4810モン・ブラン!
スイス滞在最終日となる9日はジュネーブからモン・ブラン山頂を見るためにシャモニ・モン・ブランに向かった。8時30分にジュネーブを出発し、バスで1時間半。バス代は108スイスフラン(約1万円)だが、スイスフランがなくなったため、ユーロ払いで72ユーロだった。ジュネーブではアルプスを感じることはできなったが、シャモニに近づくに連れて雪の残った3千メートル級の山々が次々と姿を現した。 モン・ブランを間近で見るためにシャモニからアギーユ・デュ・ミディまでロープウェイで向かった。ロープウェイに乗っている時間は約20分ほどだったが、標高は一挙に4千メートル近くまで上昇する。 一瞬にしてシャモニの町が小さくなる。箱根のロープウェイも凄いが、眼下に見渡す光景はそれ以上である。 見映えという点で晴れ間の写真を並べているが、実際に青空を見せたのはほんの一瞬でずっと靄(もや)がかかって天候は良くなかった。 せっかくここまで上って来たのにこんな天候ではと少しガッカリ。最初はモン・ブラン山頂どころか目の前数メートルでも見通すことができなかった。 アギーユ・デュ・ミディの最高地点に到達。実に標高3,842メートルで、自身としても人生で一番高いところに上りついた。高山病の話を聞いていたが、頭痛とか吐き気とかはなかった。しかし、少し歩き急ぐと一瞬、めまいの感覚に襲われる。自分はアスリートではないので南米ボリビアの高地でサッカーができる、できないかについて論じることはできないが、素人が普通にプレーするのは難しいと思う。天候が悪い中、モン・ブラン山頂の姿が現れるのをひたすら待った。雲の流れを見ても良くなる気配はない。 3時間ひたすら待った。この後、ハイキングを予定していたが、モン・ブラン山頂を見るためにそれも中止した。上の写真はその3時間で最も天候が良くなった瞬間。本来は中央の岩肌の少し上の部分に真白なモン・ブランの山頂が見えるはずだった。残念ながら最後までその姿を見ることはできなかった。途中、目の錯覚で見えたような、いや自分の中では見えたと自分に言い聞かせている。あれだけじっと待ったから・・・。それでも、ちょっとした雲の動きで見渡す景色が一瞬にして変わるのに感動した。自然が作り出す素晴らしい芸術である。そういえば、スイス=アルプスというイメージを体感できたのがフランスの地であったのに気付いたのは帰りのバスの中だった。18時にジュネーブに戻った。スイス最後の夜だからファン・ゾーン(パブリック・ビューイング)に行って、フランス対ルーマニア、イタリア対オランダを観戦した。イタリアがあんなにも簡単に失点するとは思ってなかった。ファン・ゾーンに駆け付けたイタリア・サポーターのガックリした姿は印象的だった。これで、束の間のスイスの旅は終了。日本に戻ってユーロの続きを見るとする。