愛なら売るほど
榎田さんの新刊です。漫画家シリーズ第3弾♪(前作「ごめんなさいと言ってみろ」感想はここ)今回は超ヒット作品を生み出す漫画家・藤野とリーマン・飴屋の物語。そしてコンビ二店員小谷と藤野の編集者・橘の物語です。2CPとももの凄く面白かったです!!笑いあり、涙ありで・・・特に「笑い」の部分は前半小説の飴屋×藤野が担当で・・(「愛なら売るほど」)中でも 飴屋の行動と反応が超爆笑~~~~っ!シリーズ中で1番笑えるかもしれませんっ。二人は高校時代の同級生。藤野は学生時代からずっと飴屋に片想い。10年ぶりの同窓会で再会したものの、想いを告げられるわけもなくその場限りに。ところがその後、藤野の引越し先が飴屋の住むマンションで、藤野の正体を知らない飴屋が編集者・橘との仲を誤解したことからドラマが始まります♪締め切りが迫る藤野に強制的に漫画を書かせる橘。橘は外見がヤクザっぽいので、暴力で藤野を愛人として囲っているようにしか映らず・・飴:「あいつにいったい何させてんだ?勝手に出歩くなって、なんなんだよそれ。監禁プレイでもしてんのか」橘:「似たようなものだが、事態はもっと深刻だ」と、こんな会話が成立。この他にも橘と藤野の発言はヤクザと情夫まがいなものが盛りだくさん。(作家と編集者なのに・・)藤野の可愛さに気付いてしまった飴屋としてはグルグルしまくりで・・・爆笑でした~。この他可笑しかったのは・・・藤野のペンネームが立花キャンディ・藤野の漫画内容(主人公は姫女苑麗奈というイグアナを抱くヒロイン)・飴屋が実は藤野漫画の○○だったという事実でした~。漫画家シリーズは<切なさと笑い>がテーマ(多分)。で、今回「切ない」部分を主に担っているのが後半の橘×小谷(「愛ならいらない」)。藤野&飴屋が住むマンション下のコンビ二店員・小谷は薄茶のサングラスをかけた無愛想店員。でも余計なおしゃべりは一切しないので、恥辱な買い物をするお客には強い味方。前半の「愛なら売るほど」登場時は藤野&飴屋の味方で・・面白い存在でした。で、この小谷の本当の正体を知っている橘は彼に色んな意味でアプローチ。橘は普段荒っぽい雰囲気ですが、意外と甲斐甲斐しいタイプで・・優しくて・・実は抱擁力のある名編集者!作中の登場人物の中では私的に1番好きで・・凄い偉そうな年下攻めでしたが・・素敵でした~後半小説は小谷の過去がとても可愛そうなものだったので、 「みんな愛しい」と立ち直れたラストには涙が出そうになりました(P.219)。それにしても榎田さんの文章は本当に読みやすくて、面白い♪たった1冊なのにキャラそれぞれのちょっとした個性やエピソードが魅力的で・・ウンマイ作家さんですっ!!*漫画家シリーズ私的な嵌り順位『きみがいなけりゃ息もできない』>『愛なら売るほど』>『ごめんなさいと言ってみろ』