頭を撫でて!
大分前の事になるが、犬達に毒を盛られた事があった。その時はオスとメス、その子犬が一匹で、結構賑やかな家だった。まして犬は猟犬!鳴き声は高くよく遠くまで届く声をしていた。猟犬で無口な犬は使い物にはならず、仕方なく居場所を知る為に首に鈴など音が出る物を付け、猟に使うが仲間からは一人前としては扱ってもらえず、獲物を獲っても犬の分け前の骨の配当は無い!だから猟犬の鳴き声は大事で、特に追跡犬は何時までも鳴き、一山超えても声が届く鳴き声が要求される。私の犬は声が高く遠くまで届く猟犬としては条件のあった犬だった。それが原因だと思うのだが、自宅で毒を盛られてしまった。留守中に飲み水に入れたのだろう。痙攣して倒れ体が棒のようにツッパリ、口から泡を吹いて動かなくなってしまうのだ。先ず子犬に表情が現れ、これは体力がなかったのだろう死んでしまった・・・次がメス犬ローズだ!もう夢中で体をさすり、血行を促進して毒が散るのを待った、私の体は泥まみれだが何とか息を吹き返した頃、オス犬のランボーが倒れ痙攣を始めた。息が止まり体が痙攣した状態で、医者に担ぎこむ余裕も無い。全身をマッサージし、心臓を押した・・一、ニ、三と数えながらだ・そして口をつぼめさせ、息を吹き込んだ。突き出た口で美味く人工呼吸が出来なかったが、必死で心臓をマサージし息を吹き込んだ。三十分もした頃から、足の硬直が取れ始め息も復活、何とか一命を取り留めたが子犬はとうとう帰らなかった・・・それが春先の事で、夏の間大事を取り冬の狩猟に備えたのだが、やはり芳しくなく、メスは仕事には使えなかった。警察にも届けたが、結局は犯人は判らず終い、毒の種類も農薬だろうとしか判らなかった。鳴き声が煩かったのだろうが、周りは全て農家でお互いの敷地も広く、それぞれ犬を飼っている環境なのだが、一体誰が・・・疑問だけが残った。その年の猟期間、オスは何とか活躍したが、メスは産後の疲労と重なったのかなかなか回復せずに終わってしまった。それでも出猟の時は甲高い声で鳴き連れて行けと騒ぐ。だが猟場についても私の足元からは一歩も離れず、何時も頭を撫でろ!と催促し、私の手を頭で押し上げる。そして頭を撫でている時だけ大人しくしている。撫でていると落ち着くのだろうか?何時もは一箇所には留まらない犬なのに・・・続く・・・ル・パスポートのホームページはこちらル・パスポートのホームページ 人気blogランキングへ