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広島から岩手県大槌町までのロードムービー
↓5月18日の「ハーバード日本史教室⑦」でもこの映画に触れている。 東日本大震災で家族(両親と弟)を失ったハル(春香、モトーラ世理奈)は、広島県の呉市に住む叔母と暮らしている。震災から8年目という設定で(2020年作品)、ハルは高校3年生。冒頭部分のロケは呉市で行われている。 「音戸渡船」 (地域の人々はこの渡船を残すためクラウドハンティングを始めた) ハルが登校時に乗る渡し船は「音戸渡船」で、呉市本土と倉橋島を結ぶ。航路120m、料金は大人片道100円、日本一航路が短い渡船である。音戸の瀬戸は平清盛が掘削させたとも言われ、多くの船が行き交う交通の要所である。今は二つの橋によって結ばれたが、江戸時代から続く渡船は今でも動いている。 渡船のダイヤはなく、対岸から声を掛ければ迎えに来てくれる。佐賀県の旧呼子町にもそんな渡船があった。呼子と対岸の殿ノ浦(その昔は色町だった)を結ぶ渡船は櫓でこぐ伝馬船だった。「男はつらいよ第14作」(1974年12月公開:マドンナは春川ますみ)で、この伝馬の渡船が出てくる。(今はもうない) 叔母の急病で一人になったハルはふらっと家を出る。途中で出会う様々な人たちとの交流を通し、ハルは次第に自分を取り戻していく。そして、ある夜、絡んできたヤンキーな男たちから守ってくれた、福島の元原発作業員森尾と旅を続ける。 森尾(西島秀俊)は福島第一原発で働いていて、震災で家族を失っていた。森尾とともに大槌に向かったハルは、流されてしまった自分の家の跡に立つ。時間が止まったかのように家の基礎は残っていた。 「自宅跡にたたずむハル」 (ハルの胸には失った家族への想いがこみあげてくる) 森尾と別れたハルは三陸鉄道の駅で、交通事故で父を失った小学生と会う。小学生は、「もう一度、父と話したい」と大槌町の高台に設けられた「風の電話」に行くという。ハルも導かれるように「風の電話」に向かう。 「海を望む丘にある風の電話」 (ガーデンデザイナー・佐々木格さんが自宅の庭に設置した電話ボックス) 主人公ハルを「少女邂逅」のモトーラ世理奈、森尾を西島秀俊が演じる。その他に三浦友和、西田敏行らがわきを固めている。「風の電話」は、第70回ベルリン国際映画祭ジェネレーション14プラス部門に出品され、スペシャル・メンション(国際審査員特別賞)を受賞した。 ※写真はDVD「風の電話」からキャプチャーさせてもらいました。 ↓ランキングに参加しています。良かったらクリックをお願いします。 写真日記ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021/06/11 08:29:07 PM
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