第一弾の決算ピークを迎える。約1000社近い企業の発表が予定されており、見極めたいとのムードが強まろう。世界経済への根強い懸念のほか、日中関係の緊張が業績の先行き不透明感を強めており、輸出産業を中心に下方修正リスクが大きいとみられている。先週末に発表した企業の多くが業績修正を行っており、好悪まちまちながらも先回り的な動きは限られるであろう。一部では悪材料出尽くしとみられる動きも散見されるが、ピークが通過するまでは神経質な相場展開を意識しておく必要がある。29日のホンダ、30日のコマツ、31日の大手海運3社の結果を受けた市場の反応を見極めたいところ。アク抜けを意識させるような値動きをみせられるようだと、下方修正→悪材料出尽くし→出遅れ修正へ市場は向かわせる可能性はありそうだ。■追加緩和策は確定、円安促す緩和策なら決算への警戒も和らぐまた、市場の関心は30日の日銀の金融政策決定会合に。既に国債などの資産買い入れ基金の規模を10兆円積み増す案を軸に、追加の金融緩和に踏み切る方針との観測が報じられている。政府は日銀に対し、国債などの資産買い入れ基金を20兆円増額し、100兆円規模への拡大を要求。結論が不十分とみられれば、日銀法を改正し、政府に総裁解任権などを持たせて金融緩和を強制しよう、といった議論が加速するとも伝えられている。市場では追加緩和策については間違いなく実施されるとの見方が大勢である。期待先行でハードルが上がった感はあるが、さらなる円安を促す緩和策が打ち出されるようなら、業績への警戒が和らぐ格好になり、決算通過によるアク抜け感を強めよう。■週末に米雇用統計、欧州は波乱要因にもそのほか、海外では31日に米ADP雇用報告、11月1日に米ISM製造業景況指数、中国製造業P,MI、2日に10月の米雇用統計が発表される。足元でNYダウ、ナスダックともに弱いトレンドとなるなか、手控え要因になりそうだ。また、スペインの国家統計局が26日発表した今年第3四半期の失業率は25.02%と過去最悪の水準に上昇した。やや落ち着いた動きをみせていた欧州だが、再び波乱要因となる展開には注視しておきたいところ。なお、日経平均は足元のリバウンドによって、シグナルを好転しつつある。9000円辺りでの底堅い展開が続くようだと、保ち合いレンジの上限レベルである9200円辺りが意識されてくる。