遊人学舎

[野の花図鑑] カテゴリの記事

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  色とシッポが違うでしょ！

  ■ツリフネソウ（釣船草、吊舟草）一昨年、戸隠森林植物園の自然観察会で教えてもらったツリフネソウとキツリフネ。変わった形をしていたのですぐに覚えた。覚えると山を歩いていてもよく目につく。この日は小川村で高橋まゆみさんの人形展を見た後、車で山道を鬼無里へと走った。その途中で見かけたのがこの花。草の中でムラサキとキイロが“ここにいるよ”と呼びかけてきた。北海道から九州の山地に分布し、水辺などのやや湿った薄暗い場所に生育する一年草。和名は、花の形とつき方が帆掛け舟を吊り下げたように見えることから。 キツリフネに対してムラサキツリフネ（紫釣船）とも呼ばれ、ともに群生していることも多い。ホウセンカと同じ仲間なので、熟した果実にちょっと触れるだけで種を勢いよくはじきとばす。花　期　８～１０月高　さ　５０～８０ｃｍ分　類　ツリフネソウ科ツリフネソウ属撮影地　虫倉山の山裾（2007.9.2）ツリフネソウの距（花のシッポ）は渦巻くがキツリフネは下垂。ツリフネソウとキツリフネ、色とシッポが違うでしょ！

  2007.09.03

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  葉っぱが３枚でも５枚でもヨツバとはこれいかに

  ■ヨツバヒヨドリ（四葉鵯）　　ヨツバヒヨドリの名前は、「ひよどり（鵯）の鳴く夏ごろに咲く ヒヨドリバナそっくりで、葉が４枚ある花だから」とのこと。「葉が３枚のものや５枚のものもあるけど、それもヨツバヒヨドリといいます」とガイド氏。調べてみると別の説明もある“ヨツバヒヨドリ（バナ）の花は、フジバカマのように、小さな管のように集まり、それが枯れると良く燃えて、火熾し（ひおこし）の材料になるから、それが火を取る（ひおとる）に転嫁して、ヒヨドリの名になった”。どちらが正解かわからないけど４枚の葉からヨツバの名前がきていることは間違いない。山地の草原などに生えるキク科の多年草。高さは１ｍ前後。葉を３～５枚輪生し、細長い楕円形で鋸歯がある。花冠は白色、または淡紅色。分　類　キク科　フジバカマ属花　期　７～９月草　丈　４０～１５０ｃｍ撮影地　戸隠森林植物園（2007.8.26）吸密する蝶はアサギマダラ。８月に入ると戸隠森林植物園に姿をあらわす。南西諸島まで渡りをする蝶として有名。この蝶を見るとよく頑張ったなぁと思わず声をかけたくなる。

  2007.09.02

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  若葉をゆでて水にさらして食べる花

  ■サラシナショウマ（晒菜升麻）　　「サラシナという名前は、この葉が若い頃、ゆでて水にさらして食べることからつきました。」とガイド氏。サラシナという名前から更級の里（長野市の南部）を想像し、長野限定の花かと思っていたが、これは違った。北海道～九州の落葉樹林内や草原などに生える大型の多年草 。森林植物園を歩くと白く長いか花穂がよく目につく。ショウマ〈升麻〉は漢方でこの仲間の根がを乾燥して升麻という鎮痛剤に利用されてきたことにちなむ。　分　類　キンポウゲ科　サラシナショウマ属花　期　８～１０月草　丈　４０～１５０ｃｍ撮影地　戸隠森林植物園（2007.8.26）

  2007.08.31

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  夜明けを連想させる花

  ■アケボノソウ（曙草）山の湿地や沢に沿ったところに生育する。北海道から九州に分布する２年草。星の形をした花びらには緑紫色の小さい斑点と黄緑色のやや大きなまるい斑点が２個ある。このまるい斑点を夜明けの星に見たててアケボノソウと言う。 花冠は５深裂。夏から秋に白い花を付ける。裂片の先には緑色を帯びた２個の円状の密腺と黒紫色の斑点があり、蜜腺からは蜜を分泌し、虫がよく集まる。分　類　リンドウ科　センブリ属花　期　９～１０月草　丈　６０～９０ｃｍ撮影地　戸隠森林植物園（2007.8.26）自然観察会の終わり近く「アケボノソウを見て観察会を終わりにしましょう」とガイド氏。連れて行ってもらった森林学習館のすぐ近くにアケボノソウが咲いていた。白い清楚な花。カミキリムシの仲間が密を吸っていたけど、うまく撮影できなかったのでここでご紹介出来ないのが残念。あけぼのと言えば高校時代、古文の時間に習った枕草子の第一段、「春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく 山ぎは…」を思い出す。口語訳は…春は日の出前がよい。だんだんあたりがしらんでゆくうちに山際の空が少し明るくなって紫がかった雲が細くたなびいてるのが風情があっていい。学生時代、思い出した？ワタシも今はけっこう調べたりするけど、あの頃は勉強、嫌いだったなぁ…そして、今日に至る（笑）それはともかく、アケボノソウは夜明けを連想させる花。

  2007.08.28

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  小さな花は下から上へとらせん状に咲いていく

  ■ネジバナ（捩花）日本全国に分布し、日当たりのよい草地や芝生に生える。もっとも身近に見られる野生のラン。花色は通常桃色で、小さな花を多数細長い花茎に密着させるようにつける。名前の由来はその花が花茎の周りに螺旋状に並んで咲くことから。別名「モジズリ」。他に「ネジレバナ」、「ネジリバナ」、「ネジリソウ」。ねじれは左巻き、右巻きと両方ある。小さな花は花序の下から上へとらせん状に咲いていく。花　期　４～１０月分　類　らん科撮影地　戸隠森林植物園（2007.8.5）初めて見たのは１０数年前の穂高。庭でこの花を育てている人がいた。それまで見たことがなかったので「変わった花ですね」と言ったのを覚えている。調べてみると日本全国いたるところに生える花。呼び名の多さがそれを証明しているようだ。植物園でも夏の日射しを浴びてごく普通に咲いていた。

  2007.08.06

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  登山の喜びを教えてくれる花

  ■シラネアオイ（白根葵）　　　北海道～本州中北部の日本海側にかけて分布し、低地～山地の林内、谷間の斜面に生える多年草。花弁はなく７ｃｍほどの淡い紫色の大きな萼片が４枚ある。葉は切り込みの多いカエデ型で互生。 名前の由来は日光の白根山に多く、花がタチアオイ（立葵）に似ているので。日本固有種の１属１種である。花期：６～７月分　類：シラネアオイ科　 　 撮影地：爺ヶ岳（2007.7.16）「あの薄紫の花はシラネアオイですよね」爺ヶ岳に登った帰り道、通りすがりの夫婦らしきつれあいの女性がワタシに声をかけた。「ええ、そうです。この先で群生してましたよ」とワタシ。「私、この花を見てとっても感動しました」と女性は言う。そう、山野草にはめずらしい大輪のこの花は、気高く見るものに感動を与える。山に登る喜びを再確認出来る花。手元の花の本には「梅雨時に花が咲くので、この花を見に行くときは必ず雨具が必要です」とあった。ナットク！

  2007.07.20

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  でも、これじゃ雨にぬれるよ！

  ■キヌガサソウ（衣笠草）　亜高山帯の湿った林内や林縁に生え高さ３０～８０ｃｍになる多年草。傘のように葉を八方に大きく広げ、その真ん中から１本の花柄がまっすぐ立ち、先端に白い花を開かせる。名前の由来は奈良時代に高貴な人にさしかけた衣笠にたとえたもの。 花　期：７～８月分　類：ユリ科　 　 撮影地：爺ヶ岳（2007.7.16）爺ヶ岳へ続く柏原新道。種池山荘が山の上にみえてくるあたりの地点からキヌガサソウが顔をあらわした。雨上がりのキヌガサソウはその名の通り傘をさしたよう。高貴な人は傘の上でつんとすまして…。でも、これじゃ雨にぬれるよ。

  2007.07.20

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  嫁は若くて美しい

  ■ミヤマヨメナ（深山嫁菜）　本州から九州の山地の日陰に生える多年草。和名は深山に生えるヨメナ（嫁菜）の意。別名ノシュンギクと呼ばれる。春から初夏にかけて白～淡青紫色の花を咲かせる。園芸種のミヤコワスレは本種から育成された。花　期：５～７月分　類：キク科ミヤマヨメナ属 撮影地：戸隠森林植物園（2007.7.8）７月８日、戸隠森林植物園の自然観察会は「今日はミヤコワスレの原種、ミヤマヨメナを見に行きます」という挨拶から始まった。森林植物園の木道を歩き最後に林の中で見つけたのがミヤマヨメナ。「ノコンギクに似ている」と言うのが第一印象で見分けがつかない。相違点はいろいろあるようだけど「ほかの野菊は秋に花を開くが、本種は晩春-初夏に花をつける。」というのがワタシには一番わかりやすい。あとの違いはおいおいに。深山に咲く「嫁菜」ということだが、元の「嫁名」は若葉を嫁に見立てて、嫁はやさしく美しいという説がある。我が家の嫁は？

  2007.07.19

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  我が輩、比叡山延暦寺の「山法師」でござる

  ■ヤマボウシ（山法師） 北海道をのぞく本州から九州に分布する落葉亜高木。白い花のように見えるのは総苞片でその中心に多数の花がつく。和名の山法師は、白い総苞が白いずきんをかぶった山法師を連想させることから名付けられた。実は食べられる。桑の実を丸くしたような実を付けるのでやまぐわとも呼ばれる。ハナミズキに似ているが、ヤマボウシは花の先端がとがっていることから区別できる。花　期：６～７月分　類：ミズキ科　ヤマボウシ属撮影地：戸隠森林植物園（2007.7.8）街路樹のハナミズキはヤマボウシの仲間。ヤマボウシよりも１ヶ月くらい早く咲き白やピンクの花を付ける。ヤマボウシもハナミズキも情緒がある名前だけど、ハナミズキの別名のアメリカヤマボウシとなると和洋混合でイメージが打ち消されて、ちょっとね。でも、これだけは覚えておこう。ヤマボウシの実、食べられる。ハナミズキもね！

  2007.07.18

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  熟すとあまい？サンカヨウ

  ■サンカヨウ （山荷葉） 北海道～本州のやや湿った山地に生える多年草。茎が直立し、葉を傘のように広げる。茎の先に小さな白色の花を数個つける。葉のつき方がハスに似ていて、平地のハスに対して山のハスということで山荷葉という。実は濃い青紫色で熟すと甘い。 花　期：５月～７月分　類：メギ科　サンカヨウ属撮影地：爺ヶ岳（2007.7.16）登山道のかたわらで今が盛りとさいていた。葉のイメージとはうって変わって清楚な愛らしい花。撮影地：峰の原高原（2007.7.7） 撮影地：戸隠森林植物園（2007.7.8）自然観察会で花の実を見ると女性は必ず「食べられますか？」と聞く。戸隠の観察会でも「食べられますか」の質問が飛んでいた。「おいしくないんじゃないかなぁ」とガイドさん。その後に調べると「熟すとあまい」とあった。熟した時期に食べてみよう。

  2007.07.17

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  森の花火

  ヒュー　ドドン森の花火が始まった本物の花火はすぐに終わってしまうけど森の花火は終わらない■カラマツソウ(落葉松草、唐松草)　　北海道から本州の山地や高山帯の草地に自生する日本固有の高山植物。花茎は根本から高く伸び上がり、その先に１ｃｍほどの白色の花を多数つける。花弁はなく白い花は雄しべの集まり。名前の由来は花がカラマツの葉の付き方に似ていることから。花　期：６～８月分　類：キンポウゲ科カラマツソウ属撮影地：戸隠森林植物園（2007.7.8）この時期、森林植物園を歩いていると至るところでカラマツソウに出会える。決して派手ではないけれどいつまで見ていても見飽きない。

  2007.07.16

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  装飾花で虫を呼ぶカンボク

  ■カンボク（肝木） 北海道から九州の山地のやや湿ったところにはえる落葉低木。枝先に多数の白花をつける。中央の花のまわりに花冠の大きな装飾花がある。オオカメノキやヤブデマリなどに似ているが、カンボクの葉はふつう３中裂するので区別しやすい。秋に真っ赤な実をつける。名前の由来は枝葉が止血剤、果実は目薬りになり、人体に良い肝要な木ということから。花　期：５～７月分　類：スイカズラ科　ガマズミ属撮影地：峰の原高原（2007.7.7）カンボクにやってきたカミキリムシ。装飾花が虫を呼び、受粉を助ける。「えっ、カンボクという木があるの？それ本当の名前？」と声をあげたご婦人がいた。音だけ聞いていると分からないけど、こちらは灌木（カンボク）との混同。植物学の用語で、樹高が約３ｍ以下にしか生長しない木を低木、あるいは灌木・潅木という。

  2007.07.15

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  ギンリョウソウとも仲間　ベニバナイチヤクソウ

  ■ベニバナイチヤクソウ（紅花一薬草） 北海道から中部地方の山地の林内や草地などに生える多年草で群生していることが多い。花茎をまっすぐに立てて、紅を帯びた優しい花をうつむくように多数つけている。花　期：６～７月分　類：イチヤクソウ科撮影地：峰の原高原（2007.7.7） 名前は赤花のイチヤクソウの意。「一薬草」は全草が薬用として用いられるからとも一番よく効く薬草の意味とも書かれている。民間薬として煎じて脚気やむくみの利尿に、切り傷や虫刺されには、生の葉をもんで汁をつけると効果があるという。 ６月２３日と７月７日の２回、峰の原高原を訪ねた。６月には群生していたベニバナイチヤクソウ。７月には同じく草地でまばらに咲いていた。 野の花図鑑でいちばん最初に紹介したギンリョウソウも同じイチヤクソウ科の植物。果たしてギンリョウソウにも薬草としての効能効果があるのだろうか。ちょっと気になる。

  2007.07.14

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  枯れたあとに花穂を薬草として利用するウツボグサ

  ■ウツボグサ（靫草） 日本各地の日当たりのよい山野の草地、路傍に多く自生する多年草。ウツボグサの由来は花穂が弓矢を入れる靫（ウツボ）に似ているため。花　期：６～７月分　類：シソ科撮影地：峰の原高原（2007.7.7）別名、夏枯草（カコソウ、カゴソウ）、枯れた花穂を乾燥させて煎じて飲むと利尿や消炎の効果があり、民間薬として利用している。 撮影地：峰の原高原（2007.7.7）

  2007.07.11

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  五葉（ゴバ）と呼び煙草の代わりにしていたヤグルマソウ

  ■ヤグルマソウ（矢車草）やや湿り気のある林床などに見られる多年生草本植物。 葉を端午の節句こいのぼりの矢車に見立ててこの名が付いた。花　期：７月分　類：ユキノシタ科撮影地：峰の原高原（2007.7.7）花には花弁がなく、花びらに見えるのは５枚の萼。俗にヤグルマソウと呼ばれるのは園芸植物のヤグルマギク。 撮影地：峰の原高原（2007.7.7）戦時中、物資がなく煙草も配給になっていた時代、この葉を乾燥させて煙草の代わりにして吸っていたとか。もちろんニコチンも含まれていないので満足したかどうかは分からないけど、ヤグルマソウをみて物資が統制され、モノも自由に言えなかった戦争中を思い出す人がいるかもしれないね。

  2007.07.10

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  いずれがアヤメかカキツバタ

  ■アヤメ（菖蒲）北海道から九州の山野に生える多年草。 名前の由来は花の付け根部分に黄色と紫の文目模様があることから。花　期：５月～７月分　類：アヤメ科撮影地：峰の原高原（2007.7.7）いずれがアヤメかカキツバタアヤメとカキツバタは区別がむずかしいことから、どちらも優れていて優劣つけがたく、見分けがつき難いもののたとえとしてつかわれる。ワタシもさっぱり分からなかった。あえて分からないことは考えずに来たのだけど、須坂青年の家のイベントでその見分け方を教えてもらった。アヤメは土に咲き、カキツバタは水のあるところに咲く。花も違っていて、アヤメは花弁の付け根に名前の由来となった網目模様がある。一方、カキツバタは花弁に網目は無く一本の白線がはいり、ハナショウブはこの線が黄色。やったね。もうこれでワタシもアヤメ博士。でも、実際はそんなことはなくて、野山でアヤメに似た花をみると迷うのだ。撮影地：戸隠森林植物園（2007.7.8）ヒオウギアヤメ（檜扇菖蒲）亜高山帯の湿地や高層湿原に群生する。花がアヤメ、葉がヒオウギ（檜扇）に似ていることから名付けられた。内花被片が小さく目立たない。　撮影地：斑尾高原（2006.7.9）カキツバタ（杜若）水湿地に群生する多年草。葉の中央に隆起腺がなく内花被片が細く直立すること、外花被片の中央部に白ないし淡黄色の斑紋があることなどが特徴。

  2007.07.09

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  コバルト色の可憐な花　グンバイヅル

  ■グンバイヅル（軍配蔓）本州中部地方の高原や山地に見られる多年草。名前の由来は実が軍配に似ていること、茎が蔓のように地上を這って増えることから。オオイヌノフグリもこの仲間で、同じように果実の形から名前が付けられている。花　期：７月分　類：ゴマノハグサ科撮影地：峰の原高原（2007.7.7）昨日につづいてグンバイヅルも絶滅危惧種だけど、峰の原高原、菅平高原では普通に見ることが出来る。環境の変化が棲息域を狭め、貴重であることがさらに価値を高め、採種されて絶滅への道を歩み始めたんだろうか。山野草はその名前の通り山野で見るからこそ魅力的だと思うのだけど…

  2007.07.08

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  レッドデータブックに載るカラフトイバラ

  ■カラフトイバラ（樺太茨）カラフトイバラは氷河期の名残りの花と言われ、北海道のほか本州では一部菅平などにしか見られない。別名をヤマハマナスと言い、ハマナスの仲間。ハマナスより少し小さい５ｃｍ程度のピンクの花をつける。花　期：６～７月分　類：バラ科撮影地：峰の原高原（2007.7.7）長野県阪レッドデータブックによると長野県にある植物（2979種）のうち992種が絶滅、あるいは絶滅の危機に瀕している。今日、須坂青年の家の主催事業自然観察シリーズ２「夏の峰の原・菅平高原」に参加して見つけたカラフトイバラもグンバイヅルも絶滅危惧種にリストアップされている。

  2007.07.07

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  白いイワカガミ

  撮影地：苗場山（2007.7.1）生まれて初めて見た白いイワカガミ。春になって山に登ると、ほとんどの山でイワカガミに出会えた。高度によって花の色の濃さや大きさは違っていたけど、これまで見てきたイワカガミの花はピンク。新種発見！と喜んで家で調べてみるとヤマイワカガミは白花とあり、サイトにもたくさん掲載されていた。■イワカガミ（岩鏡）九州から北海道の高山帯から亜高山帯に分布し、草地や岩場に群生する。 葉は丸く光沢があり花は淡紅色。花弁は5つに分かれ、その先端はさらに細かく裂けている。名前は、岩場に生え光沢のある葉を鏡に見立てたから。近種にコイワカガミ、オオイワカガミ、ヤマイワカガミがある。花　期　５～７月分　類　イワウメ科撮影地：湯ノ丸山（2007.6.9）コイワカガミ大きさや葉の鋸歯、草丈などで分類するようだが調べれば調べるほど種類の違いが分からない。今まで通りすべてイワカガミと覚えておいた方がよかったのかも…。撮影地：鍬の峰（2007.5.26）イワカガミワタシの中では、葉は鋸歯が細かく花がたくさんついているのがイワカガミ。高山の岩場に生え鋸歯がおおざっぱなのがコイワカガミ、葉が極端におおきいオオイワカガミ、そして白花ヤマイワカガミと分けてみた。間違ってるかも知れないので詳しい人には是非、ご指摘いただきたい。撮影地：苗場山（2007.7.1）オオイワカガミめずらしく上を向いていたイワカガミ。ワタシに何か話しかけている。

  2007.07.06

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  ショウジョウバカマとショウジョウバエ

  ■ショウジョウバカマ（猩々袴）日本各地の山の多湿なところにはえる常緑の多年草。名前の由来は、花が淡紅色で中国の伝説上の動物猩々の赤い顔、葉の重なりが袴を連想させるところから。花　期　４～５月分　類　ゆり科撮影地　苗場山（栄村）2007.7.1６月２３日の根子岳でも、７月１日の苗場山でもみかけたショウジョウバカマ。「あれっ、こんな時期に？」と思ったワタシ、調べてみると夏期は４～５月。印象深いのが３年前の５月の陣場平山。登山のおもしろさに毎週のように一人で山に通い出した頃だった。山を歩いているとそこかしこに見えたピンクの花。何だろうと思って手にすると茎がもろくポロリと言う感じで手折れてしまった。それ以来、樹木に触れることはあっても草花にふれることはない。あのときのショウジョウバカマさん、ゴメン。…ということで野草の中でも印象深く、すぐに名前を覚えた花。撮影地　陣場平山（長野市）2004.5.3山のあちこちで初めてのショウジョウバカマとの出会い撮影地　根子岳（上田市）2007.6.23標高が高いところでは６月でも咲いている。撮影地　苗場山（栄村）2007.7.1花は黄緑色に変わったままいつまでもついている。猩々は、龍や麒麟などと同じく中国の伝説上の生き物で、人に似た顔と子供のような声、鮮やかな赤い体毛を持ち、体つきは犬や猿に似ている。人語を解し、酒を好むとのこと。ちなみに宮崎駿監督の「もののけ姫」にも登場している。また、ショウジョウバエは、「酒に誘引される性質から猩猩になぞらえて名づけられた。」とある。ショウジョウバエとショウジョウバカマ、イメージは全く違うけど、それも猩々がいればこそ。

  2007.07.05

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  亜高山帯の針葉樹林に群生して咲くゴゼンタチバナ

  ゴゼンタチバナという花の名前から巴御前を連想した。調べてみると「御前」という言葉は高貴な女性に対する敬称で、平安時代末期には既に使われていた言葉。その昔、橘御前という女性がいて、誰かが「橘御前のようだ」と花にその人の名を付けた、それがやがて逆にゴゼンタチバナとなって語り継がれた…なんてロマンチックな想像をしてたんだけどそうじゃなかった。■ゴゼンタチバナ（御前橘）名前のゴゼンはこの花が最初に発見された白山の最高峰、御前峰（ごぜんがみね）から、タチバナは赤い実がカラタチバナの実に似ていることからつけられた。花　期　６～７月分　類　みずき科撮影地　苗場山（栄村）亜高山帯の針葉樹林内で群生して咲いている。白い花びらのように見えるのはツボミの時のカバーである苞の部分。中心の淡緑色が本物の花。ハナミズキやヤマボウシの仲間なので構造も似ている。葉は６枚と４枚のものがある。花がつくのは６枚のもので、４枚のものには花がない。その赤い実を付けたゴゼンタチバナの写真をさがそうと、これまで撮りためた写真をさがしてみたけど見つからなかった。実は食べられるそうなので今度であったら食べてみよう。

  2007.07.04

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  亀の甲羅に似ているからオオカメノキ。虫が葉を食べるからムシカリ

  ■オオカメノキ（大亀の木）山地に生える落葉低木。名前は卵円形の葉を亀の甲羅に見立てたもの。別名のムシカリは虫が好んで葉を食べるので。花　期　４～６月分　類　すいかずら科撮影地　苗場山（栄村）この写真と３枚目の写真は５合目附近で撮影。花は赤い実に変わろうとしている。ちょっと見づらいけど林床にはクマイザサ、そしてその上に落葉低木のオオカメノキ。５合目のさらに上の地点で撮影したもの。まだ花が残っている。オオカメノキは標高1,500mを越えるあたりからみることができ、登山者に標高を教えてくれる。核果はやがて赤から黒へと色を変える。同じスイカズラ科の落葉低木にガマズミという木がある。ワタシなどはよく間違えるけど、オオカメノキの葉の鋸歯は鈍く、ガマズミは粗い。これは並べてみてみないとよく分からないね。

  2007.07.03

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  いわくありげなギンリョウソウ

  山に行くと花に出会う。でも日記には、その日の行程を記すのに忙しくて花のことを書くのあとまわし。これではイカン！と心をあらためて野の花図鑑をテーマにしてみた。 ■ギンリョウソウ（銀竜草）落ち葉がたまる薄暗くて湿っぽい林床に生える腐生植物。葉緑素をもたないので自分で栄養分を作り出すことができない。花　期　４～８月分　類　いちやくそう科撮影地　苗場山（栄村）ギンリョウソウ。漢字では銀の竜の草、そう言えば見えないことはない。野の花とは思えないような野の花。だって華やかさはないし、何となく寂しい。葉緑素がないんだ。他の花とは違う。逆に言えばとっても個性的。だから一度でおぼえることが出来る。 いやいや、山で見つけたとき最初はサンショウウオの卵塊かと思ったよ！ 白色透明の草がどうして出来たのか。なんだかいわくありげだな！　

  2007.07.02

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